究峰森泉

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二次創作小説 『火の一族』



火の一族 ~THE HEARTS OF FIRE~

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この世界、『コゲツウル』の極東に「火の一族」と呼ばれる者たちがいる。
黒髪に黒い瞳、黄色い肌、小柄な体躯……コゲツウルで最も栄えている被造物〈クリーチャー〉、「人間」の中で、極東に分布する種の基本的な姿である。
外見では変わったところのないこの一族が格別の畏敬を籠めてそう呼ばれるのは、別の理由があるのだ。
友としてはこれほど心強い者は無い。一度信頼した者は決して裏切らず、わが身を捨ててもその絆を守ろうとする。熱い情を持っているのである。敵としてはこれほど恐ろしい者は無い。何度打ち倒しても立ち上がり、挑みかかってくる。不死身の精神力を持っているのである。勇敢で志高く、どんなに暗い絶望をも燃やし希望へと転じさせる。
その物たちは皆、心に不屈の炎を灯しているのだ。

火の一族の伝承に、火の立つ野を駆けて天登った神の話がある。
「アマダミノヒノカミ」「タケキホムラノミコト」と伝わるその神、名はヒノカ。火の一族の原初に立つ人物にして唯一の駆使者〈セプター〉である。
如何にして生まれ育ち、如何にして火の一族を形成し、如何にして神になったか。
今から、それを紐解いてゆこう。


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