新国「ライモンダ」大阪公演。
昨日観てきました。パヴレンコ&コルスンツェフの「ライモンダ」。感想を書きたいところなのですが・・最初に、何よりも昨日は席が悪すぎた~!予想以上に前方過ぎて、舞台を下から仰ぎ見る、という感じ。最前列ではなかったのだけど、新国立のオペラ劇場や東京文化会館の最前列よりも、もっと舞台に近かったんじゃないかと思う。オーケストラピットが無いから、当たり前と言えば当たり前かも知れないのだけど。しかも私の席はかなりの端っこだったものだから、舞台を下から、それも斜め前方を仰ぎ見る、というような感じになっちゃって、正確なポーズの形が見られないし、何より前過ぎるためにポワントも途中で見切れてしまうという・・・いやはや、これには参りました。ポワントが途中で見切れてしまうなんてバレエを観るようになってから初めての経験でした。ホールによってはそういう所もあると聞いてはいましたけど、ここで当たってしまうとは~!足先の美しさがバレエにとっていかに大切であるかということを、初めて「身をもって」実感しましたよ。まぁ完全に見えないという訳ではなかったのですがダンサーの位置によって見えたり見えなくなったりするので、なんかすっごくストレスが堪りました・・はぁ~、もう二度とあの辺りの席には座りたくないです。って、普段バレエ公演があるような会場ではないので(今回初めて行った会場でした。舞台公演などでは有名な老舗の劇場なんで会場自体の雰囲気は素敵でしたが)、今後再び行く機会はあまりなさそうなんですが。と、前置きが長くなってしまいましたがそういう事情ですので、この公演の感想を書くといっても、かなり偏り且つ正確ではないだろうなぁと。って、それはいつものことですけど、今回はいつにも増して、ということであらかじめご了承ください(笑)。さて、初めて拝見したパヴレンコ@ライモンダですが、先ず一番の感想は「お美しい!」ってことでしょうか(注・お顔が、です)。咲き誇る牡丹のように華やかで艶やか。キラキラと輝く美貌の持ち主で、え~、パヴレンコってこんな綺麗な人だったのか~、って思っちゃいましたよ。こんなことを思うのも、前回キーロフ来日公演で「白鳥」を踊った彼女について、顔がキツメとか、恐いとか・・どうもあんまり良くない評価を聞いていたので、また確かにプログラムに載っていた彼女のお写真もそういう系統?のお顔で、正直こんなに綺麗な方であろうとは思っていなかったのですよね。まぁあれから3年経っているし、メイクでどうとでも出来るでしょうし(って、おい・笑)、オデットとライモンダとでは当然役づくりも違ってくるでしょうし、また前回はもしかして絶不調だったのかも知れないし・・などとまぁどうだっていいことかも知れませんが、私は何よりも先ずパヴレンコの美しさに眼を奪われました。って言うか肝心の彼女のプロポーションについてはどうもよくわからないんですよね。あまりに近すぎて下から仰ぎ見るような形になるので(しかも斜めから)正確なフォルムが見えない、代わりにお顔ばかりがよく見えるという・・私はパヴレンコの「顔」を観に来たんじゃないのよ~!と心の中で叫んでました(笑)。で、とにかく彼女はとっても綺麗なお姫様。上品で優しげで見た目には充分「ライモンダ」だったと思います。しかし、肝心の踊りについては、う~ん、どうなんだろう?正確なフォルムが見えないので判断の仕様がないのですが、どうもちょっと重たげ?私の席位置の悪条件を考慮してみても、やはり見事だとか素晴らしいとかは思えなかったな~。なんか「もっさり」しているというか・・1幕の、かなりテンポの速い踊りなんかはう~ん、音楽にも乗りきれていなかったように思うし、やっぱなんか「もっさり」してたような・・でもこれはお姫様の鷹揚さを表現してるのかも知れず?あれで良かったのだろ~か?とは言え新国立のダンサーはとてもキビキビと、小気味良く踊ってらっしゃったと思うのでやっぱ「もっさり」?プロポーションはよくわからなかったけど(って、それが私にとっては一番に重要なことなんだけど)、お顔はとってもお綺麗で輝いていらっしゃったので、ちょっと勿体無いような感じ。でもこの場面は2年前にザハロワで観た時にもそれほどとも思わなかったので、実のところすごく難しい振り付けなんでしょうかね?それを思えば新国のダンサーは皆さん本当に上手!今回これだけ近くで観て初めて実感したのが、新国のダンサーのレベルの高さだった。私は正直ゲスト目当てでしか観に行ったことは無いので、今までそれほど新国のダンサーに注目したことは無かったのだけど、今回期せずして間近で観たことにより新国のダンサーへの評価は鰻上り。心底感心した。正直なところ、パヴレンコより上手なんじゃ、と思う人が一杯いらっしゃったしね。もちろん、全幕とおしてライモンダ踊るのと一緒には論じられないとしても、それでも皆さん本当に眼を見張るほど上手だった。パヴレンコに感じた「もっさり感」など微塵もなく、本当にきびきびと小気味良い。ソリストはもちろん、コール・ドも本当に綺麗に揃っていて「夢の場面」でのコール・ドの踊りは本当に美しかった。プロポーションで不利な日本人が、しかもバレエの歴史の浅い日本人がこうまで見事にバレエを踊れるというのは凄いことだと思う。もしこれで欧米人並のスタイルに恵まれていたとしたら、それこそ世界でも指折りのバレエ団になってるんじゃないだろうか?新国の公演に女性ゲストを呼ぶことについての異議なんかを、時々拝見することがある。今までは特になんとも思わずに読み流していたけれど、今回の公演を観てなるほど、そういう意見があるのも当然だ、確かにこれだけレベルが高ければ女性ゲストを呼ぶ必要は無いかも、と思った。ほんと、下手なゲストよりよっぽどレベルの高いダンサーが沢山いらっしゃる。今回あまりに舞台に近かった為主役を観ることに於いては良くなかったけど、新国のダンサーの踊りをなんだか初めて「まともに」観ることが出来、その価値に気づくことが出来たのはとても良かったと思う。位置の関係か、大きさの関係か?パヴレンコはあまり良く観られなかったのだけど、何故だか新国のダンサー達は良く観ることが出来たのよね。なんでだろう?それからこれまた私の中で評価が上がった、というか価値を知ったのがジャン役のコルスンツェフ。彼、すっごく良かった~。なんか「いい人」オーラで一杯で(笑)。写真で見るよりずっと良かった。踊りも良かったし、ジャンとしても良かったと思う。夢の場面でのライモンダとのパ・ド・ドゥはうっとりする程美しく、返す返すももっと座席が良かったら~!と叫びたくなるほどだった。あ、パヴレンコも良かったと思います。踊りはともかく「ライモンダ」としては前回観たザハロワより私は良かったんじゃないかと思う。恋する女性の顔、ちゃんとしてましたもん(笑)。長くなったので続きは次回に。