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現代京都詩話会ホームページ

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2007年05月27日
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1.
あの 名古屋哲夫

メーンテーマから
ぐうーんと
引っ張り
もぐる
もう一度
強く
かきこんで切る
岬から
小島の崖から
また
遠く沖から
頭上高く
かもめが
ジュピターの下へ
使いする
光が移動し
小刻みに
天使が舞う
あの
モーツァルト


2.
むじな 名古屋哲夫

人々のからだが
むじなに見える
ときがある

逢魔が刻
しかし それは
私の得意な刻である
決してあの
機械仕掛けの
ボーンボンという
刻ではない

そのときは
みなが
前世を露に
 するとき
あるものはむじな
牛、狐、鹿、栗鼠
ぼろぼろと
飛び歩き跳ねる

そのとき
私は何であろう
なろうことなら
なまけもの
ふだんは御らんの通り
いったん豹に襲われたら
たちまち四つに
裂くという
そうありたい
ムリだろうか
ムリに収まる
白昼の夢


3.
北朝鮮 名古屋哲夫

らち十二人、解決つくまで
経済援助は有り得ないと

交渉が始まった初期
担当者が清津の地を踏んだとき

彼の地の歓迎員が
その肩に手を置いて
分かっているでしょうが、ね

と、こわばった頬を
くずして、その顔を
のぞきこんだという

日本は十二人の行方を
たずねるが
併合されていた戦時中
その一万倍の被害者を出した

韓国には実質賠償金という
名目経済援助を済ませている
俺たちはまだ受け取っていない
金 正日は 表に出さない

国際規約違反は承知の上で
ニセドル、タバコにニセラベル、
麻薬の地下取引等々
らち問題もそのひとつ

アメリカも、その尾につく日本も
眼をつぶっている闇黒の山々
ひとつひとつ お互い
手の内を広げようじゃないですか


4.
内輪 名古屋哲夫

二十世紀を過ぎてから
もう七年になりました

第一次大戦も
大変でしたが
第二次の方はもっと深刻

国と国とで出来た戦死者よりも
同じ国の中で生じた
死者が多かったのです

第二次大戦で
ソ連が千二百万人
ドイツが九百五十万人
日本が三百五十万人
スターリンが
粛清によって消した人口
少なく見積もって二千万人
毛沢東の大躍進政策失敗で二千万人
同じく文化大革命の犠牲者二千万人

スターリンや毛沢東の所行が
少しずつ洩れて来たとき
彼らの賛美者たちは
「デマだ」「反動だ」と決めつけましたが
清天にさらされたとき
ぴたっと口を閉ざしました
内輪のひとになりました


 







最終更新日  2007年05月27日 15時27分19秒
コメント(73) | コメントを書く
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1.
半夏 田中昌雄

せめぐ気圏
雨の前線に弧状列島が水漬くころ
塩漬けの死海では
いくさの前線が神の三枚舌を切り裂く

およそ地に張りついて生きる
凡百の下々にとって
身に降りかかるどんな小さな厄災も局所にすぎぬ
とはいえないが(わたしはきょう蟻を踏んだ!)
〈国〉や〈世界〉を身とする者は
とりわけパノラマが好きだ(蟻以下のわたし!)

そのパノラマに
かつて瞬時、
幾万の消失があり、
そのまた以前、それ以後も
幾百千万の消失がつらなったが、
パノラマに変化はなかった

風塵
裏返った生よ!
生きることも 死ぬことも
わしづかみだった時代、
少年は
それでも歯をむき出して
笑っていたか?

あの時から
半夏。
回帰するオニヤンマは
そのたびごとにすり抜け、
夢は
何度も網を張る。

めぐる暦日
あの世からこの世へ
また、暑い夏がやってくる。
(半眼の、
 はぎとられた
 もうひとつの夏よ!)

ならば、老体
生き残った亡霊!
なおも跣(はだし)で恩讐のはざまに立ち
銀翼の回路を鎮めよ

リトルボーイ!
挑む少年は
いまも少年

2.
寒蝉 田中昌雄

路傍の寒蝉
ピクリともしない
とはいえ
永遠に動かないと
だれが云えるか!
―少なくとも(きみ)の
 微塵子よりも微細な
 離合集散は
 きみの生き死ににかかわりなく
 ずっと元気だ!

その蝉の
一瞬と永遠
一点も無限も
見境なく同じだが、
有限な
自意識だけが
―踏もうか踏むまいか?
まずは蹴飛ばしてみるのだ!

この大きなお世話
タガのはずれたさいづち頭は
まちがいなく出来そこないだが、
そのせいで
太陽系第三惑星は
火星を尻目に
皇位簒奪に熱中しはじめたという
エンショ、エンショ!

若者たちもまた熱く
「愛国」を語りはじめる今日この頃
殺されて、殺されて
黙々と消えていくものは何だ?
起ち上がってくるものは何だ?
と、原初以来の風がささめく
どこにもいて
どこにもいない
デジャヴのような
夢の楽土?
その窪みで
ミミズが羽化するのをじっと待っている子供は
きっと永遠の命を生きる

もう思春期をひきずった
血の気はいらない
目を引き継ぎ
気の遠くなるほど星を見つづけた者たちの意望は
老人と子供ばかりの
砂時計のような
まほろば
(かすかに木々が
 身じろぐのを哀惜する)

そこは冬

まだヒグラシは鳴かない


3.
虹の傀儡師 田中昌雄


木の鱗
封印された受胎の木魚
億年の墓をあばいて
地霊のミイラに心血を注ぐ
その再生(あるいは吸血)に
石炭紀以来の
死に物たちが狂いはじめる
(たとえばペガソス
 その畜産
 石汁を呑む死馬)

加速する
燎原の人文字
すっくと逆立して
天を足蹴に
ニューロンの毛髪で地を払う
ナルキッソスの魔物
「心頭不滅
 火もまた涼し」

蛆蠅の
〈わたし〉という小皇帝が
奴婢の姿でかしずかせる
わが身の、模作
俑の肢体をバラバラにして
五体投地する
世界庭園の挿し木
(蛇苺に魅入られた
 傀儡師という名の傀儡)

身に巣くう
生霊である〈わたし〉は
身のほど知らずにも足を描き
身から出たのだ、金棒かついで!
(蜘蛛が置き捨てた
 空巣の虹よ)
 糸を切らして
 凧が舞う
 鬼蜘蛛の形相で)

虹は
目のない鳥が死肉で運ぶ?
都会のチベット
(きっと22世紀には)

「まだ木の葉を小判には変えられないが…」
と、留保する
全能感の〈わたし〉の末路は
赤、青、緑
まみれて白虹
(躰の奥で、地の底で
 〈わたし〉への叛乱がはじまる)

ホリゾントの影絵
木魚の夢
(中空の
 この世は脳髄
 あの世も脳髄)
演目は
「丑寅の蓑虫
 灯蛾(ひとりが)の恋」

御託
「せめて俺が生き物という現象であるうちに
 俺と世界と
 どちらがどちらの見納めになるか
 天覧したい」

だったら
死んでも
眼だけはおいていけ


4.
ミラージュ 田中昌雄

遠目の異客
気の祠
神様が「おいで、おいで」している
子供たちの日溜まり
裸形のシェルター

大人たちが卵割する
手込めの傀儡
(わたしも不審者)
思いをとげられなかった者たちの
ルサンチマン(手塩にかけた)
殺す母と
殺せぬ母の
(男の夢精
 死者の生誕)

頭で見る
自大の浮島
「きみは世界を睥睨するが
 すべてはきみの股間に落ちた
 きみ自身の影にすぎない」
(エーゲの妄想
 アトランティスの碑文?)

(立てなかった子供は
 お臍や足裏で
 どんな夢を見たか)

成り上がりのヒトの双六に
脇道をつける
ででむしの迷路
(アリアドネの糸)
虫たちが踏みつける
ヒトの名書き
(模様ですらなく)
そのあとかたに
無人に豊かな
未来が見える?

流沙に死者を充たすのは風
ならば
この湿地
木に鼻をくくれば
犬のようにわたしは
馥郁と(汎神論的に)
世界認識できるか

物の怪に
むしりとっては投げた
毛衣(恥毛その他若干を遺す)
そのたびに物の怪になった
九十九(つくも)の体毛

「巣はくらますものなのに
 まっすぐな舗路に
 家を建てるのは不自然だ」

身をくらました子供たちが
蓬莱のかなた
そのまたむこうの仙山で

一心に(微々として)
螺旋の隧道をかじっている













最終更新日  2007年05月27日 15時02分52秒
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2006年10月29日
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ぼくの 友だち    西田 純

朱雀
ぼくの 生まれたとこや

子どもの ころ
朱雀て なんか知らんかった

奈良に 住むようになって
朱雀と 仲ようなれた
家の近くには
朱雀門まで でけた
明日香には 太古から
はばたく鳥が よう生まれたはったで

最近 また京都に戻って
おんなしとこに 住んでる
中京区 壬生 朱雀町
京都市の まちのなかで
縦から見ても 横から見ても
ちょうど まんなからへん

平安京が でけたとき
朱雀大路の あったとこ
そやけど まちは すぐつぶれてしもた

江戸のころには
壬生の村
なたねの花が 咲きみだれ
みぶなも ぎょうさんとれたそうや

明治になって 壬生村は
西ノ京村や聚楽廻村と いっしょになり
朱雀野村に なったんや
そのあと 村は
京都市下京区になり やがて
下京と上京の なんまかを
ひっつけてでけた 中京区
その半分は 朱雀野村
今は 学校の名まえに残ってて
朱雀第一小学校から
朱雀第八小学校

いっつもみんな 朱雀を呼んだはる
京都でも やっぱし
あの鳥は 生きたはんのやろか
こないだ なつかしい大和へ行って
高句麗の朱雀に 出会うたけど

ぼくとこにも 来てな







最終更新日  2006年10月29日 13時27分11秒
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半夏    田中昌雄

せめぐ気圏
雨の前線に弧状列島が水漬くころ
塩漬けの死海では
いくさの前線が神の三枚舌を切り裂く

およそ地に張りついて生きる
凡百の下々にとって
身に振りかかるどんな災厄も
局所にすぎぬ
とはいえないが(わたしはきょう蟻を踏んだ!)
〈国〉や〈世界〉を身とする者は
とりわけパノラマかせ好きだ(蟻以下のわたし!)

そのパノラマに
かつて瞬時、
幾万の消失があり、
そのまた以前、それ以後も
幾百千万の消失がつらなったが、
パノラマに変化はなかった。

風塵
裏返った生よ!
生きることも 死ぬことも
わしづかみだった時代、
少年は
それでも歯をむき出して
笑っていたか?

あの時から
半夏。
回帰するオニヤンマは
そのたびごとにすり抜け、
夢は
何度も網を張る。

めぐる暦日
あの世からこの世へ
また、暑い夏がやってくる。
(半眼の、
 はぎとられた
 もうそとつの夏よ!)

ならば 老体
生き残った亡霊!
なおも跣で恩讐のはざまに立ち
銀翼の回帰を鎮めよ

リトルボーイ!
挑む少年は
いまも少年

半夏:はんげ
跣:はだし







最終更新日  2006年10月29日 13時26分06秒
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学びの砦    井上哲士

自分で創り上げた
歴史の重みに耐え
垂直の翳りに思惟を沈め
まだまだ まだまだ
錆びかかった砦の影立つ

どろまみれの欲望と
棘だらけの理想を
不条理に絡ませ
ときたまぎしぎしと
継ぎはぎだらけの
床踏みならし
フォーッと吐息をしのばす

夜に漏れる窓の明かりは
重く瞬きを繰り返す







最終更新日  2006年10月29日 13時24分24秒
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再生    長岡紀子

水辺で歩みを止めない わたしに
樹々の緑が おおいかかる

酔いしれるほどの 芳醇な樹液の香りが
わたしを 包み
やがて 指の先から 溶かしていく
もう わたしは 消えてしまうのだ

歯の擦れる音 風に揺れる音は わかる
近くに 水が たえず 流れている
澱みに浮かぶ 水泡は 消えたり 結ばれたり
岩に 屈しては 光のしずくを飛び放つのを 感じる

消えた身体が 水に浸ると
魚になり
水の輪の中で 飛び跳ねたり
流れの いきおいに 引きずり込まれたり
そのまま 身をまかせたり

奇妙に 肺が 脈々と膨れ
心音が 早鐘の時を刻んで
眠ろうとする わたしを 睡魔から たたき起こす

空は高く
光りの矢が 無数に 水面を突き刺し
わたしを捕らえると
その身は 軽く羽根のように浮き上がり
やがて 鳥となり
空に 舞う
陽は 山に傾き
水辺を染める
鳥も 染まる







最終更新日  2006年10月29日 13時22分44秒
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夢見る若者    司 由衣

試薬の染みついた白衣の若者は
フラスコに夢を見つけたが
ほかには何も知らなかった
世の中のことひとつ知らなかった

この春 リクルートスーツに衣替えしたが
背中に
価格の札をぶら下げている
夢だって 人間性だって
もはや売らねばならない
引き裂かれていく
  頭脳は
  目は
  手は
企業の部品
消耗しつづけなければならない

遺伝子組み替え大豆だの
ポマトだの
クローン牛だの
そんなことのために
疎外を生み
引き裂き
こんな世の中に巡り会わせて
若者は壊れた
床に叩きつけられたフラスコのように

夢見る若者は
研ぎ澄まされて
ガラス細工のように美しい
けれど
うまく立ち回るということを知らない
ひとたび壊れてしまうと
尖って
足の踏み場もない







最終更新日  2006年10月29日 13時21分06秒
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大病院にて    田村照視

10階の病室から見える
並木道は
秋立つ気配に
銀杏の影は長くなる

茜さす 夕陽
あゝ もうすぐ君の来る時刻だ
水色の間仕切りカーテンが
舞台のホリゾントの役目のように
たちまち幸せ色に染まる

いつものように私の首に手を廻して起し
食器の蓋を取り 箸をそろえる
わずかな一日の逢瀬は
ひそかに心のひだにからみ合い とけ合い
恍惚なる時間が流れる

洗濯物をかゝえて手を振り
立ち止っては また歩きはじめ
遠く銀杏並木の彼方へと

 願わくば明日もまた と思うけれど
 君の倖は? これで良いのかと







最終更新日  2006年10月29日 13時19分25秒
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あの    名古屋哲夫

メーンテーマから
ぐうーんと
引っ張り
もぐる
もう一度
強く
かきこんで切る
岬から
小島の崖から
また
遠く沖から
頭上高く
かもめが
ジュピターの下へ
使いする
光が移動し
小刻みに
天使が舞う
あの
モーツァルト







最終更新日  2006年10月29日 13時17分57秒
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2006年07月19日
カテゴリ:カテゴリ未分類
創造の日々     船越政子

  第一日
不確かな肉魂を持ち
ひとりの女が仰臥している
暗闇にはさまざまのものが浮遊し
女を釘づけにする
ことばのない一日が終り
寸分も動くことなく女は
ただ闇を食って生きる

  第二日
不確かな肉魂により
シーツに体をはりつけたまま
女は出来合いのメロディを口ずさむ
口の動きが脳髄を解きほぐし
やがてまどろむ
夢の稲妻が女を襲い
川辺に現れた女
川には水なく
月の橙色は石に焼きつく
意味のない発音遊びのうちに
一日は終わる

  第三日
不確かな肉魂の闇に
さまざまなものが遊び
女は伏している
虚無へと自らを彩色し
声にならない声にもらす
世界は闇のまま一切の光源を持たず
目は月の光を求め
果たせないままに
この日も終る
 
  第四日
不確かな肉魂により 伏したままの女は
いか程か疲れ やつれる
女は饒舌の虜となり
無数のことばが沸きざわめく
肉体を意識させる違和感の起こり
細胞は卑屈に縮み
お互いの反発をぶつけ合って
塩からい体液をしたたらす
ありっけたの憎悪を持ちこたえ
自らを排斥しようとする肉魂により一日

  第五日
不確かな肉魂を持って
女はそこに仰臥し
腐らずに時を廻らす
皮膚には くまなく世界がはりつき
闇の浸潤が女を身震いさせる
それをぬぐうために
手に体をまとい
闇にはらう
闇はあくまで闇で
あり続け
Oh! blue blues
やわらかなソプラノで叫び一日

  第六日
不確かな肉魂を
確かに持ちこたえながらも
見開かれた瞳は見えず
光のない闇のことばは
体じゅうを廻る
世界を開き 触れるのみで
粘液質の闇を泳ぎ続ける
疲れるままに疲れ
闇はなつかしい寝床となる

  第七日
不確かな肉魂を持ち
女はまたもや仰臥している
闇を泳ぐ脳裏に見た燐光も
やがて消える
光のないままに全ての内部を洗浄
不純物が流れ去ると
ひとりの女は
いない






最終更新日  2006年07月19日 13時02分46秒
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