前を向けなければ見えるところにあっても使えない
先日お部屋の片づけを依頼されたIさんは有名な英語教材一式をリビングに置かれていました。お子さんは3歳と0歳のお嬢さん。高額の英語教材が家の中心に置かれていました。子供たちに英語を身に着けて欲しい熱意がビンビン伝わってきます。購入されたのは一年ほど前。しかし横向きに置かれていて中身を確認することが不可能です。子供たちにいじられないように机でふさいでいます。膨大な教材はほんの一部しか使われていません。お母さんはどこに何の教材があるのかも、教材の使い方ももはや確認できません。すべての教材は巨大な棚もセットです。生活のほとんどをおよそ8帖のこの部屋で行うのに、この棚が置かれているために収納しきれない物が散乱しています。恐らく私が片づけたところで一時的なことと予想がつきます。そこで、この教材を別の部屋に持っていき、教材があった場所には引き出し式の押し入れ収納を置くようにご提案させていただきました。子供たちがここでお着替えするなら、今だけでもここに衣服を置いたほうが散らかりません。また、別室はほぼ物置としてふさがっており、床一面に物が置かれています。Iさんはここにパイプの棚を置いて物を片づけたいというご意向でした。そこで、このお部屋にパイプ棚を作った後、この英語教材もこちらに移動させ、必要に応じてリビングの教材と入れ替えることをご提案させていただきました。初日はこれを動かすなんて考えられないといった雰囲気でしたが、使われていなかった教材の一部を使えるように設置して、1週間後にうかがった時にはIさんのほうからこの棚を動かしたいと言われました。ほうちされていた教材でお子さんが一人で遊んでいるのを見て納得していただけたようです。そばにいれば使うものではありません。少々離れていても取り出しやすいことのほうが大事です。しばらくしたらIさんのお宅に伺ってみたいと思っています。