2024/11/03(日)23:45
大貫妙子「SUNSHOWER」
今回のお題は大貫妙子の「SUNSHOWER」。
1977年7/25日に日本クラウン/PANAMからリリースされた2nd。坂本龍一やクリス・パーカーらを迎えて制作された。フュージョン・クロスオーバー・AORを先進的に取り入れたことからシティポップ初期を代表する名盤として評価されている
<曲目>
01(A-1). Summer Connection
02(A-2). くすりをたくさん
03(A-3). 何もいらない
04(A-4). 都会
05(A-5). からっぽの椅子
06(B-1). Law Of Nature
07(B-2). 誰のために
08(B-3). Silent Screamer
09(B-4). Sargasso Sea
10(B-5). 振子の山羊
*対応サブスク:Apple・spotify
<主な参加ミュージシャン>
・坂本龍一(Key)
・渡辺香津美(Gt)
・大村憲司(Gt)
・松本恒秀(Gt)
・細野晴臣(Ba)
・後藤次利(Ba)
・クリス・パーカー(Ds)
・山下達郎(Cho)
#1「♪太陽の島 あふれるリズムに乗り~」ってところから夏の一コマが歌詞に多用されている。メロディが荒井時代のユーミンっぽい所が。
#2は医者に行くと山のような薬をたくさんくれるということへの医療に関しての批判があったという。
「♪薬をたくさんよりどりみどり こんなにたくさん飲んだら終わり 治る頃にはまた病気」って歌詞なんか確かに…と思う
#3は大貫曰く「このときの社会に対して、周りの環境に対して、否定的だったんです。もう全部捨ててしまいたいというか、全部雨のように流して、もう一回最初からやり直せないだろうか、この世の中をと。そんな気持ちがすごくありました」という。「♪閉じ込めたい すべてを鏡の中 その向こうが広がる 空があったら 何もいらない」って歌詞はコメントとシンクロする
#4はスティーヴィー・ワンダーの影響で作ったという。「♪眠らない夜の街 ざわめく光の洪水」って所は都会の華やかさがある。
「♪値打ちもない華やかさに包まれ 夜明けまで付き合うというの」は都会が持つ冷たさを感じる
#5はシュガー・ベイブのラストコンサートで歌われた曲。この曲については「時々ポッカリと穴が開くっていうのかしら、ひとりで住んでると。そういう事ってあるんですよね。そういったイメージ」と答えており、また、「ジャズの中にはスロー・ナンバーがかならずありますが、そういうニュアンスでやりました。ジャズになりきるつもりはありませんでしたが」とも答えてる。
「♪あなたがいなければ この街棄てて 今から一人で始めるのに」って所は独り身の安心感を感じる
#6はドット・ラングレンの「ユートピア」のイメージで書かれている。ギターソロがフュージョンっぽい。
#7は大貫曰く「まさしく弱者からの叫びという感じです。地位とか名誉がなければ本当に世の中は認めてくれないということがありますが、そういったものへの訴えみたいなものがあります」と言っている
「♪力のない者たちに吹く風は 冷たすぎる世の中に背を向けて」「♪実り尊い積み重ね投げ出し 楽な暮らしつかまえて逃げ出す」って所は確かに…と思う。ピアノも寂しい音を出してるから辛い世の中が見える…って丁度今の御時世じゃん!
#8も現実逃避がテーマ
#9は魔の海と言われるサルガッソー海がテーマになっている
#10は曰く「人間の週末を象徴的に描いている」とのこと。抽象的ではあるが終末感がある。
SUNSHOWER [ 大貫妙子 ]