2024/11/03(日)00:29
寺尾聰「Reflections」
今回のお題は寺尾聰「Reflections」。
1981年4/5に東芝EMI/エキスプレスからリリースされた。1982年にCDが発売される前のミリオン達成4作品の一つ。(初CD化は1988年)
ジャケット写真は寺尾が『西部警察』の撮影で多忙を極めていた時期で、撮影所の廊下で撮影された。煙草の火の明かりによる「LOVE」の文字が印象的だが、これは暗闇の状態でシャッターを開いてLOVEのEの文字から書いていき、Lの部分が書けたところで明かりを点けてシャッターを閉じる技法で撮影されている。
<曲目>
01. HABANA EXPRESS
02. 渚のカンパリ・ソーダ
03. 喜望峰
04. 二季物語
05. ルビーの指環
06. SHADOW CITY
07. 予期せぬ出来事
08. ダイヤルM
09. 北ウィング
10. 出航 SASURAI
11.ほんとに久しぶりだね@
12.何処かへ@
13.16の夏 with 田辺靖雄 コーラス:オフコース@
14.坂道を登ると with 田辺靖雄@
*@はボーナストラック(2007年5/16リリースの「~+4」のみ収録)
*対応サブスク:Apple・Spotify(ボーナストラックはなし)
#1はラテン風のメロディに乗ったスピードあるナンバー。「♪煙草をくわえて 窓を上げたら ようやく自分に戻った気がするぜ」といきなり渋い
#2はツイスト風のメロディが印象あるナンバー。夏の風景が見える
#4は冬と夏の恋模様を歌ってるがメロディが別れの寂しさが伝わっている
#5は最大のヒット曲で当初石原プロモーション社長の石原裕次郎や、専務の小林正彦(いずれも当時)に「ルビーの指環」を聴かせたところ、小林は「こんなお経みたいな曲が売れるわけがない」と難色を示したが、石原からは「いいんじゃないの」と好感触をもらい、レコード化が決定した。
この曲がヒットした後に建てられた溜池山王の東芝EMI本社ビルは「寺尾ビル」の異名を取っている。
1981年度の日本レコード大賞を受賞し、作詞者の松本隆は作詞賞、作曲者の寺尾は作曲賞、編曲者の井上鑑は編曲賞を受賞し、楽曲製作者に贈られる3タイトルを総なめにしている
「♪曇りガラスの向こうは風の街 問わず語りがの心が切ないね 枯れ葉一つの重さもない命 あなたを失ってから」「♪孤独が好きな俺さ 気にしないで行っていいよ」はダンディズムを感じるが
「♪そして2年の月日が流れ去り 街でベージュのコートを見かけると 指にルビーのリングを探すのさ あなたを失ってから」って所は彼女に対する未練が見える。
#6はヨコハマタイヤ『ASPEC』のCMソング。ほとんどスキャットだけで構成されているが短い歌詞は夜の大人の風景が見える。
#9は「♪ずっと愛してた それが言えなくて あなたを苦しめた」「そうさこの俺を愛さなくていい そばにいるなら」って所は上手く言えなかった告白を歌っていて、不器用な人あるあるって感じ。
#10「♪ひとつ また一つ 港をでていく船」「♪自由だけを追いかける 孤独と引き換えにして」「生きていゆく道連れは 夜明けの風さ」孤独を愛する男の旅立ちを感じる
リフレクションズ+4 [ 寺尾聰 ]