究峰森泉

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壁ブックのススメ

壁ブックのススメ



◇壁ブックとは何か
私の造語で、クリーチャーを防御型のみで構成したブックのことです。
「壁のように守りが堅いブック」というニュアンスで、壁ブックです(笑)

また、防御型を守りの主体にして通常クリーチャーも織り交ぜたものを准壁ブックとここでは呼称します。

他に「壁本」、あるいは単に「壁」という語を用いることがありますが、
基本的に壁=防御型クリーチャー、とお考え下されば幸いです。


☆発祥

なぜ防御型クリーチャーのみの侵略を放棄した無茶なブックを作るようになったかというと、カルドセプト公式ホームページで一時期、「防御型クリーチャーは使えない」という論調が高まったことがそもそもの発端だったのです。

天邪鬼な私は「そんなことないですよ、壁も強いですよ」ということを発言するために防御型のみのブックを作りました。常識を覆すというか、奇抜な発想で皆をあっと言わせることに快感を覚えるという性質ですので(笑)
でも、元本は以前カルドセプト1の公式ホームページで紹介されていたゲーム関係者の方のブックなんです。

はい~、私が作ったのは実は亜流でオリジナルな発想ではないんですよ~。その方は各色の壁(火;ピラーフレイム、水;アイスォール、風;ハリケーン、地;ストーンウォール)とホーリーワード各4枚が印象的なとても大胆なブックでしたが、私はそれに細々とカードを付け足して自己史上初の壁ブック「四封壁の陣」を作り上げました。「四つの属性の壁で相手を封じる陣形」というようなニュアンスを仄めかしたいがために、このようなヘンテコな名前にしました。

「これでちょっとでも壁好きな人が増えてくれたらいいなぁ」
という、最初は軽い気持ちだったのです。やはり侵略できないのは大きなデメリットですし、アシッドレインも怖い。しかし……自分でも意外なほど強かったのです。
侵略を考えないために余分な魔力を使わず、早い段階から土地のレベルを上げることが出来る。
土地呪いを有効に使用すれば、基本能力値が高い壁はなかなか落ちない。
そう、壁ブックは非常に省エネで優れた防御力を持っていたのです。

~・~・~・~・~sorekara/sorekara~・~・~・~・~・

壁ブックの魅力には、何より製作者の私がどっぷりハマってしまいました(笑) カルドセプト2(DC版)ではネット対戦が出来たのですが、そのランキング戦で数多のセプターと色々な壁ブックで闘いました。アイディアは意外と多く、壁ブックの試作品は20近くあったと思います。その中で対戦したあるセプターさんの高速周回戦術を見て、「これだ!」と思い壁ブックに取り入れました。そしてできたのが、自画自賛する高速周回型壁ブック。

HWX、ヘイスト&フライなどでとにかくマップ周回に力を入れ、魔力を稼いでゆくという戦術。マナ、バロメッツを入れることで魔力獲得し、さらに移動スペルが豊富なことから自分は相手の高額地を踏む確率が少なくなる。一石二鳥の戦術です。
このブックの投入で勝率が上がり、結局その月のランキングは《壁ブックのみを使って》全体の64位! ランキングに参戦された方は2000人ほどいたでしょうか、その中でこれだけの成績を収められたことは大きな自信になりました。

壁ブック。難しいようで、自分なりのやり方を見つけたらなんとも楽しいもの。
弱点は多いですが、侵略を削って防御に特化させた強みというのはちゃんとあります。
私が今まで作ってきた壁ブック、準壁ブックを公開いたしますので、興味ある方は使ってみてください。
新しい境地が開ける…かもしれませんよ!


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追加記事(04・4/5)

■壁ブックの現状とこれから■


私は壁ブックを作るうち、クリーチャーを壁に拘るなら速攻に収束せざるを得
ないという結論に至ってしまいました。対戦が長期化すればするほど戦闘数が
多くなり、また〈相手のブックコンセプト〉によってこちらの思惑を転覆させ
られる危険性も増加するため、防御型にとって不利な条件が増えることが考え
られるのです。
究極的に、壁ブック=速攻ブックのコンセプトは〈相手のブックコンセプトを
封じ込める〉こと。試合スピードが速くなればなるほど相手のキーカードは揃
わなくなり、また拠点侵略も難しくなるといえるからです。一言で言えば、
「敵が伝家の宝刀を抜く前に、獲物をかっさらおう」。その端的な例を示す
と、「壁ブックは現金輸送型、殲滅型ブックの脅威となりえる」……はずです、多分。
(DC版のころなら一回、殲滅型ブックの人に壁ブックで勝ったことあるんですけどね~)

速攻という型を離れるなら、何らかの大胆な戦略転換の発想が必要だと思いま
す。ブックに入れているクリーチャーカードの中での壁比率が2~3割程度な
ら問題ないわけですが、それ以上壁が占めるのでは極めて厳しいかと。

《何らかの大胆な戦略転換の発想》――これは私のように壁ブックの方向性を
規定してしまったセプターには、少々難しいものです。どうしても既に築いた
地盤の上にパーツを組み込むような形で積み上げてブックを作ってしまう故
に、それがなかなか出てこないことがあるからです。


現在、防御型は広く使われています。防御型クリーチャーが一枚も入っていな
いブックは半数あるかないか、といったくらいではないでしょうか。
アイドル、アイスウォール、バロメッツ……そういった人気の壁以外にも、も
っと多用な働きができる壁クリーチャーがいます。そういった壁を通常のブッ
クにどう取り入れてゆくか……新しい壁研究、新しい壁ブックはそういった
「基本の形」から見直し、また進化させてゆくべき段階に入っているのかもわ
かりません。


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