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ごったニメーションblog

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本・コミック書評

2006年01月27日
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カテゴリ:本・コミック書評
復刊ドットコム奮戦記」左多野渉著(2005年・築地書館)

復刊ドットコム奮戦記

復刊ドットコム」というサイトをご存知だろうか?これは、絶版されてしまった書籍を、読者の投票により復刊させることを目的として設立され、復刊希望の書籍に100以上の票が集まれば、復刊ドットコムが出版社及び著者に復刊交渉を行っていくというものである。本著は、その復刊ドットコムを運営する株式会社ブッキングの専務取締役、左多野氏によって書かれ、左多野氏はこの著書の中で、「藤子不二雄Aランド」「ダルタニャン物語」などの復刊裏話や、復刊ドットコムで人気を集めている書籍についてのこと、さらに、復刊という観点から出版業界の現状や提言を記している。

出版業界は、出版不況のあおりを受け、発行部数を抑え、出版点数を増やして売上を確保しようとする傾向にある。だが、その裏で、商品サイクルの短縮化を招き、売れない書籍、売れなくなった書籍は、すぐに「絶版」という状況を生み出してしまっている。発売してからたいぶ経ってからでは手に入らない、いわば「生鮮食品」のようなものになっているのが、今の業界の現状である。

そういう状況では、あとになってから読みたいと思っても読めないし、また芸術的に評価の高い作品が、商業主義優先で埋もれてしまい、作品保護という観点から見れば、あまりにも好ましくない傾向である。それだけにこの復刊ドットコムの試みは、ビジネス面においても、そして作品保護という面においても、非常に興味のあるビジネスと言える。

復刊ドットコムが成功を収めた理由の一つとして、復刊を望むファンとの双方向でのコミュニケーションを図ったことが挙げられるだろう。復刊ドットコム上で投票を募ったことや、ファンサイトとの相互リンク、さらにファンクラブの協力を得るなどして、潜在的かつ確実なニーズを掘り起こし、復刊への道筋を作っていくという、これまでのような見込みで作っていく出版の商売スタイルとは異なる。そして、ファンたちの熱意に応え、どんな事情があろうとも、なんとしても復刊させようとする左多野氏を始めとするブッキング社員の熱意。これには、頭が下がる思いである。真の「ビジネス」とは、こういうことではないかと思うのだ。

不況の中でいかに売れる企画、売れる販売戦略を立てることも大事だろうが、それ以前に、確実なニーズがありながら、見込みによって書籍を生産していく業界体質にも問題がある。左多野氏の言うように、委託販売制から責任販売制への移行は必要だろう。こうした制度そのものにメスを入れていくことが最重要課題ではないだろうか?漫画好きのみならず、業界人も必読である。


~書籍データ~
<概要>
知られざる名作たちを、その熱きリクエストとともに紹介した「ブックガイド」としても楽しめる一冊。出版界、マンガ界の裏話までよくわかる。業界のタブーも恐れぬ交渉で、数々の本を甦らせてきたエピソードと、出版界のニッチをビジネスにしたその血と汗と涙?のストーリー。日経ビジネスアワードも受賞し、不況といわれる出版業界のなかで唯一成功したベンチャーの仕掛けとは?(楽天ブックスより)

<内容>
復刊ドットコムストーリー(設立までのエピソード、「藤子不二雄Aランド」「ダルタニャン物語」復刊裏話など)
復刊リクエストから見える人気の本とは?
本好きのためのパラダイスとは?(出版業界の実態と、業界に対する提言)

<復刊ドットコム復刊実績書籍>
藤子不二雄Aランド』(楽天で購入する
ダルタニャン物語』(楽天で購入する


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最終更新日  2006年01月27日 12時09分23秒
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2005年10月31日
カテゴリ:本・コミック書評
「つるピカハゲ丸ベストセレクション 」のむらしんぼ作(2005年・小学館)

つるピカハゲ丸ベストセレクション(上巻) つるピカハゲ丸ベストセレクション(下巻)

<概要>
世の子供たちを笑いの渦に巻き込んだ、あのつるセコギャグ漫画が復活。単行本収録の名作・傑作はもちろん、のむらしんぼ書き下ろしの新作もあり。

<内容>
単行本に収録された傑作四コマはもちろん、単行本未収録作品も収録。
のむらしんぼインタビュー
連載当時の人気ぶりを紹介したコラム
のむらしんぼ書き下ろしの新作四コマあり。

<書評>
実に懐かしい。あのハゲ丸に再び会えるとは・・・。知らない方のために解説するが、ご存知「コロコロコミック」で、1985年4月から95年まで、10年もの長期にわたり連載された四コマ漫画である。ハゲ丸一家が繰り広げる、あまりにもセコいギャグや、生活の知恵に、当時の子供たちの間で人気を博し、88年にはシンエイ動画制作・テレビ朝日系列にてアニメ化もされた。(89年8月30日まで放送。)

私自身、ハゲ丸を知ったのはアニメ放送からであった。途中、ハゲ丸の声優だったつかせのりこさんが逝去され、杉山佳寿子さんに代わるという不幸にも見舞われたが、それでもハゲ丸たちの生み出すつるセコギャグにすっかりハマってしまった。アニメの方は、原作の四コマを「つるセコベストテン」でアニメ化し、短編2本がアニメオリジナルで作られていたが、アニメオリジナルの方も、とても印象に残ったストーリーばかりであった。中でも、ハゲ丸のかあちゃんが、かつてはミスユニバースの候補だったという話は強烈だった。

それから「コロコロコミック」や単行本で、原作も読むようになり、ハゲ丸熱はさらに急上昇。ある意味、当時は「ドラえもん」よりもハマっていた漫画であった。それだけに、突然のアニメ放送終了には、とても残念がった記憶がある。その後は、原作もちょくちょく読んではいたが、年を経るにつれ、次第にその熱は下がり、触れる機会もほとんどなくなっていた。ただ、連載が終了したことを知ったときは、少し残念に思ったものだった。

それだけに、今回の復活劇は、そんな当時の熱を思い起こしてくれたのと同時に、ハゲ丸をもう一度読み込んで、改めてハゲ丸の魅力を再確認しようという意欲を生み出してくれた。発売してくれた小学館には感謝の気持ちでいっぱいだ。


上巻は初期作品のが載っており、読んだことのある作品が目立っていた。もちろん、初めて見る作品も多く、どの作品もおもしろい。また、アニメ化記念として、ハゲ丸とのむらしんぼが、シンエイ動画やアフレコ現場に潜入する短編も収録されており、当時の人気ぶりがうかがえる。(ちなみに、その短編にはシンエイ動画の加藤良雄プロデューサーや、テレビ朝日の木村純一プロデューサーらしき人物も登場している。)

下巻は、ハゲ丸アニメ放送終了以降の四コマ中心。アニメでは登場しなかったハゲ丸の弟つる丸や、ハゲ丸のガールフレンド・都留聖子が登場。さらに、つる丸が作ったロボット、ロボ太郎も登場し、ハゲ丸ワールドはさらに広がりを見せた。(もっとも、裏を返せば、人気が少し低下したゆえの、てこ入れともとれるが・・・)それでも、おもしろく読めたことに変わりはない。

このほか、のむらしんぼ氏へのインタビューや、さらに新作四コマもあり。そのネタが、携帯電話、薄型テレビ、100円ショップと、現代にふさわしい四コマばかり。いずれも笑わせてくれる。連載終了から10年たった今も、ハゲ丸のつるセコぶりは健在である。このハゲ丸を、このまま埋もれさせるのはもったいない。ぜひ、もう一度「コロコロコミック」で、ハゲ丸の雄姿が見たい。今の子供たちに、ぜひ見せてあげたいものだ。


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最終更新日  2005年10月31日 22時13分32秒
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2005年09月18日
テーマ:お勧めの本(5167)
カテゴリ:本・コミック書評
アニメーション監督 原恵一」浜野保樹編(2005年・晶文社)

アニメーション監督原恵一

<概要>
『嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』『嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』と、子供向けの映画シリーズでありながら、大人をも感動させ、各方面で話題を呼んだ「クレヨンしんちゃん」シリーズの原恵一監督。いかにしてこの傑作が生まれたのか。原監督の映画術に浜野保樹氏が迫る。

<内容>
原恵一氏ロングインタビュー
原恵一×浜野保樹対談
樋口真嗣、田口ランディ、曽利文彦、湯浅政明らによるエッセイ・インタビュー
『クレヨンしんちゃん』映画シリーズ絵コンテ・アイディアラフ
など

<書評>
原監督はまさしく、『オトナ帝国』のケンそのものである。それを強く感じる一冊。大阪万博会場で見た、信じて疑わなかった21世紀の世界。その未来像と現実のギャップ。その反動からなのか、原監督は、(70年の当時からすれば、)未来の産物であったはずの携帯もパソコンも持たない。進歩していく世の中からは一歩退き、あくまでもシンプルに生きようとしている。そして、それはまた、彼のアニメーション作りにも反映されていると言ってもいい。CG技術の向上で徐々にリアルになろうとするアニメ。見た目ばかりが重視されるアニメのキャラクターたち。原監督はそれに乗じることはなく、「心のリアリティ」を求めている。「見る人の気持ちの深い部分を何かしら掴み続ける」ことの重要性を語っている。監督自身がケンだからこそ、その姿勢を貫いているのだろう。

そういう意味では、原恵一監督は現代アニメ界へのアンチテーゼとして存在しているといっていい。原氏はこれからどんなものを見せてくれるのだろうか。それを通じて、現代のアニメ界に何を投げかけてくれるのだろうか。早く原監督の最新作が見たい。

<関連作品>
クレヨンしんちゃん 映画 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲 ◆20%OFF! クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦







最終更新日  2005年09月19日 00時33分10秒
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