テーマ:ミステリはお好き?(1496)
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月光ゲーム 創元推理文庫 著者/訳者名 有栖川有栖/著 出版社名 東京創元社 (ISBN:4-488-41401-X) 発行年月 1994年07月 <本の内容> 夏合宿のために矢吹山のキャンプ場へやってきた英都大学推理小説研究会の面々を、予想だにしない事態が待ち構えていた。山が噴火し、偶然一緒になった三グループの学生たちは、陸の孤島と化したキャンプ場に閉じ込められてしまったのだ。その極限状況の中、まるで月の魔力に誘われたように出没する殺人鬼! 有栖川有栖のデビュー長編。 <感想> 有栖川有栖を初めて読んだのがこの本。 キャンプ中に起きる噴火の中起きる殺人事件。いわゆる「クローズドサークル(「吹雪の山荘」「嵐の孤島」みたいな)もの」。 クローズドサークルものには、変な社会性や現実性は必要無い。そこに謎解きがあればそれでよい。 その意味でこの「月光ゲーム」は「軽いミステリ」に仕上がっている。 (「軽い」というのはもちろん悪いという意味ではなくて、ミステリとしての純度が高いということ) 登場人物が全員大学生で、夏合宿に行った先で他大学のサークルと出会い、男女が出会い、そして事件は起きる・・・。 正直、話が全て「若い」。登場人物も若ければ、犯行も若い、動機も若い。30代半ばの自分が読んでてこっちが恥ずかしくなるような話の流れでもある。 そういえばこの作品は有栖川のデビュー長編でもあった。 青春小説的な、この青臭さがこの作者の魅力でもある。 重厚なミステリや社会派のミステリは山ほどある。 しかし青春派ミステリというのはあんまりないんじゃないだろうか(よく知らないけど) この「月光ゲーム」の読後感は軽く、決して重いものではないが、何年後かしてこの本のことを思い出したとき、まるで自分の青春時代を思い出すような気分になるような気がする。 そんな小説。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.03.18 12:03:09
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