『マンデラの名もなき看守』(2007年/独仏ベルギー南ア 原題:Goodbye Bafana)を見た。南アフリカ最初の黒人大統領ネルソン・マンデラが若かりしころ獄中にいた際の、看守との拘留を描いた実話がベースとなった作品。
看守
ジェームズ・グレゴリー(ジョセフ・ファインズ)は、
ネルソン・マンデラ(デニス・ヘイスバート)が収監されているロベン島の刑務所に赴任する。幼い頃黒人の友人
場バファナと育った
グレゴリーは黒人の話すコーサ語ができたため、
マンデラらに来る手紙などを検閲する仕事に就く。コーサ語ができることを強みに
グレゴリーは手柄をあげ昇進し、妻
グロリア(ダイアン・クルーガー)は喜ぶ。
しかし、
マンデラの人柄に触れ、
グレゴリーは
マンデラと親しく話すようなり、黒人びいきの白人として周囲から白い目で見られるようになってしまう。それに耐えられなくなった
グレゴリーと
グロリアは転属願いを出し、息子と娘を連れてロベン島を出る。
数年後。
グレゴリーの働く刑務所に
マンデラが移送されてくる・・・
以下、感想を箇条書きに。
・英雄
マンデラではなく、看守が主人公というところがミソ。
マンデラ本人が公認した作品らしいのだけれど、こういう作品を良しとする
マンデラの人柄も素晴らしい。
・
マンデラ役は、『24』のパーマー大統領だっ!この人(デニス・ヘイスバート)、いい人が似合う役者よね。
・がちがちのアパルトヘイト支持者だった
グレゴリー、そして
グロリアが、だんだんそうでなくなっていく様子が自然に描かれていて、とても良かったと思う。身分証を持っていない黒人が逮捕され、赤ん坊と引き離されたうえ警官暴力を振るわれているのを見て、
グレゴリーの娘がショックを受けるシーンは印象的だった。子どもはおかしいことをおかしいと言える純粋さを持っているのだ。
・私が学校の地理の時間に習った南アでは、アパルトヘイトは過去の政策でなく現在まさに実施されている政策だった。当時も「なぜ?」と思っていたけれど、この作品を見てもその「なぜ」は解決できなかったのがやや残念。
評価は、
★★★☆ (3.5 / 満点は5つ)