子豚遭遇

　帰りの地下鉄構内で、子豚をつれているカップルを見た。 　てか、思わず後ろをついて歩いてしまった。 　子豚は鼻先からお尻まで30〜40cmくらいととても小さく、ラグビーボールを連想させる形をしていて、色は「ど・ピンク」。 　人工的なほどに濃いピンク。 　透明の毛がぽやぽやと生えており、光の具合で毛が艶めくと、肩やおでこが輝いて見えた。 　近くで見ると、穏やかなアーモンド型の目。 　赤ちゃんじみた柔肌。 　首にひもをつけられて歩かされたり、立ち止まったり、抱っこされたり、といったことを嫌がるでもなく、かといって歓迎するでもなく、無表情でなされるがまま受け入れている様は人間のちっちゃい子に似ていた。 　生後何ヶ月なのか子豚はわかりませんが（子犬ならなんとなくわかる）、ずいぶんと幼いようだ、と思いながら、改札を入ったら乗る路線が違っててあっという間にさようなら。