子どもの成長を妨げている大人たち
若者自立塾(ニートの人たちを対象に厚生労働省が昨年より始めた就労を目的にした若者のための自立支援施設)の親の会で、あるお母さんが、「うちの子(二十代半ば)は、家に戻ってきた時に何も話してくれないのですが、自立塾の生活はいったいどうなのでしょう」と発言しました。するとそこに居合わせた12,3人の他の親たちからいっせいに、「うちもそうなんです」という声があがりました。 そこで私は、「みなさんは、自分のお子さんのことを知りたいのでしょうが、知ってその後どうするんですか?」と尋ねました。するとそのお母さんは、「どうするかはともかく、とりあえず知っておきたいのです」と答えました。 人間はいったん知ってしまうと、何かしら行動を起こしたくなります。そのとき、どういう行動を起こすかが問題になります。子どもの自立に対してプラスになる言動ならいいのですが、多くの場合、親の心配から発せられる言葉や行動はマイナスにはたらくことが多いものです。(中略) 「訊きたい」というのは親の「我」ではないでしょうか。これをどう処理するかということが、親の側の課題だと思います。 子どもと生活文化協会『あやもよう』より●私はある学院に講演に行ったとき、「娘の日記を読みたい」という発言がありました。そこで「あなたはご自分の日記を見られたらどうですか」と尋ねました。「イヤです」というお答え。私は「恋人と同じ、追えば逃げます。追わなければ、寄ってきます」とアドバイスしました。会場の方で思い当たる人がたくさんいたようです。☆事務局電話 0465-35-8420