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テーマ:ミステリはお好き?(1494)
カテゴリ:推理小説
物理学者湯川学博士が探偵の長編で第三作、直木賞受賞作。
このミステリがすごい!1位をとって、直木賞受賞で人気が凄すぎて今の今まで借りられなかった。 ま、たんに予約するのが面倒だっただけなんだけど。 一、二作は物理化学トリック主体の短編でとても面白かったのだけど 今回は長編で、天才対天才の、トリックとそれを崩す。 さすがに東野さん、読みやすいです。 ハードカバーだけど2~3時間であっという間に読めた。 先が気になって引き込まれたと言った方がいいかも。 なかなか良かったです。 以下、今更だけどネタバレありで。 石神が守るのは、愛を交わした人ではなく、たんに隣人の好きな人なのだ。 一方通行の思い、それなのに殺人を犯した彼女の罪を隠し、 完全犯罪にするために策を弄する。 事件が警察に発覚した時点でおかしいとは思った。 ここから日付が出て来て、あれ最初日付無かったよね?って不思議に思った。 まぁ最後まで気がつかないアホなんだけどね。 天才だけど、冴えない容姿に恋に不器用な男。 美形だったらまた道は違ってたのかと思うとちとやりきれない。 湯川が美形かどうかは憶えて無いけど、学生の時長髪だったのがちょっと・・。 ま、はやってた時代なんでしょうけど。 石神が自首したところで、涙がぶわーっと溢れ出た。 小説では余り泣かないんだけど、こんなに涙でたの久しぶりだ。 そこまでして庇おうとする愛に感動したと申しましょうか。 工藤をつけたのは、事後共犯になったのに自分になびかない隣人に てっきり可愛さ余って肉さ百倍のストーカーに変貌したのかと思ってた。 もう石神を応援したくなって、工藤に罪をなすりつけちゃえ、と思ってたよ。 でもそれもこれも全て自分が身代わりでは無く罪人になるため、 と分かった時はもう嗚咽だった。涙で本が読めないくらいに。 なんでこんなに涙が出たかわから無いけど、愛に感動しちゃったんだな。 そんな愛もあるんだ、無償の愛。あまりに大きな愛に、脱帽。 それなのに靖子の、人を殺したのにデートしたり、 事後共犯になったら今度はその人に縛られるんではっていう危機、恐怖感が無くて脳天気すぎ。 最後に真相を知って、だまっているか、自首するか。 よほどの悪女で無ければ、自首するだろうけど、 隠しとおす自信が無かったら最初から自首すれば良いわけで、 そうすると石神の犯罪は何だったの・・、とあまりにやりきれない。 あまりに切な過ぎた。 だからって無関係の人を殺して言い事にはならないけど。 だけど娘が自殺を図った理由が今一つわからない。 気に入らない男とデートする母に嫌気がさし、石神を裏切っては破滅だと悲観したのかな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年02月04日 22時10分00秒
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