|
テーマ:お勧めの本(7212)
カテゴリ:本・コミック書評
「アニメーション監督 原恵一」浜野保樹編(2005年・晶文社)
<概要> 『嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』『嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』と、子供向けの映画シリーズでありながら、大人をも感動させ、各方面で話題を呼んだ「クレヨンしんちゃん」シリーズの原恵一監督。いかにしてこの傑作が生まれたのか。原監督の映画術に浜野保樹氏が迫る。 <内容> 原恵一氏ロングインタビュー 原恵一×浜野保樹対談 樋口真嗣、田口ランディ、曽利文彦、湯浅政明らによるエッセイ・インタビュー 『クレヨンしんちゃん』映画シリーズ絵コンテ・アイディアラフ など <書評> 原監督はまさしく、『オトナ帝国』のケンそのものである。それを強く感じる一冊。大阪万博会場で見た、信じて疑わなかった21世紀の世界。その未来像と現実のギャップ。その反動からなのか、原監督は、(70年の当時からすれば、)未来の産物であったはずの携帯もパソコンも持たない。進歩していく世の中からは一歩退き、あくまでもシンプルに生きようとしている。そして、それはまた、彼のアニメーション作りにも反映されていると言ってもいい。CG技術の向上で徐々にリアルになろうとするアニメ。見た目ばかりが重視されるアニメのキャラクターたち。原監督はそれに乗じることはなく、「心のリアリティ」を求めている。「見る人の気持ちの深い部分を何かしら掴み続ける」ことの重要性を語っている。監督自身がケンだからこそ、その姿勢を貫いているのだろう。 そういう意味では、原恵一監督は現代アニメ界へのアンチテーゼとして存在しているといっていい。原氏はこれからどんなものを見せてくれるのだろうか。それを通じて、現代のアニメ界に何を投げかけてくれるのだろうか。早く原監督の最新作が見たい。 <関連作品> クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年09月19日 00時33分10秒
コメント(0) | コメントを書く
[本・コミック書評] カテゴリの最新記事
|