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2012/04/26(木)07:38

「東京フィルハーモニー交響楽団第815回定期演奏会」を聴きにいった話

クラシック音楽関連(218)

4月20日(金)、私はサントリーホールへ標記の演奏会を聴きにいってきました。 指揮 垣内悠希 ピアノ ソフィー・パチーニ プログラム ベートーヴェン:「エグモント」序曲 シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 op.54 (休憩20分) ブラームス:交響曲第2番 ニ長調 op.73 昨年のブザンソン国際指揮者コンクールの優勝者、垣内悠希さん。そのブザンソンでも指揮したというブラームスの2番他のプログラムを引っ提げ、果たしてどの様な指揮を見せ、音楽を聴かせてくれるのか興味があり、出掛けた次第です。 「エグモント」ですが・・・ マエストロ、“骨太”のベートーヴェンを聴かせてくれたと思います。今回、東京フィルと“初顔合わせ”とは思えないその落ち着きには、少々関心しました。 ただ・・・ シューマンのピアノ協奏曲ですが・・・ マエストロのその“落ち着き”がソリストと若干かみ合わず、多少チグハグな感が否めなかったと思います。ソフィー・パチーニさんが弾くピアノは、“前へ前へ”、“先へ先へ”という雰囲気で、マエストロの“落ち着いた”タクトとうまく折り合いがついていない様でした。 弱冠20歳のソフィー・パチーニさん、かのアルゲリッチが絶賛するというその才能は、アンコール曲の方でより遺憾なく発揮されていた様に感じました。 コンチェルトの音楽のつくり方については、マエストロ、ソリストともに今後更に期待したいと思います。 さて、「ブラ2」ですが・・・ 恐らくは、マエストロが現在最も得意とする曲のひとつ。 曲自体の雰囲気が比較的明るめ、という事もあるのでしょうが・・・ 演奏中、至る所でオケのプレーヤーへ向けられていたマエストロの“笑顔”が、とても印象的でした。過度に緊張する事なく、指揮ができていた証拠であろうと私は思います。 また演奏中、右手はもちろん、非常に大きく表現力豊かに駆使されていたその左手の動きから、マエストロの曲に対する深い理解度を感じた、とともに、オケに対してとても具体的に演奏上の指示が出されていた事がうかがえました。その指示に対し、オケ側もその趣旨を十分にくみ取り、素晴らしい音楽を積み上げていたと思います。 総じて、「エグモント」にも増した“骨太”の演奏に私は好感を持ちました。マエストロの、曲やオケのプレーヤーに対する謙虚な姿勢も、好印象でした。 とても有望な若き指揮者の姿を目の当たりにでき、とても嬉しく思ったその日の晩でした。 『そういえば・・・ マエストロ、パッと見、若い頃の大野和士さんに似てる』 そんな、どうでもいい事を思いながら家路についた、私だったのでした。

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