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翠蛇の沼

ガン×ソード レビュー集3 最終話


ガン×ソード 最終話「タキシードは明日に舞う」

ついに大団円!!
この物語は二人の熱き馬鹿の伝説である。

花嫁を殺され、その復讐に燃える男、ヴァン。
その旅路で多くの出逢いを経験するも、決して復讐心を失う事無く走り続けた。
復讐の無意味さを説かれようが、他の女に好意を寄せられようが知った事じゃない。
いかなる逆境が襲ってきても、復讐心と愛するエレナへの想いで跳ね除けて、ついに怨敵カギ爪を追い詰める。

「愛する者を生き返らせてあげましょう」
そんなカギ爪の甘言にも惑わされる事は無い。いや、聞く耳すら持たない。
馬鹿にとって、復讐とは相手を殺すことしかない。償いや贖罪など、最初から望んでいない。
しかしその一本筋な姿勢こそが、彼を最後まで突っ走らせた。
そして、そのエネルギッシュさが、本人が気づかぬところで多くの人を惹きつけていったのだろう。
今までの出逢いを回想し、その全てを越えた場所にいた最愛の人・・・
エレナを思い出した瞬間、覚醒するヴァン・・・このシーンは最高にカッコいい。
そのまま怒りに任せてバースデイを倒し、
最後には恨み言も躊躇も無くあっさりと仇敵を斬り捨てる。
最初から最後まで、復讐に生きた馬鹿・・・ヴァンらしい生き様である。


そして、この物語のもう一人の主役・・・クー・クライング・クルーこと『カギ爪の男』・・・
かつて人類に絶望し、全ての人が幸せになるという夢に、己の命すらも捧げた男。
誰よりも優しく、誰よりも冷酷で、誰よりも慈愛に満ち、誰よりも苛烈で、
誰よりも狂気的で、そして誰よりも純粋・・・
その性格はとらえ所が無い、というか、感情や思想に全くストッパーが無いと思われる。
常識や倫理に捕らわれず、自分の夢が正しいと判断すれば、脇目も振らず突き進む。
その凡人には及びもつかぬ思想、人を超越したような純粋さが
カリスマ性を生み、ミハエル、ファサリナ、オリジナル7ら多くの同士を惹きつけたのだろう。
思い立ったら止まらないその本質は・・・復讐一筋に生きたヴァンと良く似ている。
カギ爪は最終的にヴァンを「馬鹿代表」として認めた。
それは、ヴァンに自分に通じる純粋さを感じ取ったからではなかろうか。
そして、壮大すぎる悲願を達成するには、
条理や道理を覆す圧倒的なエネルギー「馬鹿」が必要だと言うことを、改めて悟ったのだろう。
「馬鹿」を知り、夢を叶える希望を得たカギ爪は、事も無げに計画の再開を宣言する。
「馬鹿」となった自分には、もはや病や余命すらも障害ではない。
しかし、その希望は叶えられる事は無かった・・・同じ「馬鹿」の志を持つ者によって。
人間の幸福を神の視点で判断し、最良と思われる夢を与えようとしたカギ爪。
これを悪だと判断することは私には出来ない。
思想という点では、多分作中のキャラの誰よりも共感できた。
しかしだからこそ・・・思想や理想を超えた場所にいる復讐者達・・・
レイやヴァンのような男が、カギ爪を支える「夢の力」を打ち破り、彼の計画を打ち砕いたのだろう。
行き過ぎた愛ゆえの狂気性という、
特異なキャラクターも含めて、私はカギ爪がかなり好きかも知れない。

ミハエルとファサリナは、最後ぼかした感じで終わらせましたね。生死の判断は視聴者に委ねるって事でしょうか。
プリシラを誘うカルロス爺さん・・・老いて尚盛ん!?一番すっきりした終わり方だったと思う。

二度目の視聴になりますが、オリジナル7登場後からの展開は神がかって面白かった。
それぞれの信念・妄執・闇を抱えて襲い来るオリジナル7、
狂気性を見せ付けるカギ爪、悲哀にして壮絶なるレイの最期・・・
そして、馬鹿と馬鹿がぶつかり合い、結果一方の馬鹿が悲願を果たす最終決戦・・・
どれも引き込まれる展開ばかりでした。

復讐の無意味さを説くのでもなく、陰鬱な物語を展開するのでもない、
まさに「痛快娯楽復讐劇」の名にふさわしい物語でした。


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