テーマ:ミステリはお好き?(1496)
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退職刑事 1 創元推理文庫 著者/訳者名 : 都筑道夫/著 出版社名 : 東京創元社 (ISBN:4-488-43402-9) 発行年月 : 2002年09月 価格 : 630円(税込) <本の内容> かつては硬骨の刑事、今や恍惚の境に入りかけた父親に、現職刑事の息子が捜査中の事件を語ると、父親はたちまち真相を引き出す。国産《安楽椅子探偵小説》定番中の定番として揺るぎない地位を占める、名シリーズ第一集。収録作品 写真うつりのよい女/妻妾同居/狂い小町/ジャケット背広スーツ/昨日の敵/理想的犯人像/壜づめの密室 <感想> たまたま見かけたブログに「一番好きな作家は都筑道夫」というフレーズがあって読んでみた作品。 恥ずかしながら都筑道夫という作家を全く知らずにいたのだが、「こんな作家もいたのか」という感想を持った。 「安楽椅子探偵」(アームチェア・ディテクティブ、Armchair-Detectiveとは、ミステリの分野で用いられる呼称で、もともとは安楽椅子に腰をおろしたままで、人から事件に関する話を聞き、それに基づいた推理で事件の謎を解く探偵のことをいう)というジャンルはなかなか興味をそそるものがあり、国産でもこういう作品があったのか~と再発見。 退職した刑事の父と現職刑事の息子の会話のみで繰り広げられるストーリー。不可解な事件を、いろんな角度から推理する老父の発想が面白い。 事件はリアルな犯罪さながらの下世話なネタが多いのだが、「父と息子の会話」で話が展開するため、読後感は上品な感じに仕上がる。(ただ、事件がホントに下世話なので、「こんな会話をする親子がホントにいるのか?」という違うギモンもあるが。まあだから「刑事」という設定なんだろうが) 「安楽椅子探偵」の面白さはロジックのみで話が展開し、解決するというところにあるのだが、ややもすれば作者の独りよがり的な展開になることもあり、難しいところではある。 「おいおい、人の話だけでそこまでわかるか?普通」みたいな。 ただこういう作品を連発するのは相当難しいであろうことはわかる。こういう作品は小説雑誌かなにかで、月イチくらいで読むのが良いのかもしれない。 文庫でまとめてガーッと読むにはややもったいない本。 文庫カバーイラストがポップでシャレた仕上がりになっているのも○。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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