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テーマ:映画館で観た映画(8328)
見たい見たいと思っていた「ゆれる」を映画館で鑑賞。
DVDは、2007・2・23発売ですね。 ☆ゆれる☆(2006) 西川美和監督 オダギリジョー・・・・・・・・・早川猛(弟) 香川照之・・・・・・・・・・・・早川稔(兄) 伊武雅刀・・・・・・・・・・・・早川勇(父) 真木よう子・・・・・・・・・・・川端智恵子 蟹江敬三・・・・・・・・・・・・早川修(伯父・弁護士) 新井浩文・・・・・・・・・・・・岡島洋平 木村祐一・・・・・・・・・・・・丸尾・検察官 田口トモロヲ・・・・・・・・・・裁判官 ストーリー 東京で写真家として成功した猛は母の一周忌で久しぶりに帰郷し、実家に残り父親と暮らしている兄の稔、幼なじみの智恵子との3人で近くの渓谷に足をのばすことにする。懐かしい場所にはしゃぐ稔。稔のいない所で、猛と一緒に東京へ行くと言い出す智恵子。だが渓谷にかかった吊り橋から流れの激しい渓流へ、智恵子が落下してしまう。その時そばにいたのは、稔ひとりだった。 事故だったのか、事件なのか。 裁判が始められるが、次第にこれまでとは違う一面を見せるようになる兄を前にして猛の心はゆれていく。やがて猛が選択した行為は、誰もが思いもよらないことだった──。 ~~~~~~~~~~~ ああ、うまい題名だなあ。 まず見終わって思った。 一番はもちろん、兄弟のゆれる思い。 そして、この兄弟の間でゆれる川端智恵子。 ん?逆かな川端智恵子を巡ってゆれる兄弟かな~。 あ~そうだ、事件か事故かという渓谷の橋もつり橋でゆれる。 兄弟関係に関していえば、この猛と稔の兄弟だけではなく兄弟の父とその兄・修の間の積もり積もった感情もある。 田舎と都会。 束縛と自由。 愛情と嫉妬。 そういえば「蛇イチゴ」も家族の物語だった。 家族に縛られる事(父親も母親もそして妹も)と家を出てしまった兄が描かれていたなあ。 ~~~~~~~~ 普段は顔を出さない、もしかしたら自分でも気がつかない心の奥にしまってあった感情が顔を出す。 そんなものを見せてくれる。 それを俳優達のしぐさであったり微妙な表情の変化で見せる。 セリフは補助的なものじゃないのかな。 彼らの言葉は時に自分自身でさえ気がつかない嘘が含まれている。 言葉って自分の気持ちをうまく表現できない事ってあるよね、そんな感じもあるのだ。 映画の冒頭、兄弟の母親の一年忌の法事の場面。 法事の席で父親と弟がいさかいを始める。 父の言葉に反抗する弟。 故郷を捨て東京に出て行った息子を認めない父親。 その二人の間に立ち、いさかいをやんわりと止める兄。 頑固者の父親、やんちゃな弟、おだやかな兄。 父親には反抗するが兄の言葉には素直に従う弟。 兄弟の関係が見える。 そして、兄のこの穏やかな人柄でこの父子達はもっている様に見える。 しかし、この言い争いのためにこぼれたビールを一人せっせと拭く兄。 ビールの雫が少しづつこぼれ兄のズボンをぬらす。 うまいなあと思う。 ほんのちょっとのシーンなんだけど、このズボンをぬらす雫が見ている者の心にもシミのように広がっていくのだ。 その後に「何」があるんだろうか?って思わせるのだよね。 ~~~~~~~~~~~~ やはり兄役の香川照之、彼のしぐさや表情の変化はとにかくすごい。 しかし、なかなかむずかしい。 この兄の本当の気持ちって、一度見ただけで私はつかみきれたかどうかわからないなあ。 この兄の変化に戸惑い、また自分の心の底を覗きこむ弟・オダギリジョー。 演技と関係ないけど、オダギリジョーのあのうっとうしい前髪、ちょっと気になっちゃった(笑) ラストは、見ているものに想像させる終わり方。 どう解釈してもいいという感じだね。 ざらざらしたものを見せているのに、見終わって不快感を感じさせない。 不思議な映画だ。 この監督の感性なのかなあ。 次にどんなものを見せてくれるのか楽しみな監督だね。 「ゆれる」DVDでももう一度じっくり見てみたい映画だった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[~2006年 映画・サスペンス・ミステリー] カテゴリの最新記事
兄弟ものですね!
「手紙」も兄弟モノで、話題ですよね~。 家族の葛藤というのか、ドラマは、この頃、チャンと見たいな~っと思うジャンルになってきました。 ジェット・コースタームービーも好きですけれど。(笑)やっぱり邦画は、その辺じっくり描いてるというか、馴染み深い感触が漂ってますね、、風景とか人物が、。 香川さんって、声だけでも「ゲド戦記」ですごいな、ッと思いましたよ~。 オダジョーは、あんまり好きではないけれど、これだけ映画に引っ張りだこという事は、やっぱり、なにか火の玉な魂をもってるんでしょうね~。 見て見たいな~。 (2006.11.23 00:49:41)
これとっても気になっています。
いろんな意味で「ゆれる」んですね! 蛇イチゴもまだ観てないので、「ゆれる」のDVDが出る前に「蛇イチゴ」を観て待っています。 オダギリジョーの前髪が気になりましたか(笑) 楽しみです! (2006.11.23 08:52:00)
映画ヲ知ったときに気になりました。香川照之はいい俳優さんになりましたね。
(2006.11.23 09:23:58)
まだ30歳ちょっとの監督が撮ったとは思えない上手さを感じさせる作品ですよね。
タイトルも上手いですよね。 これからが本当に楽しみな監督です。 そして香川照之の演技は本当に凄かったです!! (2006.11.23 19:52:22)
>兄弟ものですね! >「手紙」も兄弟モノで、話題ですよね~。 そうそう、手紙もそうですよね。 まだ見てないんですが・・・ 小説もまだ読んでないし。 >家族の葛藤というのか、ドラマは、この頃、チャンと見たいな~っと思うジャンルになってきました。 >ジェット・コースタームービーも好きですけれど。(笑)やっぱり邦画は、その辺じっくり描いてるというか、馴染み深い感触が漂ってますね、、風景とか人物が、。 日本映画もいろいろありますが、風景など馴染み深いですしね。 日本人の感覚にあった家族の物語は、身近ですね。 時に身近すぎて痛いと思うこともあるかもしれないです^^;) でもきちんと見てみたいと思います。 >香川さんって、声だけでも「ゲド戦記」ですごいな、ッと思いましたよ~。 >オダジョーは、あんまり好きではないけれど、これだけ映画に引っ張りだこという事は、やっぱり、なにか火の玉な魂をもってるんでしょうね~。 >見て見たいな~。 香川さん、とにかくこの表情の変化うまいんですよ~~。すごい人です。 私は、「花よりもなほ」のプライドだけ高い貧乏浪人の香川さんが最近では印象に残っています。 香川さん、いろんな映画に出ていますね。どんな役もこなしちゃうんですよね~~。 オダジョーもいろいろと映画に引っ張りだこの俳優ですねえ。 私は気になる俳優です~♪今回も香川さん相手に自然な感じで見せてくれました。 DVDになったら、ぜひご覧ください。 ゆれる思い感じとってくださいね^^) (2006.11.23 23:16:47)
私も、気になっていました。こちらで、だいぶ息がずれましたが上映してくれたので見てきました。
「蛇イチゴ」もシニカルな感じで面白かったですよ~。 こちらはもっと複雑ですし、二転三転するんですよ。 そういう意味でも面白かったです。 どちらも家族の話ですよね。 そういう意味でも「蛇イチゴ」を見て置いてよかったと私も思いましたから、ぜひ「蛇イチゴ」を見てくださいね。 オダジョー、前髪と無精ひげ姿です。 前髪がうっとうしそうでねえ~~(笑) 目に悪いんだぞなどと、見ながら思ってしまいましたよ^^) (2006.11.23 23:23:30)
>映画ヲ知ったときに気になりました。香川照之はいい俳優さんになりましたね。 香川さん、油がのってきたって感じでしょうかね。 最近の彼の出演する映画、いいですね~~。 主役じゃなくても彼の役の取り組み方はさすがだと思うものがあります。 (今回は主役ですけどね^^) (2006.11.23 23:25:31)
>まだ30歳ちょっとの監督が撮ったとは思えない上手さを感じさせる作品ですよね。
>タイトルも上手いですよね。 >これからが本当に楽しみな監督です。 >そして香川照之の演技は本当に凄かったです!! とっても美人の監督さんですよね~。 しかし、この男兄弟の話をここまで描けるって、男っぽいんでしょうね。ご本人もそんな事いってますもんね。 しかしそこに女性らしいこまやかさも見えるし、いいですね~とっても。 この先も楽しみです^^) 香川さんは、こんな演技ができるんだって改めて驚きました、すごいです♪ (2006.11.23 23:28:14)
はじめまして。私もようやく見られてハリウッド大作より心情的な映画が好きなのですっかりハマりました。
>「ゆれる」DVDでももう一度じっくり見てみたい映画だった。 会社の帰りに行ったので冒頭は少しウトウトしちゃったので、そういう意味でもジックリ見たいです。 (2006.12.04 01:44:56)
>はじめまして。私もようやく見られてハリウッド大作より心情的な映画が好きなのですっかりハマりました。 書き込みありがとうございました。 そうですね、静かにゆれる映画でした。 日本的かもしれないけれども、微妙な心の変化などの見せ方うまかったですよね。 DVDでもう一度見たいと、私も思います。 (2006.12.04 16:20:37)
色々な ゆれる でしたね~。
しかし、モテモテですなオダジョー。 私は、どっちかというと兄の性格に似ている。(>_<) 結局、橋での出来事はどれが正しいの? いくつか回想があり、どれが正しかったのか…。 何も反論しなかった兄。だから最後の回想? 落ちたでなくて、落とした? 兄弟間での気持ちが上手く表現されていたのでは、ないでしょうか。 (2007.03.25 15:14:53)
>色々な ゆれる でしたね~。 >しかし、モテモテですなオダジョー。 >私は、どっちかというと兄の性格に似ている。(>_<) 邦画ってやっぱり身近に感じるからかなあ、この映画のように自分自身に投影する感じってありますよねえ。 兄さんは、なかなか複雑な感じがしました、表面とは違うのかなあとかいろいろ考えましたね~~。 >結局、橋での出来事はどれが正しいの? >いくつか回想があり、どれが正しかったのか…。 >何も反論しなかった兄。だから最後の回想? 落ちたでなくて、落とした? 私も最後のあの回想が本当かなあと思ったんですよね。 そう受け取れましたよね。 >兄弟間での気持ちが上手く表現されていたのでは、ないでしょうか。 結構、兄弟というのはライバル意識もあるし、姉妹とはまた違った感情があるんだろうなあって思いましたよ。 女性監督が作ったというのが、驚きでした。 今後もこの監督は、期待してしまいます~~。 (2007.03.25 23:41:55)
>この映画で2人のかけひきが絶妙でとてもひきこまれました。
>最後に観客の心も「ゆれる」を加えます^^ >いろいろTBいただいていきます♪ 駆け引き・・そうですね、二人の虚虚実実の駆け引き見事でした^^) 観客の心も「揺れる」ですか!うまい!!^^) ほんと、どれが本当か嘘か見ながら、ゆれましたよね~~。 面白い映画でした♪ (2007.04.01 10:24:44) |
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