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殿上人日記

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2010年06月18日
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カテゴリ:カテゴリ未分類

 P1000763

  ゴールデンウィークの頃であれば、白い山なら
  信州各地で見れる中で、何故、白馬でなければ
  いけなかったのか。それは以前から行きたいと
  思ってた、まるで昔話に出てくるような小さな里が
  あったから


      P1000741

  白馬村の中心地からは、少し外れている北東の山腹に
  あるという「青鬼(あおに)集落」には、11戸(資料に
  よっては11~14戸)14棟という、江戸時代後期から
  明治時代に建てられたという、茅葺屋根の主屋と土蔵が
  建ち並び、ネットの写真でみた冬景色などは、あっ!と
  息をのむほど印象的だ


 P1000773

  主屋の「カブト造り」の茅葺屋根は、手入れが簡単な 
  事もあって今はトタン覆いがされており、表側のみが
  中2階建て(一部平屋建て)になった家屋が殆どであり
  文化庁より「重要伝統的建造物群保存地区」に選定を
  されている


      P1000777
  かつては小谷村千国で「千国街道」と分かれた道は
  小谷村梨平からこの青鬼集落を経て、柄山峠を越えて
  鬼無里村に達し、善光寺や戸隠神社への参詣の為の
  道として、また商いや生活の為にも、人の行き来が
  頻繁であった


 P1000755

  村落から少し裏手に登って振り返れば、村落の向こう
  南西方向には、鹿島槍ヶ岳、五竜岳、唐松岳といった
  後立山連峰の白い山の展望が広がっている


       P1000751

  万延、文久年間(1860~1863年)には、当時の
  村落の全戸の24軒によって、3キロに及ぶ用水路の
  「青鬼上堰」が開削され、その後には「青鬼下堰」が
  作られて現在も利用されおり、約200枚の「棚田」は
  「日本の棚田百選」にも選ばれている

  四方が山に囲まれた青鬼集落は、他の品種と交配され
  にくい事から古代米の栽培に適しており、地域おこしの
  古代米「朝紫」も人気があるそうだ


 P1000774

  日曜だから、きっと昼頃には沢山の人が来てしまうと
  思って、午前9時前にはペンションをチェックアウトし
  一番に、青鬼集落にくねくねと細い道を車に向かうが
  村落の入口にある、観光客用(協力金が必要)の
  小さな駐車場は満車に近い状態であった

 
      P1000759

  ここに車を置いて、村落を徒歩で拝見させていただくが
  大鹿村にしても、遠山郷にしても観光業をされていない
  里人がお住まいになっているところ、ましてや日曜の朝
  大きな声では話さないとか、中をのぞきこまないとか
  むやみにカメラを向けないとか、気をつけたいもの  


 P1000748

  そんな事を思いながら歩いていると、小さな畑で腰を曲げ
  作業されていたお婆さんが、ぐっと背筋を伸ばされた拍子に
  我々の存在に気がついて、おはようございますとお互いに
  会釈をした


      P1000775

  それにしても思う事は、日本中の田舎が過疎化の波に
  さらされて、人口の半分以上が65歳以上の高齢者と
  なって、冠婚葬祭などの社会的な共同生活の維持が
  困難になった「限界集落」の現実だ  


 P1000749

  このような白馬からも比較的近くて、風光明美な村で
  さえも会う方、働いてらっしゃるのはお年寄りばかりで
  たとえ観光客が増えようと、お年寄りたちの暮らしが
  楽になる訳でもないだろうし、かわりに農作業をして
  くれる訳もないだろううし


      P1000758

  ここはいつ頃から住んでいたのか?という、観光客の
  問いに嫌な顔一つせず、お爺さんは作業の手を止めて
  何度繰り返したかわからない村の歴史を、丁寧に説明を
  されていた


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  落水を利用して、穀類などを精製、粉砕するた唐臼
  (ガッタリ)があり、今もきっと使われているのだろう
  時代が変わり便利なものが生まれても、自分の使い
  慣れたものが良く、新しいモノ(やり方)は覚えられ
  なかったり、やりにくい事も多い
  
  
      P1000745

  誰もが新しいやり方が良いといっても、時と場合、人に
  よっては、古いモノ(やり方)が適している事もある

  さすがに元消防団員の旦那は、ここの消火栓は
  三段になっていると、目ざとく見つけて驚く
  雪深い里であるのだろう


 P1000767

  さて青鬼(あおに)という名は、なぜ付けられたのだろう

  むかしむかしのその昔。白馬の東にある村から、身の丈が
  七尺、全身毛むくじゃらの鬼のような大男がやってきて
  悪さをしては村人を苦しめていたそうだ。困った村人は
  その大男を岩戸山の底なし穴に閉じ込めてしまった


      P1000760

  しばらくたっての事、旅人が「戸隠には鬼のような大男がいて
  村人らを助けるので、とても喜ばれていた」と話したそうで
  「岩戸山の穴から戸隠に抜けたあの大男は、戸隠様の下を
  通る時に、魂が入れ替わって善鬼様になったに違いない」と
  思った村人らは、その男をお善鬼様として奉り、白馬の東の
  村を鬼無里(きなさ)、こちらを青鬼と言うようになったとか


 P1000765

  また、こんな話もある

  お善鬼様の洞窟の前で「膳と椀を○人分貸して下さい」と
  願うと、翌朝には人数分の膳と椀が揃えられていたそうだ
  ところが、ある村人がいざ返そうと調べてみると、お椀の
  蓋がひとつ足りないのを横着をして、そのまま返したので
  それ以降は、村人にお善鬼様は膳も椀も貸してくれなく
  なってしまったそうだ


      P1000769

  この青鬼に限らず、「白馬」には両手では足りないほどの
  沢山の昔話があるそうで・・・・全国各地にも残っている
  昔話界の有名人の河童や雪女も、松本でも紹介をした
  巨人のダイダラボッチも白馬に住んでいたようだ

  その中から一つを紹介をすると、小谷村の栂池高原から
  白馬に戻る途中の道沿いにあったという「おかるの穴」で
  この昔話は、以前から知っていて怖いなぁと思ったものだ


 P1000779

  むかしむかし白馬村切久保に、おかるという器量良しで
  働き者で近所でも評判の嫁がいたそうだ。ある日の事だ
  姑が「少し味噌汁がしょっぱいし、味噌を減らしたら
  どうだろうか」と言ったところ、おかるは「そうですか? 
  他の人はみんな美味しいと食べてくれますけど、減らさ
  なきゃいけないんですか?」と、少しきつく言い返した
  事がきっかけになって・・・・・

  姑はおかるのする事が、いちいち気にさわるようになり
  おかるも姑のことを悪く言っては邪魔にして、互いに
  口汚く言い争うようになり、はじめのうちは嫁と姑の
  間にたってなんとかしようとする人もいたのが、それも
  許さぬほど険悪なものになってしまった


      P1000770

  昼間に姑から「お前のようなくだらない嫁は、うちの恥だ
  だからとっとと失せろ」と言われたのが癪に障って寝つけぬ
  おかるは、何とかして姑をやり返したいと考えているうちに
  切久保の氏神様の宝物である「七道の面」のうち、一番怖い
  鬼(般若)の面を被って、姑を驚かしてやろうと思いついた

  満月の夕方に、おかるは氏神様へ忍んでいき般若の面を盗み
  夜もふけた頃に姑の寝ている部屋の障子を破って、声を押し
  殺し、姑の名を何べんも呼んで起こし、「毎日、おまえは嫁を
  苛めているので、オレが代わっておかるの恨みを晴らして
  やるぞ!」と脅しすと、姑は恐ろしい鬼が障子からのぞいて
  いるのをみて、恐れおののき気を失ってしまったそうだ


 P1000757

  それを見て溜飲を下げたおかるは、かぶった般若の面を
  取ろうとしたのだが、顔にぴったりとくっついてしまっていて
  離れず、必死に面をかきむしった為に爪も裂けて血も滲み
  やがて外も白み始めた頃に、姑が憎いとはいえど氏神様の
  宝物を盗み出して姑を脅した醜いやり方が、罰があたったと
  思い至ったそうだ

  家や村の者に、この姿を見られては恥ずかしいと思った
  おかるは外へ走り出し、楠川にある瀬戸の渕の切り立った
  岩のところに横穴があるのを見つけ「私はもう戻れぬ身だし
  死ぬしかないのだから、あそこへ入ってお迎えを待とう」と
  念仏を唱え始め、七日目にはその声も聞こえなくなった・・・


 P1000739

   良い鬼もいれば悪い鬼もいる。人の心にも鬼の棲みつく事すらも

           平成22年5月2日に信州白馬で撮影





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最終更新日  2010年06月18日 19時20分34秒
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