2005/09/13(火)22:26
その時代の感覚
もののふは小さい頃から歴史小説が好きでして
小学生の頃に読んだ「竜馬がゆく」に始まり
吉川英治さん
山本周五郎さん
海音寺潮五郎さん
などを高校時代まで読んでまして
それから山田風太郎さんや津本陽さんを読み
隆慶一郎さんに辿りついた次第です。
どの作家の方も歴史小説というくくりはありますが
それぞれに個性があって今でも楽しく読ませて頂いております。
そんなもののふが最近読み始めましたのが
「忘れられた日本人」宮本常一
ずうーーーっと積読になってまして
何気なくパラッとめくりましたら
内容にグイグイ引きこまれてました。
たとえば若隠居について
若隠居といいますと、なにやら気軽で楽な感じですが
実際は公役などを逃れて、自家の仕事をするための
苦肉の策で、昔は20歳くらいには結婚して子供を産み
40歳くらいで隠居して自家の畑を耕さないと食っていけなかったそうです。
明治期の日本の生活でさえ現代人からすると
想像のつかない世界です。
これが安土桃山時代までさかのぼると、
現代人の感覚でその時代の人物を語ることの
愚かさがよくわかります。
信長=冷酷などは最たるもので非常に短絡的な評価です。
環境が人を作るといいますが、その時代の人間でなければ
わからない感覚や風俗・時代背景などがあると思います。
それらをキチンと自己の感覚にとりこんで歴史を考える事が
出来れば非常に楽しい知的遊戯になるのではないでしょうか。