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カテゴリ:名画の秘密
オオデマリ 17世紀のオランダの画家であるヨハネス・フェルメールの作品「天秤を持つ女」は、窓辺で白いヴェールの女性が天秤を持っている。 女性の持っている天秤には、何が乗っているのか、暗くて良く見えない。 テーブルの上には、金貨や真珠のネックレスがあるので、金や真珠を量っているようにも見える。 しかし顕微鏡で調べてみると、天秤の上には何もないことが判った。 ではどうしてこの女性は天秤を持っているのか? この絵の背景の壁には、「最後の審判」の絵が飾ってある。 天秤は、その絵と関係があるのだろうか。 天秤は正義や公平の象徴である。 最後の審判の時、大天使ミカエルが、なんと人間を天秤に乗せて、その魂を計量し、天国へ行かせるか、地獄へ落とすか決めるのだという。 (一言。天使は神の召使いであり、人間は神の子なのに、召使いがご主人様のお子様をまるで物のように扱って良いのか? 閻魔様なら許せるけど) つまり、女性が持っている天秤は、最後の審判の象徴と考えられるようになった。 この女性自身も、いつかは審判を受けるということと、あるいは彼女が自分を秤にかけて、バランスをとって生きていくべきということを示している。 最後の審判の時は、何だか恐ろしい時だが、自分の生き方が正しかったという自信があるなら、この女性のような穏やかな表情でいられるだろう。 自分が節度を保って生きていけば、心の平安が得られるという意味のある絵なのかもしれない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.05.01 08:33:05
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