2010/10/21(木)06:50
(サントリーホール編)「ヴッパータール交響楽団 日本公演」を聴きにいった話
では、19日付でUPした記事に引き続きまして、ヴッパータール交響楽団の日本公演最終日、「18日(月)サントリーホール公演」を、振り返ってみたいと思います。
指揮:上岡敏之
プログラム
モーツァルト:交響曲第28番
(休憩20分)
マーラー:交響曲第5番
「モーツァルト」ですが・・・
「交響曲第28番」って、皆さんお聴きになった事があるでしょうか。マニアックな選曲ですよね。私は今回、初めて聴きました。
プログラム冊子に、音楽評論家の宇野功芳さんの文章が載っているのですが・・・
宇野さん、この選曲に、
「なぜ、「25番」ではいけないのか。怒るよ、本当に!」
と、驚きと期待を込めた文を寄せていらっしゃいます
この日の終演後のサイン会の時に小耳に挟んだところによると、マエストロ、メインプロの「マーラーの5番」とは雰囲気の異なる曲を、前プロに持ってきたかったのだそうで。
実際の、その演奏は・・・
なるほど、曲は、いかにもモーツァルトといった感じの、明るい宮廷音楽の雰囲気。
第1楽章から、いきなり“三拍子” ちょっと私は、意表をつかれました。
指揮台の後部に取り付けられた転落防止(?)の柵に身体を預けつつ、片足を上げてステップを踏む様に軽やかに、そして優雅にタクトを振るうマエストロの指揮も、とても印象的でした。
さて、「マーラー」ですが・・・
19日の記事中でご紹介しましたYouTubeの動画の中で、マエストロ、マーラーについてこんなコメントをされています。
「人間の限界を超えられるくらいまで音を書けた人」
なるほどなるほど、同感です。
この日の演奏ですが・・・
第1楽章冒頭の極度の緊張感と、中盤の、まるでステージ上でありとあらゆる音が大きな渦を巻いているかの様な怒涛のサウンド。
第4楽章の、最早この世のものとは思えない、音楽の繊細さと美しさ。そして・・・
第5楽章の終盤、フィナーレへ向かって突き進んでいく、その音の迫力の凄まじさ。
マエストロ、恐らく、「パラノイアみたいに至るところに注釈が書いてある」この曲のスコアに忠実に音楽をつくられたのだと思いますが・・・ その手法は、大成功をおさめていたと思います。
その証拠に・・・
第5楽章の演奏が終わった瞬間、ホールの中は、万雷の拍手とともに、「ブラーボ」だか何だか訳の分からない多くの歓声で満たされました。
私も、『あー、サントリーホールって、拍手や歓声も、きれいに響くんだなぁ』なんて事を頭の片隅で思いながら、ステージ上の成功者の皆さんへ向けて、ずっと拍手をしていました。
素敵な音楽を届けて下さった皆さんへの、感謝の気持ちを込めて。
という訳で、今回私こと、「上岡敏之/ヴッパータール交響楽団 日本公演」の関東地区3公演を、生で聴かせて頂いたのですが・・・
う~~~ん・・・
「上岡敏之」という指揮者、そして、マエストロがつくり上げる音楽が、ますます好きになってしまいました。どうしましょう・・・
今後のマエストロの更なる活躍を、願わすにはいられません。
またマエストロ指揮の演奏会、聴きにいきたいです
<追伸その1>
という訳で、終演後、この日も行われるというマエストロのサイン会に、私も参加しました。
しかし、最初私は、この日のサイン会がどこで行われるのか分かりませんでした。
まず、サイン会が行われる事が多い、ホール1階の舞台下手側の「関係者出入口」付近へ行ってみたのですが・・・
サインを求める人たちの「行列」は見当たらず、この日の演奏を客席で聴いていたと思われる、「関係者の知り合い」らしき人たちが十数人ほど集まっているだけ。
しばらくすると、その人たちが移動を始めました。仕方がないので、私もその人たちの後に続く事にしました。
「関係者出入口」から舞台の下手へ入り、指揮者控室の前を通り過ぎて舞台裏へまわり、舞台上手側の「関係者出入口」から廊下に出て・・・
長い階段を下りてB1階まで行き、サントリーホールの楽屋口あたりまで進むと・・・
あー、やっとサイン会の場所がありました。恐らく、終了時間が遅くなる事を予想して、“こんな場所”でサイン会をする事になったのでしょうね。
ですから、サインを求める人たちの行列は、ホールの地下駐車場に長く伸びていました・・・
<追伸その2>
この日、サントリーホールへ出掛ける前、私はマエストロの今後のスケジュールをWebでチェックしてみました。
“再来年(2012年)”の1月、マエストロ、客演でまた読売日響を振られる様ですね。
『マエストロの次の“来日”まで、1年以上も待たなければならないのか・・・』
と、私は少々ガッカリしていたのですが・・・
サイン会の時、思いがけず、(私の聞き違いでなければ)来年の夏頃、マエストロが某在京オケを振る予定がある事を知りました。
まだ、その“某在京オケ”等から正式な発表はなされていない様ですが・・・
楽しみです