373187 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

涙の最終回…“命”をありがとう

最終回 “命”をありがとう

 感染症を起こした薫は一刻を争う危険な状態に陥ってしまった。
そんな中、末永は薫に「ドナーが見つかった」と伝える。
しかし、嬉しいはずの報告をする末永と若葉の表情は暗い。
実は薫のドナーは母親の奈緒子だったのだ。
HLAが完全に一致していないためリスクを伴う移植だが、今となってはこれしか方法がない。
一か八かの移植に混乱し反対する父親の秀介。
今まで全く家庭を振り返らなかった夫の悩む姿を目の当たりにし、奈緒子は父親が抱く娘への深い愛情を初めて知るのだった。

 末永から状況を聞いたさとり、間宮、麻衣子の三人は、薫の精神的ダメージを考慮しドナーが誰であるか内密にすることを了承する。
そしてさとりは末永をひたすら信じた。
院内学級の生徒たちも薫の身を案じながら、それぞれに勉強に専念。
治人は薫の手術の成功を祈って道祖神巡りを始めた。
「道祖神を全部回ると願いが叶う」と治人に教えたのは、あの薫だったのだ。

 一方、クリーンルームの中の薫は体力も低下し、かなりぐったりとした状態に陥っていた。
そんな薫をガラス越しに見守る秀介はインターフォンを使わずに、こう語りかけた。
「お前が生まれたときのことを思い出したよ。
あの時も、こんなふうにガラス越しに見てた。
お前の名前、お父さんがつけたんだぞ」と。
薫がまだお腹の中にいる頃、秀介と奈緒子は散歩をし、そのときに吹いた薫風があまりに印象的で、「薫」と名付けたのだった。
そしてその話を傍で聞いていたさとりは、薫が書道の時間に「薫風」と書いていたことを思い出す。

 ちょうどその頃、院内学級には久しぶりに結花の母親が訪れていた。
最後の外泊のときも結花が院内学級とさとりのことばかり話していたと振り返り、病気の子供たちにとって院内学級がどれほど大切な存在なのかをさとりたちに語るのだった。

 一方、薫は移植の準備のため前処置を行うことになった。
それは経験者の麻衣子が「一番辛い治療でした」と振り返るほどの苦しみを伴うものであった。
薫は想像を絶する苦しい治療に歯を食いしばって耐え、いよいよ移植をする瞬間を迎えた。
「先生…絶対に…絶対に助けてよ……あたし…こんなに頑張っているんだから」と末永に訴える薫。
大きくうなずいた末永は、無事に移植を終えた。
あとは経過を見守るだけだ。
そんな中、薫は「あたしね…わかったんだ…あたしの電池は、あたしだけのものじゃないって」とさとりに語りかけ、発熱に苦しみながらも、ドナーへ手紙を書く。
ドナーの名前も年齢も住所も教えてもらうことはできない。
しかし、だからこそ薫は胸の内すべてを素直に手紙に綴った。
「病気になって心配をかけた分、両親に恩返しをしようと思います。お母さんのお店を開く準備も手伝いたいし、お父さんとも笑って話ができるようにしたい。
病院の先生や看護師さんたちにも、院内学級の友達や先生にも、そしてドナーさんにも恩返しができるよう、一日一日を大事に頑張ります」と。

 しかし薫の容態が急変!

 末永たちは全ての手を尽くすものの、あとは薫の生命力に賭けるのみという最悪の状況に。
自分の限界を感じた薫は力なく「もう…ダメかも…ごめんね」とさとりに小さくつぶやくが、それを聞いた母親・奈緒子は「薫! あきらめないで! お願い! 頑張って! 生きててくれればそれでいいの! お店のことなんかどうでもいいの!」と思わず薫から受け取った手紙の内容を口にしてしまう。
そして自分のドナーが母親であることを悟った薫。
そんな薫にもう一度生きる力を取り戻してもらうため、「薫ちゃんは、絶対に生き抜いてくれるって信じてるから」「薫ちゃんは、お母さんから二回も命を貰ったんだよ」とさとりは涙ながらに必死に呼びかけるであった・・・。

 それから1年後……。結花の墓参りに、さとり、末永、日向、治人、そして明るく元気な薫の姿があった。
その笑顔に触れた末永は、子供の死を見て何度も医者をやめたいと思ったが「あの笑顔を見るとやめられない」と語り、「子どもを救えるのは医者だけ」という自分の思い込みを変えてくれたさとりにも感謝していると日向に告げるのだった。

そしてさとりも院内学級で生まれた「『命』の詩が教えてくれたことを、一人でも多くの子供達に伝えていきたい」と院内学級での新しい一歩を踏み出した。

電池が切れるまで

電池が切れるまで
http://www.tv-asahi.co.jp/denchi/index_top.html



© Rakuten Group, Inc.