2013/05/31

百人一首 90番歌   見せばやな 雄島の海人の 袖だにも 濡れにぞ濡れし 色は変はらず

カテゴリ:百人一首


百人一首 90番歌

見せばやな 雄島の海人の 袖だにも 濡れにぞ濡れし 色は変はらず
みせはやな をしまのあまの そてたにも ぬれにそぬれし いろはかはらす


血の涙を流して、その私の涙を拭いた袖をあなたにお見せしたいものです。雄島の漁師の袖でさえ、波をかぶり濡れに濡れたにもかかわらず、色は変わらないのですよ。


作者:殷富門院大輔(いんぷもんいんのたいふ)
(1130年頃 -1200年頃)。平安末期の歌人。女房三十六歌仙の一人。藤原信成の娘。後白河天皇の第1皇女殷富門院亮子内親王に仕えた。1192年に殷富門院に従って出家し、尼となっています。


この歌は「本歌取り」の歌です。源重之(百人一首48番)が詠んだ
  「 松島や 雄島の磯にあさりせし あまの袖こそ かくは濡れしか 」

本歌取りは、和歌の技法のひとつで、昔の有名な歌の一部を引用してアレンジして歌を作るものです。  
本歌取りは、百人一首の撰者、藤原定家の時代に流行ったものです。
             


本歌である重之の歌は「松島の雄島の漁師の袖くらいだろう、私の袖のように濡れているのは」と辛い恋の涙を詠っています。殷富門院大輔は、「私の袖を見せたいもの。涙も枯れ血の涙が流れ、袖の色が変わってしまったのです。松島の雄島の漁師の袖はこうはならなかったでしょう」と重之に返した歌でした。  重之と時代を超えて恋問答を展開したわけです。
            










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最終更新日  2013/05/31 04:08:45 AM
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