2004/10/25(月)00:04
「ラスト・プレゼント」&「ディナーの後で」
地震は、今まだ余震があるようですね。
こちらではだいぶ小さくなっているのですが、被災地の方々は、まだまだ眠れぬ夜を送っていることと思います。
避難所暮らしも長引くと疲労がたまる事でしょう。とにかく早く地震が収まって、電気、水道、ガスなど生活に必要なライフラインが整う事を願わずにはいられません。
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さて、この二つの作品、一緒に感想を書くのも無理があるかもと思ったのですが。
☆ラスト・プレゼント☆(2001)
オ・ギファン監督
イ・ジョンジェ
イ・ヨンヘ
クォン・ヘヒョ
イ・ムヒョン
ストーリー
売れないお笑い芸人のヨンギ(イ・ジョンジェ)その妻ジョンヨン(イ・ヨンエ)
両親の反対を押し切って結婚した二人だが、今はギクシャクしている。
妻は夫に早く芽が出てほしい。
つい口うるさく言う妻に夫はうんざりしたり・・
妻はお笑い番組のプロデューサーに付け届けをしたり、影では夫の為に心を痛めている。
そんな彼女は、実は難病に冒されていて余命いくばくも無い。
ずっと隠していた彼女だが、ヨンギは金を巻き上げられそうになった気のよい詐欺師コンビ(クォン・ヘヒョ、イ・ムヒョン)から、そのことを聞く。
しかし、やっぱり妻のジョンヨンは、病気のことを一言も語らない。ヨンギも知らない振りをする。
そんなヨンギは、あるお笑い番組のトーナメントに出るチャンスをつかんだ。
そして順調に勝ち抜いていく。
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韓国ドラマ、映画では本当にこういうストーリーは得意です。
でもやっぱり泣いちゃいますね~~。
妻が、夫を思い彼に残せるものはなんだろうと考えています。
そして夫も妻の事を思い、何を彼女の為にできるだろうかと悩みます。
妻が見ていたアルバムから、会いたい人に合わせてやろうと人探しもします。
それを頼まれたのが、気のいい詐欺師のコンビ。
この詐欺師の兄貴のほうは、「冬ソナ」のキム次長ですよ!
彼は、冬ソナのあのひょうひょうとした感じをもっと人情派にしたようないい役どころです。
このコンビが、涙々になりそうなこの映画の雰囲気をいい意味で変えているようですね。
ラスト泣けますが、心も温まるようなよい映画でした。
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人間いいたい事を言えるのは、赤ん坊の時と死ぬ時なのかもしれない。
逝ってしまうほうは、心残りの無いように何でもいいたくなるが、残されたほうはその重みをかみ締めて生きなくてはならない。
じゃ、何も言わずに亡くなったほうがいいのかと言えば、やっぱり、何かいいたい事があったのではないかと残されたほうは、ずっと引っかかったままいなくてはならない。
この映画を見て「死ぬまでにしたい10のこと」も思い出した。
あの映画は、自分のしたいことを中心に死ぬまでの期間を過ごすわけだが、その中で自分が亡くなった後の家族を思う項目があった。
この「ラスト・プレゼント」も、亡くなった後の夫を心配している。
しかし、やっぱり家族は会話が必要でしょう・・・と思ったりもする映画でした。
さて、次はがらりと雰囲気変わります。
変わり過ぎかも・・(笑)
☆ディナーの後で☆(1998)
イム・サンス監督
カン・スヨン
チン・ヒギョン
キム・ヨジン
ストーリー
仲良し3人組の女性達。食事をしながら彼女達の話題の中心はSEXについて。
ホテルで働く保守的なヨンヒ(チン・ヒギョン)は、恋人と結婚を夢見ている。しかしこの恋人は生活能力なし、マンネリの関係になりつつある。
奔放なホジョン(カン・スヨン)は、「特定の恋人を持つなんてまっぴら、一生同じ男とワンパターンのSEXなんて絶えられない。」と結婚拒否派。
彼女にほれている男もいるのだが、中年男と不倫したり、年下の男をペットにしたり・・。
もう一人、大学院生のスンウ(キム・ヨジン)は、口では過激な事を言うのだが、まだ未経験。
彼女達3人が、それぞれに影響しあって変化していくSEX観や人生観。
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かなりSEXシーンも大胆に描写されている。
韓国ドラマのあのキスして抱きしめてハートマークというのだけを見ていると、韓国ってすごい保守的という感想を持ったと思う。
もちろん韓国映画でもベッドシーンはあるけれども・・ね。
しかし、この映画、いやらしいと言えばいやらしいので、こんな映画を作る韓国って摩訶不思議だ。
あ、でもじめじめしていないから、いいかも。
とにかく女性の側から語るSEX観というのは、なかなかない映画だと思う。それをこの韓国が映画にしているというのが、面白い。
しかし、姦通罪が出てくるのは、驚いた。
彼女達、年齢的には20代後半ぐらいかもしれない。
保守的なヨンヒは、結婚するのが目標。一番奥手だと思われる彼女が、恋人に振られたあたりから変わって来る。
病院で出会った男性と食事をして自分からベッドに誘ったりするのだ。
この行きずりの男性を、ソル・ギョングが演じている。
また、奔放なホジョン。彼女はその姦通罪で訴えられてしまう。
ショックを受けた彼女の中でも何かが変わっていく。
裕福な家のお嬢さんらしいのだが、その家のほうでも事業に問題が出たらしく、そんなことも合わさって彼女はパリに行こうと決心するのだ。
彼女の奔放ぶりは時に痛快でもあるのだが、それは最後は平凡な方向に向かいそうだった。
そして、大学院生のスンウは、ついに処女を捨てた。しかしその相手はヨンヒの元彼。
不思議なもので、恋人関係は終わったと言いながら、彼は3人と食事をする仲なのだ。
その結果、ヨンヒは妊娠してしまう。そして一人で育てようと決心したのだが、結局流産してしまう。
彼女も夢見る女の子から、一歩足を踏み出したと言えるのだろう。
かなり大胆な足の踏み出し方かもしれないが・・
3人の女性達が、それぞれの生き方に影響を与え合って、どんどん変化するさまが面白い。
このからりとした会話が面白いと思う。
ただ、大胆なシーンがニガテと言う方はやめておいた方がいいだろうが・・・
女性から見たこういう映画は、男性が見ると「女性ってこんな事を考えているのか~」と勉強になるかも。
もちろん、この女性達が女性の全てだと勘違いしてはだめだけどね。