久しぶり二回目
どうもー。前回の続きを書きましょう。途中で眠くなったらサーセン"スイッチプレゼンター"「結局、よく判らなかった・・・」あの後、私は加奈子に散々聞いてみたが、途中で名刺を貰った事を言うと「寄越せぇえええ!?」と死に物狂いで追ってくるので話すら出来なくなった。ファンにとっては相当な値打ち物らしいけど・・・よく判んない私からすると・・・「取って置いても意味ないよね。」ぽつりと名刺を見ながら呟いた。だいたいこの名刺、連絡先書いてないし。「意味が無いとは何だ。ひどいじゃぁないか。自作だぞ」「だって連絡先すらないし・・・」「携帯電話を持っていないんだ」・・・・・!?いつの間にか、私の隣には恩田が居た。「まぁ問題ない。その名刺には発信機が付いていてな。いつでも僕が側に行ける。」「ちょ、何だその無駄な技術!単なるストーカーじゃない!」そう言って私は逃げようとするが、いつの間にか腕を掴まれていた。「嫌ならもう名刺を返して貰ってもかまわんぞ。僕は君を助けたいだけだからな。」「助けたいって・・・もう何も無いし!」彼氏に捨てられた直後は問題があったけど、もうそれは立ち直ったしこれ以上は特にないもう名刺を返してしまおう・・・・それで終わりだ。「君は・・・最近彼氏に振られたんだそうだね?」!?「あの日泣いてたのはそれか・・・僕が笑いのスイッチを押したが・・それだけじゃ済むまい」ダンッ!私は壁を力一杯に殴りつけた。「だから何?そんな事まで調べて・・・最悪のストーカーね!それでどうしようっていうの?」私は恩田を睨みつけてまくし立てた・・・けど、彼は動じた様子は無い。「一方的に捨てられたのか?」変わらず話を続ける。「そうよ!メールで『別れよう、好きな奴居る』の一言でね!それこそ・・・」「スイッチを切るかのように簡単に捨てられたのよ!!」その一言に、恩田の眉がぴくりと動いた。「それは、許せない事だな」「ストーカーが言える事じゃないでしょ!」そう怒鳴られて恩田は肩をすくめた。「じゃぁせめてただのストーカーじゃ無い事を証明しよう」そう言うと恩田はつかつかと私のクラスへと歩いていった。そして近くに居た女子に尋ねる。「皆藤祐樹という奴がここに居る筈だが、どいつだ。」「えっと・・・あの窓際でダベッてる人だけど・・」「連れてきてくれないか?」こくり、と女子は頷くと皆藤・・・元私の彼氏に声をかける。その際に「今度遊ばない?」とか言われたみたいだがスルーしたみたいだ。「何?誰?俺に何のよう?」「僕は恩田修一。ONスイッチだ。」「えっ・・・」皆藤も、クラスの人たちも驚く。いつ付けたのか・・・皆藤は顔に仮面をつけていた。「今回は君に用事だ。2,3聞きたい事がある。正直に答えれば手荒な事はしない。」「わ、判った。何ですか?」あの普段チャラチャラしていて、誰にでもタメ口の皆藤が敬語で答えたのに私は驚いた。というかそんな奴と私は何で交際していたのか、自分でもよく判らない。「君はこの女性が誰かわかるな?」そう言うと恩田は私を指差す。「・・・あー、最近別れた奴ッス。最近面倒臭い事ばかり言うんで。」確かに私は最近彼に色々聞いていた。というのも、既にその時浮気をしている様子だったからだ。「この女性は泣いていた。君が適当に別れを告げたからだ。話し合うつもりは無いか?」「無いッス。つーかもう俺新しいカノジョいるしー。」私のぎゅっと拳を握り締めた。握り締めすぎて、手が震える。今にもあの男を殴りそう・・・と、思っていたら皆藤の体が宙に浮いていた。投げ飛ばされたのだ。「ぐわぁ!?」ガシャーン!思い切り体を机にぶつけて皆藤がうめく。「君は彼女に責任を擦り付けるような言い方をしていた・・・。」「自分は悪くない、相手が悪い。そしてまともに話す事を拒んだ。」「そのような行為を僕が許すと思ったか。」・・・正直に話せば手荒にはしないって言っておきながらぶん投げるとは。再び、クラスの人も皆藤も驚いていた。「お騒がせして済まない。だが僕はスイッチを押したいだけだ。理解して欲しい」そう言うと、ぺこりと頭を下げ、恩田は教室を出て行った。その後を追うクラスメイトと私を取り囲むクラスメイトで二手に分かれて・・・教室は騒然とした。まぁ、それにつかまる前に私も恩田も逃げ出したのだが。「何してくれてんのよ・・・コレ今日は学校居られないじゃん!」「すまない。ついカッとなって・・・。しかし、どうだ?」「何がよ!」何故かしたり顔の恩田に私は噛み付くが、やはり恩田は表情を変えない。「君の切れたスイッチ・・・その代わりに別のスイッチをONに出来たと思ったのだが?」「・・・まぁスーっとはした。ありがと」といいつつ、私は恩田の後頭部をチョップした。「言動が一致していないぞ。」「人間は複雑なの!」それだけ言うと私はプイッとそっぽを向いて名刺を差し出した。「おや?もう助けは要らないと?」「うん。十分やってもらった。」ソレを聞いてフッと恩田が小さく笑い声をもらした。「何?」「いや、失礼。僕を見くびって貰っちゃ困ると思っただけさ」「えぇ?」不思議な返答に私は戸惑う。「僕が押した君のスイッチは小さいものばかりだ。もっとドンと行きたいのだよ」「何するっていうのよ・・・?」「まぁ、僕に任せたまえ。君に素敵な恋を授けようじゃないか」一体何をしようというんだろうか。とりあえず、私は持っていた名刺を再びポケットに突っ込んだ。「今日は学校は早退・・・だろう?"居られない"って事は。」「え、あ、うん。どっか行くの?」「連れて行くとも。今までに見た事の無い世界へ。」何故か自信満々の恩田。というかこの変な男に連れまわされなきゃいかんのか・・・。すいません、眠くなりました。という訳でまた今度に。以上、かてないさかなでした。