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大病院にて 田村照視
10階の病室から見える 並木道は 秋立つ気配に 銀杏の影は長くなる 茜さす 夕陽 あゝ もうすぐ君の来る時刻だ 水色の間仕切りカーテンが 舞台のホリゾントの役目のように たちまち幸せ色に染まる いつものように私の首に手を廻して起し 食器の蓋を取り 箸をそろえる わずかな一日の逢瀬は ひそかに心のひだにからみ合い とけ合い 恍惚なる時間が流れる 洗濯物をかゝえて手を振り 立ち止っては また歩きはじめ 遠く銀杏並木の彼方へと 願わくば明日もまた と思うけれど 君の倖は? これで良いのかと お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年10月29日 13時19分25秒
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