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風を感じて(着物の不思議)

風を感じて(着物の不思議)

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2023.10.01
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カテゴリ:着物のこと
繰り越しを多くとると衣紋が抜けるのか?

多くの仕立て師の方がブログの中で書いています。
自分の着物の繰り越しは、着物を着て歩く安くするために考えたもので、衿を抜くためではありません。

首が背骨に対して真っすぐについていること。
なで肩、鳩胸の為に前の布を普通より多く必要とする。
これは洋裁の立体裁断のパターンを引く時も同じこと。
洋裁で、なで肩の調整は、肩と、胸のダーツで調整が出来ますが、
平面裁断の着物では、前後の関係で、この肩下がり、鳩胸を調整するしかありません。



繰り越し上がり2寸5分の襦袢と着物。
多少抜けますが、こぶし一つ分といわれる普通より抜けません。
花嫁さんのように抜くにはさらに3寸とか3寸5分とかにする必要があるでしょう。

この2寸5分という数字は、長襦袢の後ろ身頃の裾が、足首と離れ、床と垂直になる点です。
なぜ垂直にならないといけないのか?
歩けないからです。

肩が下がっているために、後ろ身頃は垂直で、足から離れても、
前は体に巻き付き(胸があるため)足首に巻き付きます。

着物をこの2寸5分にしないと、
*前の生地が不足するために、前のおはしょりがなくなってしまう。
後ろのおはしょりが多すぎて、帯の垂れから出てしまう。

*袖付けが後ろにずれるために、前から腕が見えて見えてしまう。
(袖着けを後ろより前を1寸長くするという手もあります。)
アンティークの着物などは、繰り越しがとっていない為、自分で袖付けを直してから着ます。

前のおはしょりが少ないとどうなるのか?
帯を前下がりにすると、おはしょりがなくなってしまいます。



帯揚げのスペースをとる為帯の前を下げると、おはしょりがなくなってしまう。

和裁師の方は不思議な仕立てと言われますが、
着物の全ての不都合を解決するには繰り越しの寸法を代えるしか、方法はありません。
また、普通上物は着物の寸法を元に仕立てますが、
上物は着物とは別の考え方の仕立てになります。





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Last updated  2023.10.04 01:24:43
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