テーマ:和裁って楽しい。(393)
カテゴリ:着物のこと
繰り越しを多くとると衣紋が抜けるのか?
多くの仕立て師の方がブログの中で書いています。 自分の着物の繰り越しは、着物を着て歩く安くするために考えたもので、衿を抜くためではありません。 首が背骨に対して真っすぐについていること。 なで肩、鳩胸の為に前の布を普通より多く必要とする。 これは洋裁の立体裁断のパターンを引く時も同じこと。 洋裁で、なで肩の調整は、肩と、胸のダーツで調整が出来ますが、 平面裁断の着物では、前後の関係で、この肩下がり、鳩胸を調整するしかありません。 ![]() 繰り越し上がり2寸5分の襦袢と着物。 多少抜けますが、こぶし一つ分といわれる普通より抜けません。 花嫁さんのように抜くにはさらに3寸とか3寸5分とかにする必要があるでしょう。 この2寸5分という数字は、長襦袢の後ろ身頃の裾が、足首と離れ、床と垂直になる点です。 なぜ垂直にならないといけないのか? 歩けないからです。 肩が下がっているために、後ろ身頃は垂直で、足から離れても、 前は体に巻き付き(胸があるため)足首に巻き付きます。 着物をこの2寸5分にしないと、 *前の生地が不足するために、前のおはしょりがなくなってしまう。 後ろのおはしょりが多すぎて、帯の垂れから出てしまう。 *袖付けが後ろにずれるために、前から腕が見えて見えてしまう。 (袖着けを後ろより前を1寸長くするという手もあります。) アンティークの着物などは、繰り越しがとっていない為、自分で袖付けを直してから着ます。 前のおはしょりが少ないとどうなるのか? 帯を前下がりにすると、おはしょりがなくなってしまいます。 ![]() 帯揚げのスペースをとる為帯の前を下げると、おはしょりがなくなってしまう。 和裁師の方は不思議な仕立てと言われますが、 着物の全ての不都合を解決するには繰り越しの寸法を代えるしか、方法はありません。 また、普通上物は着物の寸法を元に仕立てますが、 上物は着物とは別の考え方の仕立てになります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.10.04 01:24:43
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