2020/01/26(日)00:11
にっぽん歴史鑑定ー八甲田山 死の彷徨-
今回のにっぽん歴史鑑定のお題は史上最悪の遭難事故だった八甲田山の遭難事故。
参加者210名中199人が遭難した挙句死に、小説や映画でも取り上げられるほど有名な遭難事故だが、なぜ事故は起こったのかを分析。
最悪の遭難事故を起こしたのは陸軍・青森歩兵第5連隊でこの行軍は日清戦争後、「三国干渉」によってロシアによってせっかく手に入れた遼東半島を手放したため、ロシアを仮想敵国とし、ロシアと戦争状態になった場合を想定して行った行軍なのだが…
・地元の人が案内役を申し出たが無視した
・天気が大荒れ
・指揮官の判断ミスが重なった
・氷点下20度という環境のため食料が凍って食べられない
・猛吹雪に遭遇したことで視界が判らなくなり、道に迷う事が何度もあった
という悪条件に遭遇して最悪の事故を起こしたことになるが、さらに
・一度目的地に向かうシュミレーションをしているが、天気はその時は好天で入口のところで引き上げた。
・計画の立ち上げ~日程の決定は短く、日程が決まったのは本番の2日前
・装備が藁製の靴だったり、コートが薄手だったりと防寒向けでなかった。
・行軍に参加した兵士の大半は楽天的だった。(工程が短かった)
と計画を前もって練っていなかったため判断ミスが重なってほとんどが遭難死‥って結果になったとは。計画を事前に練る必要性がわかりますね。
同時期に弘前第三十一連隊も八甲田山周辺で行軍を行っており、青森歩兵5連隊とは対照的に全員生還を遂げている(一人、途中で脱落してるが)。弘前第三十一連隊が生還できた理由は
・少数で訓練を行っていた
・最悪の事態を想定して案内人を付けた
・行軍を決めたのは1か月前でそれまでに十分な準備を行った
南極探検におけるアムンゼンの成功とスコットの悲劇(南極点にたどり着いたものの、アムンゼンに遅れてたどり着き、帰途で遭難死してる)のようですね。
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生かされなかった八甲田山の悲劇[本/雑誌] / 伊藤薫/著
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