羽織の仕立てについて
着物のサイズは、大体合っていれば着付けで何とかなるが、羽織、コート類のサイズは、体型によってかなり変化します。羽織は肩で着るものなので、いかり肩の人や、肩幅の広い人はあまり問題なく着る事ができますが、なで肩、鳩胸の人は注意が必要です。先日展示会場でお会いした方は、なで肩なので羽織が着られないと言っていました。ショルダーバックが落ちてしまう。ブラの肩紐が落ちてしまう方の羽織はサイズがとても難しい。羽織は普通着物のサイズから割り出しますが、こうして作るととてもぶかぶかなものが上がってくる。そこで、今回羽織の図面を書いてサンプルをお願いしました。自分は腰の位置がかなり上なので、帯の位置もかなり上です。裾にかけて減らしていく線が、全く違うのだと思います。 左の花柄が今回仕立てた羽織。(着物の三松)右の紺色が、3回お直した羽織。(東京ますいわ屋)この羽織は前で紐で留めておかないと肩から滑り落ち、脱げてしまいます。また、前の裾の部分が重なってしまう。綺麗に着られていますね。とお店の方は言っていましたが。この重なりは、首の部分の繰り越しといわれる仕立て方によるものです。何度も呉服屋さんに説明をしましたが、結局意味が分からないらしく、3回お直ししましたが、ここまでが限界のようです。どこを直したら良いのか、お店のかたはもちろん仕立て屋さんでも対応が出来ないのが現状です。 ヨコから見た裾線。左は真っすぐになりましたが、右は後ろが下がっています。脇の線も左は真っすぐ下に落ち、右は前にかた向いています。多少前に傾いても着る事は出来ますが、足にまとわりついて歩きにくいです。誰にでも合う様に作られた仕立て上がりの羽織でしたら、仕方がないのですが、呉服屋さんで仕立てる場合は反物に数十万。仕立て代も6万を超えます。本来の着姿はどうあるべきか。また、体型により、綺麗に着られているのか。確認が出来る人が、店舗にいらっしゃるといいですね。コートも作りたいのですが、サンプルから仕立て、修正していくと、何回か作ってみないと確認が出来ないので、いくらかかるかわからないほどの金額がかかります。今回の花柄の着物は、新古品の反物を使いましたので、仕立て代のみで出来ましたが。