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読書・コミック

Sep 6, 2019
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カテゴリ:読書・コミック
今回読んだ本は小室哲哉が書いた小説「CAROLの意味」。
デビュー30周年アルバム「QUIT30」と並行してリリースされたもの。
「CAROL」の中で出てきたビッグベンの鐘の音が消えてしまった事件を取り上げてはいるものの、木根尚登の処女作である「CAROL」とは別物になっており、聴覚障害を持つイギリス在住の「CAROL」と日本に住む「M子」が音楽を通じて交流を持ちSNS時代の音楽のあり方を書いた内容になってる。

エマーソン・レイク&パーマー、YMO、クィーン、エアロスミス、ピンクフロイド、ウッドストック・・・・と音楽好きにはたまらないキーワードを散りばめているが自分らの身内をネタにしてるところが・・作中で小室自身がプロデュースしたTRFと初代サポートギタリストでFENCE OF DEFENSEの北島健二の名前を出している。木根尚登が出した短編集「夢の続き」で木根さんは自分自身をネタにしてたっけ。
日本人アーティストでは他、佐野元春と大沢誉志幸を取り上げていた。
「CAROL」作中で登場したガボール・スクリーンも登場。現段階では正規メンバーはひとりだけ・・・って状況。今のELPと一緒だよなぁ

舞台はロンドン・福島・宇宙などとめくるめく変わっていき、SF要素がちょっぴりありM子、彼女の友人が見たCAROLはアンドロイドとすり替わっていたってことが判明。本を一読しただけでは理解できない。ラストもCAROLが謎の爆発と共に消えてしまった・・って所で終わるけど意味不明。
「QUIT30」ライブのダイジェスト映像を見たが、それに沿った内容だと思う。









最終更新日  Sep 16, 2019 10:22:08 PM
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Jul 8, 2019
カテゴリ:読書・コミック
妻に先立たれた本多だが、慶子との友諠は続いており世界旅行や日本の名所に向かうなど悠々自適の生活を送っていた。、天人伝説の伝わる三保の松原に行った折、ふと立ち寄った清水港の帝国信号通信所で働く青年・安永透と出会う。透の左わき腹に3つの黒子を発見した本多は清顕の生まれ変わりではないかと考え、彼を養子にする。
 本多は透に英才教育やマナーを施し、清顕や勲のように夭折しないよう教育する。しかし透の精神構造が自分そっくりと感じた本多は透が転生者ではないと疑うようになっていた。
 透は次第に悪魔のような男となり、本多の決めた婚約者を陷れて婚約をご破談にしたり、東大に行く頃になると本多にも危害を加えるようになる。
 本多はそのストレスで20年以上やっていなかった公園でのアベック覗き見を再びしてしまい、警察に取り押さえられ、その醜聞が週刊誌沙汰になる。それを聞いた透は本多を準禁治産者に追い込み自分が当主になろうと企む。本多の醜態を見かねた慶子は透を呼び、本多が透を養子にした理由、3つの黒子にまつわる転生の事を話し、あなたは偽物だと透をなじる。自分のプライドを傷つけられた透は本多から夢日記を借りた後、12月28日に夢日記を焼いて服毒自殺を図るが死ぬことが出来ず、失明してしまう。透が21になる数か月前だった。秘密を勝手にバラされた本多は慶子と絶交してしまう
 翌年の3月20日の21歳の誕生日を過ぎたが、透は大学をやめ、点字を学んで穏やかに暮らしていた。自分を絶世の美女と思ってるブサイク女の絹江の成すがままにされ、頭に花を飾って天人五衰のようになっていた。一方自分の死期を悟った本多は60年ぶりに一人で月修寺へ向かい、門跡となった聡子に会う。本多は聡子に昔の話をするが、聡子は清顕という人は知らないと答える。それを聞いた本多は何もないところへ来てしまったと悟る。

「豊饒の海」の最終章で最初考えられていた案としては本多が転生者を探すために新聞の人探し欄や私立探偵を使うなどし、聡子から手紙で〈何を探してをられる?〉と問われ、聡子を訪問した後に病に倒れて入院し、転生者の黒子がある若い〈電工の死〉(転落死)を窓越しに見て臨終を迎える大団円のプランが看取されている。1968年(昭和43年)のインタビューでも、〈ドス・パソスの有名な「U・S・A」みたいに、その時点の日本の現状にあるものをみなブチ込んで、アバンギャルド的なものにするつもりだ〉と三島は述べている。この〈若い電工〉という転生者の死が本多に救済をもたらすという構想は、第三巻の完成の〈いひしれぬ不快〉の後でも基本的には変わらなかったが、しかしその後第四巻の主題は〈悪の研究〉と変更され、〈天使の如く〉であった〈少年〉が、〈悪魔のやうな少年〉に変更された。また第四巻の完結は1971年(昭和46年)末になるであろうと三島は述べていたが、実際の掲載終了は三島の自死(三島事件)により当初の予定よりも約1年余り早まった。1970年(昭和45年)3月頃、三島は村松剛に、「『豊饒の海』第四巻の構想をすっかり変えなくてはならなくなった」と洩らしていたとされる。なお、〈天人五衰〉の前に予定されていた第四巻の題名は〈月蝕〉だった。

・ 最初は透の視点から話が始まる。彼の仕事は清水港に出入りする船の監視と連絡。仕事柄、眺めることが至上の喜びと考えている。ここは本多と精神構造が確かに似ている
・透のところによく遊びに来るのが絹江というブサイク女。三島は彼女のブサイクぶりを「それは万人が見て感じる醜さであった。そこらに在り来たりの、見ようによっては美しくも見える平凡な顔や、心の美しさが透けて見える醜女などとは比較を絶してどこからどう眺め変えても醜いとしか云いようのない顔であった。その醜さは天稟でどんな女もこんなに完全に醜くあることはできなかった。」と書いているんだが顔は想像できないなぁ
絹江は失恋したショックから気が触れ、自分が絶世の美女と思ってる。透には「美しく生まれたことが不幸」とか「男は私を見ると獣になってる」などと妄想炸裂な言葉を吐くが、ここまで妄想を膨らませた発言をする人はいないなぁ。
・透を養子にした本多。彼に英才教育を施し早死にしないようにと思っていたが、透は次第にやりたい放題するように。本多が薦めた縁談をご破談にする、本多のお気に入りである百日紅の花を切り落としたり、虐待したり・・
・作中透の手記が挿入される。「眺める」行為に快感を覚えている。浜中家の人々の事、20になっていないのに人生を達観していることを見て取れる。また、本多を陷れたいと考える思考も出てきており、次第に俗物っぽくもなってる。
俗物っぽいところを露呈しているところが、今までの転生者と異なるから後の慶子の説教につながる?
冬の一日を述べた手記で、黑いベレー帽をかぶった男が雪の降る中、傘も差さず何かを抱えている。老人は野菜くずと鴉の死骸らしいものを落とす。唐突に現れる老人は何者だったのだろうか?「(鴉の死骸が)女の鬘のように思はれだした」とあるんだけど老人は腹案にあった転生者の「偽物」か?
・悪魔のような男となった透は本多を虐待するだけではなく、老人の醜さを軽蔑するようになる。「暁の寺」での本多の別荘に集まった人々の醜さ同様、老いの醜さが描かれ、「老いることは醜い」という三島の持論が見て取れる。
・透にいじめられたストレスから覗きをやる本多。いじめられた反動なのか「半年後に透が死ねば彼は本物ってことが証明される」(大意)と透のことを憎しみいっぱいに語ってます。そこで黑いベレー帽をかぶった男が唐突に現れて女性を刺す・・って展開になる。当初4部では清顕・勲・ジン・ジャンの偽物を出す構想があったというが、この男も野菜くずを落とした老人同様偽物?
・クリスマスに慶子に呼び出された透は慶子に自分がなぜ本多に養子に望まれたのか?と切り出される。慶子は左わき腹の黒子のこと、転生者は20で死ぬ運命など自分と本多だけが知る秘密をバラした上で透に「あなたは偽物で特別なものなど一つもありません。」と透を喝破する。慶子が透に説教するときの
「・・・あなたがあと半年うちに死ななければ、偽物だったことが最終的にわかるわけですけど、少なくとも本多さんの探していた美しい胚種の生まれ変わりではなくて、なにか昆虫で云えば擬きの亜種のようなものだということがはっきりするわけですけど、私は半年なんか待つまでもないと思っているの。見ていて私はあなたが半年のうちに死ぬ運命が具わっているようには思えない。あなたには必然性もなければ、誰の目にも喪ったら惜しいと思わせるようなものが何一つないんですもの。(略)お金と力を手に入れたら、その次に欲しいものは出世ですか、それとも幸福ですか。どうせあなたの考えることは世間一般の凡庸な青年の考えを一歩も出やしないわ。(略)あなたには特別な所など一つもありません。私があなたの永生きを保証するわ。」って所は後になって高学歴などがもてはやされるようになったり、物質社会と化しつつある・・と現代には美しいものはない、明治~戦中の方が美しいものがあったという今の若者に対する皮肉を書いたのか?
「松枝清顕は思いもかけなかった恋の感情につかまれ、飯沼勲は使命に、ジン・ジャンは肉につかまれていました。あなたは一体何につかまれていたの?自分は人とは違うという何の根拠もない認識だけにでしょう?」ってのは人間誰にでも有り得るが、自尊心だけが膨れ上がっている現代人の一部なんかによくわかる心理。
・自分のプライドを傷つけられた透は自分は選ばれた者だから20で死ななければならぬと考えたのか服毒自殺を図るが死ぬことが出来ず、失明してしまう。そのことで透が偽物であることが証明されたのだが、自殺未遂の後、透は東大を辞め点字を学ぶようになるなど人が変わったようにおとなしくなる。絹江の成すがままにされ死人同然のようになっていく透の姿は早い段階で人生を達観した人間の末路だよなぁ
・死期が近づいたと思った本多は意を決して月修寺を訪れ。聡子に会いに行く。本多は聡子に清顕の事を語るが聡子は「その松枝清顕さんといふ方は、どういうお人やした?」と清顕を知らない風な態度を取った。
「いいえ、本多さん、私は俗世で受けた恩愛は何一つ忘れはしません。しかし松枝清顕さんといふ方はお名をきいたこともありません。そんなお方は元々あらしゃらなかったのと違いますか?何やら本多さんがあるように思うてあらしゃって実は初めからどこにもおられなんだ、といふことではありませんか?お話をこうして伺ってますとな、どうもそのように思われてなりません。」
「記憶と云うてもな、映る筈もない遠すぎるものを写しもすれば、それを近いもののように見せもすれば、幻の眼鏡のようなものやさかいに」という聡子のセリフは世の無常さを示した言葉。
「それなら勲もいなかったことになる、ジン・ジャンもいなかったことになる。その上ひょつとしたらこの私ですらも・・・」と呟く本多。月修寺の何もない庭園をみて自分は何もないところへ来てしまったと思った本多・・って展開で終わる。転生ってのは夢(認識の誤認)と今まで見てきた(読んできた)人を置いてきぼりにしている。最後に書かれた日付、昭和45年11月25日は三島が切腹した日だが、死=解脱と同義に考えたのか?三島は戦後民主主義に対する批判も持っていたし。

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天人五衰/三島由紀夫






最終更新日  Jul 8, 2019 11:59:15 PM
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Jun 17, 2019
カテゴリ:読書・コミック
今回読んだ本は三島由紀夫の「金閣寺」。
1950年7/2に起こった金閣寺放火事件を題材にした小説で実際の犯人は動機を「美に対する嫉妬と、自分の環境が悪いのに金閣という美しいところに来る有閑的な人に対する反感からやった」と供述しており、三島は「美への嫉妬」をお題に小説化。

この頃の三島はボディビルに凝っており、文章の改造も試みていた。

・私(溝口)は実際の放火犯・林養賢同様舞鶴の出身で、吃音に苦しんでいたという設定。父は雇われ住職で結核にかかっているためろくに住職の仕事に携わっていない。死期を悟った父は「私」を知り合いが住職を務める鹿苑寺に預けることを決心。「私」は父から金閣寺は美しいものと教えられてきたが実際の金閣は美しくなく(今のように金箔が貼られていなかった)、落胆したもののますます金閣を美の象徴とみなすようになる。
・得度して住み込みで修行を始めることになった「私」は明るい性格で吃音を笑わない鶴川と友人になる。終戦後には「私」と同じで障害を持つが、それを逆手に取ってしたたかに生きている柏木と友人となる。柏木の紹介で女遊びをすることになった「私」だが、金閣の幻影に惑わされて女を知ることが出来ない。金閣の幻影に惑わされる「私」の姿はコンプレックスから抜け出せない人間の姿なのか?
・一度故郷に帰った「私」だが、父の死後母は「私」によく​出世してくれと言われるが、これもプレッシャーになっていたのか?
・戦後の金閣の様子、柏木から借金をして寺を出た「私」の描写は戦後の退廃を詳しく書いている。
・鶴川の死は交通事故ではなく自殺だったと柏木から聞いた「私」。それが引き金になって金閣を燃やそうと考える。で、実行に移した日。金閣に火をつけたものの怖くなって逃げだし、事前に用意したカルモチンと短刀を棄てて「生きよう」と考えた・・・って最後になるが死のうと考えず生きようと考えたのは罪を背負って生きようと考えたからなのか?


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最終更新日  Jun 24, 2019 08:49:36 PM
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Jun 1, 2019
カテゴリ:読書・コミック
47歳の本多は訴訟の仕事で、かつて清顕と親交のあったシャム(タイ)の王子と、そのいとこの故郷であるバンコクに来ていた。案内役の菱川から日本人の生まれ変わりを主張するお姫様がいるという話を聞いた本多はそのお姫様に会いに行くことに。姫=ジン・ジャンは本多に会うなり彼のことを懐かしがり、「黙って死んだお詫びがしたい」と言った。彼女は勲が逮捕された日付も、清顕と松枝邸の庭園で門跡に会った年月も正確に答え、明らかに生まれ変わりを証明していたが、後日の姫とのピクニックでは、脇腹に黒子はなかった。それから本多はインドへ旅行し、そこで深遠な体験をする。そして、インドの土産を月光姫に献上し、本多にすがって泣く姫との別れを惜しみながら日本へ帰国する。帰国して2、3日後、日本とアメリカとの戦争が始まる。
戦争中、インドの体験と親友の生まれ変わりに触発され、仏教の輪廻転生、唯識の世界にも足を踏み入れた本多は、戦争中、様々な宗教書を読みあさり研究に没頭する。ある日、仕事の用件のついでに松枝邸跡に足をのばしてみると、そこは焼跡になっていたが、偶然にも老いさらばえた蓼科に会う。本多は聡子に会いたいと思ったが戦局のきびしさでままならなかった。

終戦後、本多は土地所有権を巡る裁判の弁護の成功報酬で多額の金を得て、その金で富士の御殿場に別荘を建てた。隣人には久松慶子という50歳前の有閑婦人がいて、本多の友人となる。別荘の客に歌人・鬼頭槙子や、その弟子・椿原夫人、ドイツ文学者・今西康らがいた。しかし、本多が一番待ち望んでいた客は日本に留学して来た18歳のジン・ジャンであったが、ドタキャンされ一度目は会えなかった。
それから10日後に東京で本多はジン・ジャンと再会。幼い時、勲の生まれ変わりを主張していたジン・ジャンだが、何も覚えていないと本多に告白。美しく官能的に成長した姫に本多は魅了され、年齢不相応の恋心を抱く。そして、ジン・ジャンに執心し翻弄され、別荘のプールに招いた彼女の脇腹に黒子が無いことを確かめた。その夜、本多は別荘の部屋に泊まったジン・ジャンを覗き穴から覗くが、そこに見たものは、慶子と裸で抱き合う同性愛(レズビアン)行為の最中の光景だった。そして、その脇腹には3つの黒子があった。驚いていたのもつかの間、やがて別荘が火事になり、別の部屋に泊まっていた今西と椿原夫人が死亡してしまう。帰国したジン・ジャンもその後、消息を絶ってしまった。
昭和42年・・仕事でアメリカ大使館に招かれ、ジン・ジャンそっくりな女性と出会う。聞くと彼女はジン・ジャンの双子の姉でジン・ジャンは帰国後、コブラに腿を噛まれて死んだと本多に告げたところで終わる。

・自分は日本人の生まれ変わりだと主張するお姫様に出会った本多。質問にはっきりと答えたものの、転生の証であるほくろはなかった。黒子がないのに、前世の記憶があるってのはおかしい。
・戦中の第1部と戦後を描いた第2部の構成となっており、第一部は本多が体験した神秘の体験、仏教の思想「阿頼耶識」、唯識の話が出てくるが、仏教系の学校に通い、仏教のことは少し知ってるとはいえ、「阿頼耶識」の記述は全然理解できなかった。
・戦争中松枝邸後に立ち寄った本多は聡子のばあや・蓼科と再会。聡子の様子を聞いたものの自分は聡子に会おうとは思わなかった。戦争中だったってのもあるが腫れ物に触るというか神聖なものに触れない感じがする。
・戦後、裁判の報酬で金持ちになった本多は富士の御殿場に別荘を建てた。留学生として日本にやってきたジン・ジャン姫に会うのを楽しみにしていたが、なぜか彼女は来なかった。数日後に彼女に会うが、ジン・ジャンは前世の記憶を忘れていた。いきなり前世の記憶がないってのはおかしいなぁ。いったんパウダールームに入って本多を待たせたという描写があるが、この時に何をしていたのかが引っかかる。タイの女友達と会って泊まっていたというのだが、この時に姉と入れ替わっていたのか?
・本多の元に飯沼が現れ本多と思い出話をする。飯沼は終戦直後妻と別れ終戦直後には切腹しようと思ったが死にきれなかったことを話し、生活に困窮してるので金をせびるところも人間の醜さを感じる
・屋敷に招かれた客の一人・椿原夫人は戦争で死んだ息子のことしか話さない、新河元男爵はパーティー好きなのは相変わらずだが物忘れがひどい人になっている、新河夫人は相変わらず日本の文化を軽蔑し、自分のことしか話さない・・・と老いた人の醜さが描かれている。三島は老いを忌避し、死に憧れていた節があるが(「天人五衰」最終話の脱稿日は11月25日でこの日に三島は自決している)、年を取ると心まで醜くなるのはよくわかる。
・本作では狂言回しである本多の視点がメイン。傍観者であることを無上の喜びとしている彼はジン・ジャンに年齢不相応な恋心を抱き、ジン・ジャンの裸体見たさにプールやのぞき穴を別荘に作ってしまうって変態。ある夜に覗きをしていたって描写があるけど、ここも変。パーティに集まった人々同様「老いることは醜い」って三島の持論を垣間見られる。
・ある夜、本多はのぞき穴からジン・ジャンを眺めるが、慶子とレズ行為の最中を目撃。この行為でジン・ジャンには転生のしるしである黒子を発見するが、ほくろがあったりなかったりと読んでる方は混乱する。転生自体あり得ないってことを言うためなのか?
本多がジン・ジャンの左わきに黒子を発見した直後に屋敷は火事になり、今西と椿原夫人は焼死。ジン・ジャンも行方知れずとなる。それから10数年後仕事でアメリカ大使館を訪れた本多はジン・ジャンそっくりの女性と会う。本多が尋ねると彼女はジン・ジャンの双子の姉で妹はコブラに腿を噛まれて死んだと告げて終わりとなるが、本作では転生者が脇役になっているため、ジン・ジャンは本当に転生者なのかわからない描写になっている​


ジン・ジャンのモデルには、タイからの留学生で22歳の東大経済学部に学んでいたスワンチットという美人学生を留学生会館で小島千加子(雑誌『新潮』の三島担当編集者)の協力によって選び、一度三島邸で面会したものの、その後に一晩東京の街で会う約束をすっぽかされたまま、彼女が帰国してしまったために作品の内容もそれに沿ったものに変更されていったという


暁の寺 豊饒の海第3巻 新潮文庫 改版 / 三島由紀夫 ミシマユキオ 【文庫】






最終更新日  Jun 8, 2019 12:20:43 AM
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May 19, 2019
カテゴリ:読書・コミック
今回読んだ本は「2235-ZERO GENERATION-」。
FENCE OF DEFENSEの3rdアルバム「~III 2235-ZERO GENERATION-」のストーリーブックで、3rdアルバムが「未来」をテーマにしたコンセプトアルバムということでそのストーリーを描いた小説と、イメージイラスト、メンバーのフォト、FODの歌を物語形式で紹介する文章を掲載。

ストーリー部分は西暦1999年、日本は戦争によって荒廃し、2235年には市民の生活は管理され、感情の抑制が行われるなど一種の管理社会と化していた。軍備拡張政策の一環としてワープ装置が開発され、その実験のため一人の兵士「F-921」が1987年にタイムスリップ。男は1987年に生きる女性SARAと出会い、感情を知る・・という内容

 歌と連動していることでアルバム「~III 2235-ZERO GENERATION-」で言おうとしていること・背景が浮き彫りになっていく。CDの方には同年にリリースされたTM NETWORKの「CAROL」(FODのメンバーは全員元TMのバックミュージシャン)とは異なり作品の背景は紹介されていなかったからなぁ。
 主人公の男は兵士として訓練され、感情を知らない。男はSARAとの触れ合いで自分の世界にはないものを見つける。SARAと夕陽を見続ける・・って描写「AGAIN」の一節「いつか失くしてゆく夕陽追いかけていた」を思い浮かべる。
男は自分が1987年にタイムスリップした本当の意味を知り、SARAにだけは自分は未来から来たことを告白。そして、最終章「THE LOST DANCE~THIS WORLD~」で未来に帰ることになった男だがSARAと共に事故に遭い、SARAが怪我を負ってしまう。男は(SARAと)一緒にいたいと告白するけど結局はSARAに促されて未来に帰ることになる。この時「一度(未来に)帰るけど、また会いたい」と男は願うが「THIS WORLD」の「一粒の願い胸に抱いて」「戻れない運命(さだめ)の中で たった一つの真実求めてく」の歌詞が浮かぶ。

改めて「III 2235-ZERO GENERATION-」を聞いてみたが、1曲目「DARKNESS REMAINS THE SAME」「DATA No.6」の硬質さが管理社会を、「AGAIN」~「FLOATING TIME」~「IN MYSELF」が感情を知った男の心理で「THIS WORLD」が別れを描いていると思った。

<THIS WORLD>
限りない輝きを これからの瞳たちへ
STAR LIGHT 見上げれば
STORY 描いてる

暗い闇 包まれて
悲しみに浮かぶまなざし
MOONLIGHT 照らしてる
SILENT 刻まれてゆく

誰でもが遠い街にいる
自分を知りたくて 彷徨い歩き
とまどいと孤独な夢が
繰り返し続く 揺れてる THIS WORLD

透き通る光のかけら
手のひらに重なり合って
TWILIGHT 微笑みを
FOREVER 感じている

大空に弾けて広がる
一粒の願い 胸に抱いて
戻れない運命(さだめ)のなかで
たった一つの真実求めていく THIS WORLD

限りない輝きを これからの瞳たちへ


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最終更新日  Sep 9, 2019 11:39:28 PM
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May 10, 2019
カテゴリ:読書・コミック
実写・アニメ(OVA)化した伝奇漫画の古典「孔雀王」の作者・荻野真氏が4/29日に死去したとのこと。享年は59、死因は腎不全で本日にYJ公式HPで公表された。
葬儀は8日に近親者のみで行った。
YJ公式サイトでは「これまでの読者の皆さまのご愛顧に対し深謝しますとともに 謹んでご逝去の報告を申し上げます」と追悼の意を表した。

 「孔雀王」は年上の友人(男)の影響で読んでいて、密教だけじゃなく日本神話・聖書・陰陽道などを駆使した世界観にはまり、呪術・魔法などに興味を持つようになった作品でした。密教(真言宗)の真言・法具の知識は「孔雀王」で知ったほどですし
「~退魔聖伝」の吸血鬼退治編はありきたりなネタを使わず、ジャンヌダルクにジル・ド・レェが出てきたり、アステカの太陽信仰・生贄の儀式などを絡めたところが斬新と思いました。

ご冥福をお祈りいたします


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最終更新日  May 10, 2019 06:56:09 PM
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Apr 23, 2019
カテゴリ:読書・コミック
ドラマ化記念として「ラジエーションハウス」原作版を試し読み。
原作は漫画って知ってたが掲載紙はグランドジャンプ。
本作同様ドラマ化した「フラジャイル」(アフタヌーン連載)同様医療ものでは珍しいジャンルを取り上げている。
 読んだのは1・2話。主人公の五十嵐唯織は優れた読影技術を持つ放射線技師。でもコミュ障気味で的を外れた発言をしては務める病院をいくつもクビにされる始末・・ダメもとで甘春総合病院の採用申し込みを行ったところ採用されることに。甘春総合病院は幼馴染の杏が勤めてるので心をときめかせるのだが、杏は唯織のことは全く覚えていなかった。
・試し読みした1・2話はドラマ版1話に相当する回。空気を読まない発言をして何度も病院をクビに…って展開、甘春総合病院に勤める放射線技師のキャラクター描写にドラマ版にない描写がある。
・杏は原作ではロングヘアだった。院長と小野寺はドラマ版と原作の乖離はない印象。
・院長は唯織が放射線科医の資格を持っていることを知る唯一の​人物だが、唯織がアメリカで有名な放射線科医に腕を認められたシーンがドラマよりも詳しく書かれている。


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最終更新日  Apr 23, 2019 02:21:17 PM
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Apr 18, 2019
カテゴリ:読書・コミック
本日読んだ本は「三島由紀夫と楯の会事件」。
1970年(昭和45年)11月25日、作家の三島由紀夫は自身が主宰する民兵組織「楯の会」の会員4名と共に陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地に赴き決起を呼び掛けたが無視され、「楯の会」会員森田必勝(まさかつ)と共に切腹という方法で自決。自決に至る経緯を「楯の会」結成~三島事件(楯の会事件)~その後を関係者への取材をもとに構成した本。

昭和40年代は学生運動が盛んで安保紛争、大学の自治、学費などの問題が原因で大学上層部とで激突するってこともあった時期。60年代末期になると赤軍が結成・・と世の中は混迷を極めていたころ、文豪三島由紀夫はこの頃になると創作活動よりも政治色を強めていき、創作面でも政治に関すること、「英霊の聲」「憂国」等戦中での美学を絶賛する内容の作品を書いていた。三島は何を思ったのか昭和41年ごろから自衛隊への体験入隊を口にするようになる。そうして三島は本名の平岡公威で昭和42年4月に自衛隊に体験入隊。後に持丸博ら民族派の学生も自衛隊に体験入隊するようになる。
三島は自衛隊体験入隊によって祖国防衛のための民兵組織の構想を固め集まった学生らで前身となる組織結成を経て「楯の会」を創立することになる。
会員の条件は
・自衛隊の体験入隊に耐えた人が第一条件
・学生長の面談を受け、合格通知を受け取ったものが三島と面会できる

 最初は事件当日の様子が描かれる。楯の会会員(4期・5期生中心)は事件当日例会のため市ヶ谷会館に集まっていたが、三島が市ヶ谷駐屯地にやってきて益田総監を人質に取ったと報道されると、市ヶ谷会館は大騒ぎとなり三島と森田が割腹自殺の後介錯受けて亡くなったと聞くや、市ヶ谷会館に待機していた会員2名が警官に突っかかったこともあった。
 楯の会の班長の一人・倉持清当ての遺書が掲載されており、前半は倉持個人、後半は楯の会会員宛てのものだった。

例の演説の時に撒かれた檄文がすべて掲載されており
『われわれ楯の会は、自衛隊によって育てられ、いわば自衛隊はわれわれの父でもあり、兄でもある。その恩義に報いるに、このような忘恩的行為に出たのは何故であるか。

かえりみれば、私は四年、学生は三年、隊内で準自衛官としての待遇を受け、一片の打算もない教育を受け、又われわれも心から自衛隊を愛し、もはや隊の柵外の日本にはない「真の日本」をここに夢み、ここでこそ終戦後ついに知らなかった男の涙を知った。ここで流したわれわれの汗は純一であり、憂国の精神を相共にする同志として共に富士の原野を馳駆した。このことには一点の疑いもない。われわれにとって自衛隊は故郷であり、生ぬるい現代日本で凛冽の気を呼吸できる唯一の場所であった。教官、助教諸氏から受けた愛情は測り知れない。しかもなお、敢えてこの挙に出たのは何故であるか。たとえ強弁と云われようとも、自衛隊を愛するが故であると私は断言する。
 われわれは戦後の日本が、経済的繁栄にうつつを抜かし、国の大本を忘れ、国民精神を失い、本を正さずして末に走り、その場しのぎと偽善に陥り、自ら魂の空白状態へ落ち込んでゆくのを見た。政治は矛盾の糊塗、自己の保身、権力欲、偽善にのみ捧げられ、国家百年の大計は外国に委ね、敗戦の汚辱は払拭されずにただごまかされ、日本人自ら日本の歴史と伝統を涜してゆくのを、歯噛みをしながら見ていなければならなかった。 

われわれは今や自衛隊にのみ、真の日本、真の日本人、真の武士の魂が残されているのを夢みた。しかも法理論的には、自衛隊は違憲であることは明白であり、国の根本問題である防衛が、御都合主義の法的解釈によってごまかされ、軍の名を用いない軍として、日本人の魂の腐敗、道義の頽廃の根本原因を、なしてきているのを見た。もっとも名誉を重んずべき軍が、もっとも悪質の欺瞞の下に放置されて来たのである。自衛隊は敗戦後の国家の不名誉な十字架を負いつづけて来た。自衛隊は国軍たりえず、建軍の本義を与えられず、警察の物理的に巨大なものとしての地位しか与えられず、その忠誠の対象も明確にされなかった。われわれは戦後のあまりに永い日本の眠りに憤った。自衛隊が目ざめる時こそ、日本が目ざめる時だと信じた。自衛隊が自ら目ざめることなしに、この眠れる日本が目ざめることはないのを信じた。憲法改正によって、自衛隊が建軍の本義に立ち、真の国軍となる日のために、国民として微力の限りを尽すこと以上に大いなる責務はない、と信じた。
 四年前、私はひとり志を抱いて自衛隊に入り、その翌年には楯の会を結成した。楯の会の根本理念は、ひとえに自衛隊が目ざめる時、自衛隊を国軍、名誉ある国軍とするために、命を捨てようという決心にあつた。憲法改正がもはや議会制度下ではむずかしければ、治安出動こそその唯一の好機であり、われわれは治安出動の前衛となって命を捨て、国軍の礎石たらんとした。国体を守るのは軍隊であり、政体を守るのは警察である。政体を警察力を以て守りきれない段階に来て、はじめて軍隊の出動によって国体が明らかになり、軍は建軍の本義を回復するであろう。日本の軍隊の建軍の本義とは、「天皇を中心とする日本の歴史・文化・伝統を守る」ことにしか存在しないのである。国のねじ曲った大本を正すという使命のため、われわれは少数乍ら訓練を受け、挺身しようとしていたのである。
 しかるに昨昭和四十四年十月二十一日に何が起ったか。総理訪米前の大詰ともいうべきこのデモは、圧倒的な警察力の下に不発に終った。その状況を新宿で見て、私は、「これで憲法は変らない」と痛恨した。その日に何が起ったか。政府は極左勢力の限界を見極め、戒厳令にも等しい警察の規制に対する一般民衆の反応を見極め、敢えて「憲法改正」という火中の栗を拾はずとも、事態を収拾しうる自信を得たのである。治安出動は不用になった。政府は政体維持のためには、何ら憲法と抵触しない警察力だけで乗り切る自信を得、国の根本問題に対して頬かぶりをつづける自信を得た。これで、左派勢力には憲法護持の飴玉をしやぶらせつづけ、名を捨てて実をとる方策を固め、自ら、護憲を標榜することの利点を得たのである。名を捨てて、実をとる! 政治家たちにとってはそれでよかろう。しかし自衛隊にとっては、致命傷であることに、政治家は気づかない筈はない。そこでふたたび、前にもまさる偽善と隠蔽、うれしがらせとごまかしがはじまった。
 銘記せよ! 実はこの昭和四十四年十月二十一日という日は、自衛隊にとっては悲劇の日だった。創立以来二十年に亘って、憲法改正を待ちこがれてきた自衛隊にとって、決定的にその希望が裏切られ、憲法改正は政治的プログラムから除外され、相共に議会主義政党を主張する自民党と共産党が、非議会主義的方法の可能性を晴れ晴れと払拭した日だった。論理的に正に、この日を境にして、それまで憲法の私生児であつた自衛隊は、「護憲の軍隊」として認知されたのである。これ以上のパラドックスがあろうか。
 われわれはこの日以後の自衛隊に一刻一刻注視した。われわれが夢みていたように、もし自衛隊に武士の魂が残っているならば、どうしてこの事態を黙視しえよう。自らを否定するものを守るとは、何たる論理的矛盾であろう。男であれば、男の衿がどうしてこれを容認しえよう。我慢に我慢を重ねても、守るべき最後の一線をこえれば、決然起ち上るのが男であり武士である。われわれはひたすら耳をすました。しかし自衛隊のどこからも、「自らを否定する憲法を守れ」という屈辱的な命令に対する、男子の声はきこえては来なかった。かくなる上は、自らの力を自覚して、国の論理の歪みを正すほかに道はないことがわかっているのに、自衛隊は声を奪われたカナリヤのように黙ったままだった。
 われわれは悲しみ、怒り、ついには憤激した。諸官は任務を与えられなければ何もできぬという。しかし諸官に与えられる任務は、悲しいかな、最終的には日本からは来ないのだ。シヴィリアン・コントロールが民主的軍隊の本姿である、という。しかし英米のシヴィリアン・コントロールは、軍政に関する財政上のコントロールである。日本のように人事権まで奪はれて去勢され、変節常なき政治家に操られ、党利党略に利用されることではない。
 この上、政治家のうれしがらせに乗り、より深い自己欺瞞と自己冒涜の道を歩もうとする自衛隊は魂が腐ったのか。武士の魂はどこへ行ったのだ。魂の死んだ巨大な武器庫になって、どこかへ行こうとするのか。繊維交渉に当っては自民党を売国奴呼ばはりした繊維業者もあったのに、国家百年の大計にかかわる核停条約は、あたかもかつての五・五・三の不平等条約の再現であることが明らかであるにもかかわらず、抗議して腹を切るジエネラル一人、自衛隊からは出なかった。
 沖縄返還とは何か? 本土の防衛責任とは何か? アメリカは真の日本の自主的軍隊が日本の国土を守ることを喜ばないのは自明である。あと二年の内に自主性を回復せねば、左派のいう如く、自衛隊は永遠にアメリカの傭兵として終るであらう。
 われわれは四年待った。最後の一年は熱烈に待った。もう待てぬ。自ら冒涜する者を待つわけには行かぬ。しかしあと三十分、最後の三十分待とう。共に起って義のために共に死ぬのだ。日本を日本の真姿に戻して、そこで死ぬのだ。生命尊重のみで、魂は死んでもよいのか。生命以上の価値なくして何の軍隊だ。今こそわれわれは生命尊重以上の価値の所在を諸君の目に見せてやる。それは自由でも民主主義でもない。日本だ。われわれの愛する歴史と伝統の国、日本だ。これを骨抜きにしてしまった憲法に体をぶつけて死ぬ奴はいないのか。もしいれば、今からでも共に起ち、共に死のう。われわれは至純の魂を持つ諸君が、一個の男子、真の武士として蘇えることを熱望するあまり、この挙に出たのである。 」
(原文は旧假名遣ひ)
演説内容もほぼ檄文通りだったが、三島の言うことは一理あるよな。警察予備隊を前身として作られた自衛隊だが、憲法違反の存在のため、存在意義ははっきりしない、国軍として存在する、しかし、自衛のためにしか軍事力を行使しないって憲法に書いておくべきです。

伝説の討論会・東大全共闘との対談の話の裏が描かれており万が一に備えて三島は短刀を忍ばせて討論会に赴いたが、三島に内緒で楯の会の会員が密かに討論会に行ったという話がでてきたり、この頃の三島が発表した評論も掲載している。
 国際反戦デーの時に楯の会と自衛隊の治安出動を望んでいた三島だったが、警察がデモを鎮圧したため自衛隊に不信感を抱くように。それ以前に教官役の自衛隊大佐・山本舜勝から街中がテロなどに巻き込まれたときの対策を受けていた話なども登場。

 後半はクーデター計画は如何にして行われていたかが中心。決起メンバーに選ばれた森田・古賀・小川・小賀はどのようにして選ばれたのか。決起メンバーは11/25日の前は「多分これが最後になるから」ということで旅行に行っていたとかが詳しく書かれている。
 最後は三島事件直後の話を紹介。
・市ヶ谷会館に集まった楯の会会員は現場に行こうとして取り押さえられた者がいた。任意同行を求められた時は「君が代」を歌って警察に向かった
・決起メンバーの小賀・小川・古賀は事件当日に命令書と一緒に弁護士費用3万円をもらっており、裁判の席で堂々と意見を述べた。
・三島の葬儀と一緒に楯の会解散が発表されたが、会場は報道関係者が特ダネを狙いにくい場所を選んでいた。楯の会解散前に会員たちは表立った行動をとっていなかった。






最終更新日  Apr 26, 2019 09:37:04 PM
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Mar 18, 2019
カテゴリ:読書・コミック
清顕の死から18年後・・・本多は控訴院(今の高等裁判所)の判事となっていた。ある日、上司の代理で大神神社で行われていた剣道試合で飯沼勲という青年と出会う。彼は清顕付きの書生だった飯沼茂之の息子で18歳だった。試合後、本多は宮司の特別な許可を得て、禰宜の案内で禁足地の三輪山山頂の磐座へ参拝する。摂社の狭井神社でお祓いを済ませた後,御山の登り口にて野生の笹百合を見て、率川神社の三枝祭を想起する。山頂の沖津磐座と高宮神社に至る禁足地の山中で三光の滝で勲に出くわし、彼の脇腹に清顕と同じく3つの黒子があるのを発見。本多は死に際の清顕の言葉を思い出し慄然とする。
 勲は官僚や財界関係者の腐敗に憤りを覚え、昭和の「神風連」たらんと行動を起こそうとしていた。賛同者も増え、決起するぞって所で理解者の一人だった堀中尉が満州に異動になったり、密告者が出て計画は頓挫。それを知った本多は判事を辞めて勲の弁護人を買って出て1年にわたる裁判の末、勲は釈放される。
 釈放後、警察へ密告したのが父だったと知っても驚かないが、父に知らせたのが恋人の鬼頭槇子だと佐和から聞かされて茫然とする。酔った勲が、うわ言で「ずつと南だ。ずつと暑い。……南の国の薔薇の光りの中で。……」と言うのを本多は聞く。
蔵原が伊勢神宮でしでかした失敗を新聞記事で知った勲は1人で蔵原の別荘に潜り込み、「伊勢神宮で犯した不敬の神罰を受けろ」と言って蔵原を刺殺。追手をまいた後、かつて堀に語ったように自らも切腹。20を前にした出来事だった。 

昭和初期が舞台でこれまた昭和初期に起こった「血盟団事件」をモチーフとしている。
・陸軍の堀中尉に会った勲は「太陽の日の出の断崖の上で昇る日輪を拝しながら輝く海を見下ろしながら気高い松の木の根方で・・自刃することです」と答えるシーンがあるが、、三島が滅びの美学や切腹に憧れているという印象で後の割腹自殺を思い起こす。
・勲の愛読書「神風連史話」は三島の創作だが、神風連の乱に関わった人が乱の失敗後に次々と自刃していく様は滅びの美学を賛美しているように見える。実際三島は「武士道とは死ぬことと見つけたり」の一節で知られる「葉隠」の解説本を書き、二・二六事件をお題にした「憂国」を執筆後、自ら主演となって映画を作っており、演技でとはいえ、切腹をしているけど、一言でいえば時代錯誤もいいところ。舞台が昭和初期とはいえ。
・勲は政財界の腐敗を目の当たりにし、昭和の神風連となろうと考えていた。堀中尉を介して山口で聯隊長をしている洞院宮治典王にも謁見できたうえ、共鳴を得るんだが、勲が治典王に忠義について語り、最後は切腹すると言ってのける所も三島の滅びの美学が見て取れる。
・5・15事件、血盟団事件、東北の飢饉、ロンドン軍縮会議の件で浜口雄幸首相が狙撃された事件、2・26事件に参加した青年将校にも影響を与えた北一輝の「日本改造法案大綱」の名前も出てくる
・勲が逮捕されたことを知った本多は判事を辞め、弁護士として勲を助けようとするが、「春の雪」で法律家となる勉強の一環として大審院(今の最高裁判所)で裁判を見るという一コマがあり、本多は「観察者」って立場だけどこの弁護士となって勲を助けようとするのは勲が清顕の生まれ変わりだからか?
・釈放された勲は父から密告者の正体を聞かされても驚かなかったものの「僕は幻のために生き、幻をめがけて行動し、幻によって罰せられた訳ですね・・どうか幻でないものが欲しいと思います」とつぶやく。夢で自分が女になっているのを見たのもあったのか?
・蔵原が伊勢神宮で神を冒涜するような行為を行ったため、勲は蔵原の別荘に潜入し、蔵原を刺殺し、最後は夜明け前の松の木の下で自刃を遂げる。20を前にして切腹したのは日本の現状に憤りを感じ、果たせなかったというか周囲に裏切られた悔しさ、大人の醜さに幻滅したから?夜明け前に自刃したのに最後の文章には「正に刀を腹へ突き立てた瞬間、日輪は瞼の裏に赫奕と昇った」で終わる。「幻でないもの」を手に入れられたからなんだろうか?


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最終更新日  Apr 5, 2019 12:36:41 AM
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Mar 3, 2019
カテゴリ:読書・コミック
今回読んだ本は三島由紀夫の「豊饒の海」第1部「春の雪」。
三島由紀夫最後の作品で「春の雪」「奔馬」「暁の寺」「天人五衰」の4部作で5年がかりの大作。
輪廻転生を描いた作品で当初は5部作の予定だった。「天人五衰」最終回の原稿には昭和45年(1970年)11月25日と書かれており、11月25日は三島が自決した日だった。
 文豪と言われる部類の作家の作品を読むのは高校生時代に夏目漱石の「こころ」を読んで以来。
図書館に全集はあったものの、文章が旧仮名遣いのため読みづらく文庫版を取り寄せる形で読んだ。三島由紀夫といえばクーデターを促す演説を行った後に切腹という方法で死んたことから物議を醸しだした作家。今、憲法9条に関する問題、改憲をめぐる論争も出てきたのでそれを機に呼んでみた。

松枝清顕は新興華族の跡取り息子。容姿の整った美青年だが繊細に育つ。
 松枝家と交流のある綾倉伯爵家の令嬢・聡子は気になる存在なのだが、清顕にとっては時折疎ましく思う存在でもあった。
 ある日、聡子に子供扱いされたことから清顕は聡子を遠ざけるようになってしまう。フラれた恰好になった聡子は洞院宮治典王殿下との縁談を受け入れてしまう。清顕は当初父が聡子の縁談話を話題にしても、早く嫁に行った方がよいという冷めた態度を取るのだが、実際は心の中で聡子に対する恋心が再燃。聡子もまた清顕を深く愛していた。聡子のばあやの蓼科、清顕の友人・本多繁邦の協力を得て清顕と聡子は密会を重ねるが聡子が妊娠してしまう。蓼科が自殺未遂を起こしたことで妊娠のことが両家にばれたことから聡子は堕胎させられそのまま月修寺で髪を下ろし尼となってしまう。
聡子のことが諦めきれない清顕は月修寺までやってきて聡子と再会しようとするが、聡子に拒絶されてしまう。雪の中聡子を待ち続けた清顕は肺炎をこじらせてしまい、本多に「又、会ふぜ。きつと会ふ。滝の下で」と言い、転生しての再会を約束し、20で夭折してしまう。
 
 当初は華やかな華族の生活が描かれており、冒頭の松枝家の屋敷に飾られている日露戦争の写真・・ってのは三島が軍隊に対して強いあこがれを持っていたことがわかる(三島の青年時代は太平洋戦争の真っただ中。入隊検査を受けたものの結核と誤診されて軍隊に入れなかった)
 聡子を袖にしたうえ、父の侯爵から聡子と治典王の結婚話を切り出されたときは冷めた態度を取っていたのに聡子と密会し、子供を孕ませるという清顕の行為はサイテーの男?
 尼になってしまった聡子に一目会いたいと思った清顕は雪の降る中月修寺を訪れるけど無理が祟り肺炎をこじらせて死ぬ…という筋書き、小野小町の伝説にある深草少将の百日通いと似てません?(最後の日に深草少将は凍死・・・って筋書きだった記憶が・・・)
所々で「ジャータカ」「唯識論」と仏教の論理も登場。「ジャータカ」は清顕の学友となるタイの王族が切り出すのだが、学生時代に齧ったことがあるが、輪廻転生がこの段階でカギとなっていることを示している。
 借りてきた文庫版は現代仮名遣いに変えられているものの、難しい漢字が書かれていて、言葉や文字の美しさを重視したのか?


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最終更新日  Mar 15, 2019 06:45:18 AM
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