2005/03/19(土)00:17
『八月の鯨』・・・さて、これはいつ見るのが良いか
う~~ん、今ちょっと面白い物にあたらないな~。
面白いものもあったのだけど感想がかけないな、そんなここ2~3日です。
そんな中で、淡々とした映画『八月の鯨』です。
☆八月の鯨☆(1987)
リンゼイ・アンダーソン監督
ベティ・デイヴィス・・・・・リビー
リリアン・ギッシュ・・・・・セーラ
ストーリー
とにかく老人しか出てこない映画。
リビーとセーラの姉妹、毎年夏には小さな島の別荘に滞在する。
若い頃から、ここで鯨を見るのが楽しみだった。
年取った姉妹や友人達との淡々とした、一日半を描いている。
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そう、ベティ・デイヴィスを見たくて借りてきたわけです。
ベティはここでは、かたくなでシニカルな物言いをしてセーラや友人を傷つける盲目の老女です。
このときベティ79歳。
あの瞳が美しいといわれたベティが盲目の役ですから・・・・
役者魂は、変わっていないんですね。
彼女はかなり周りを振り回した大女優さんらしいですが、役作りはきっちりと自分の姿勢を曲げなかったらしいですね。
この映画、あのベティのオーラはさすがに衰えていたけれども、台詞回しは『おお~この感じは変わらないベティだ』とわかっちゃいましたね~。
そしてセーラ役のリリアンは、90歳!!
これがまたベティよりも若々しく見えるから凄いです!
セーラはリビーとはまた違って日々を生き生きと生きているんです、その年齢なりに。
人はそれぞれ、その年にふさわしい生き方があるわけで、どんなに元気が良くても18歳の女の子のようには動かないのよ。
当たり前だけどね~~。
しかしその分、たくさん思い出があるんだよね。
これまた当たり前だけどね~。
常にを意識している年齢として、リビーは無気力にとらわれる。
シニカルな物言いの影にはおびえがある。
かたや、があるからこそ、今を大切にしようと思うセーラ。
二人は言い争いをする。
争いながら、セーラの言葉にリビーは、気がつくのだ。
はいつでも目の前なのだから
「来年も鯨を見られるか?」なんていうことよりも
「今年の鯨を見る」それを楽しみにしよう!と。
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お客を招いてのディナー。
ドレスアップして、食卓に花を飾り。
なんて素敵なんだろうね~~。
この前見た『やさしい嘘』のエカおばあちゃんはネイルをしているんだけど、おしゃれなんだよね。
それがあちらの人たちには当たり前なのかもしれないが、やっぱりおしゃれだなと思うよね。
この映画の老女達のドレスも、自分達の肌の色にあった、地味ではあるがやわらかい色合い。
こういう色を着るって、綺麗に見えるのよね~。
最近の日本のおばあちゃんたちも、昔に比べて色鮮やかにはなってきたが、やわらかい色合いを試して欲しいな。
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セーラが、若い頃に戦死してしまった夫との46回目の結婚記念日を祝うシーンも、良かった。
やわらかなシフォンのドレスを着て、テーブルには夫の写真と、白と赤のバラの花。
ワインで一人乾杯し、夫に話し掛ける。
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この映画、若い頃見るとどうだったのかなと思う。
91分の映画だが、我慢してみていられるだろうか?
さすがに老人ばかりの映画で、淡々と特別な事も無い映画だから、飽きちゃったかも。
さりとて自分が彼女達と同じ年齢になってからこの映画を見ても仕方がないような気がする。
彼女達から生きる喜びを感じる前に自分自身に手一杯のような気がするのだ。
あくまで予想だが・・・
いや、そこまで生きてないかもしれないしね(笑)
ただ『なんだか疲れちゃったな~』と思うときボ~っと見るのもいいかもしれない。
彼女達の日常をちょっと見せてもらって、不安もあるし無くしてしまうものも多いけど、「捨てたもんじゃないよね、老いるって」と思う。
老いるって不要な物を捨てていくことなんだろうと思うからね。
ただ、あくまでも淡々としているこの映画、誰もが見て『なるほど~』と思えるかどうかわからない。