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にゃん★日本脱出逃避行

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2005.08.02
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「韓国語で言ってよ!」

「いやだよ!韓国語じゃ、そんな事言わないもん!」

「韓国語で“ぽっぽ へじゅせよ”って言ってよー(>-<)」

「いやだ」


日本語なら「キスして」って言うくせに、彼は韓国語ではいえないって言う。

「じゃぁ、しないよ?」
「いいよ。別に…」

といって、無理やりキスされる…。

     ったく。


彼にとって日本語は外国語だから、母国語では言い辛いことも、簡単に言えちゃうんだよね。
それが外国語のすごい所。
私も英語や韓国語だと、細かな表現ができずに、言葉がストレートになる。逆に日本語だと、喋ってるうちに難しい言葉を使ったり、回りくどい表現をすることが多い。

大事な話を彼にした。私がどんな思いでいたのか。彼に対してどんな思いを抱いているのか、これからのこと。

もちろん普段早口の私も、多少スピードは落とし、ゆっくり喋る。
でも結構難しい言葉は使ってるかもしれない。
それは上級者レベルにあがってきている彼に、もっと日本語の上達してもらう為のスパルタ教育かもしれないけど。


しかし、自分に都合が悪くなったのか、本当に分からなかったのか疑問だけど、
「それは…分からない」と彼が言った。

「ちょっと!そう言うときだけ日本語分からない振りしないで!外国人ぶっちゃって!」
「そう言うんじゃないよー。でも何となくは分かるけど…」

それも外国語を話す人の特権だよね。



そんなわけで、韓国人の、ウンイとは、約5週間の冷却期間の末、仲直りしました。


これで良かったのかは、正直疑問。
彼とは、またそうなる事を私が望んでいた訳ではないのだけど、意志の弱い女だと自分でも思う。

私はこの1ヶ月あまりどれ程寂しくて、悲しかったか、もっと話したかったんだけど、
彼は「もういいでしょ。過去のことだよ。今またこうやって会えたんだし。それが大事でしょ?」

***************************


土曜日。
「スノボ旅行から帰ってきた。今夜会えないか」とメールが入ってきた。
私はバイトだったので「午前一時くらいになるから…遅いでしょ??」といったのだけど、彼は私さえ良ければ、それでも会いたいのだといった。


そろそろ連絡あるだろうっては思っていたけど、一つ落ち着けばまた一波乱の予感に胃がキリキリ…。

オッパのことはショックだったけど、私が考えても仕方ないことだし、彼からそれ以来再びまめに連絡があるし、随分落ち着いてはきた。


とりあえず、1時に会う約束して私はバイトへ向かった。

(前、電話するって言ったのに、結局メールのやり取りだけで、今夜いきなり会うなんて…一体どんな顔して会ったらいいの?…アー…オットケ…)


そんなことをもやもや考えながら土曜なのに、バイトは暇で時間の流れは遅く、それがさらに私の胃を苦しめた。

12時に帰れるとこになり、急いで家に帰って部屋も片付けなきゃ。
シャワーを浴びなきゃ。。。

(別に、彼とHするのに備えてじゃないからね…
そんなつもりはないからね。それに彼だってないだろうし。
でも、念のためシャワー浴びたことばれないようにしなきゃ…。
ばれたらそう言うつもりだな、この女って思われるかも知れない…
それは困る。それは嫌だ。)

そんなことを、一頻りずっと自分に言い訳しつつ、髪が濡れないように気をつけてシャワーを浴びた。

不意をついてシャワー中に彼から電話がなった。
「もしもし」私が先に言った。


言葉って面白くて、一番最初「もしもし」というとその後の会話は日本語になるし、もしも「Hello?」って言えばその後は英語になる。
「ヨボセヨ?」っていったら、これは稀だけど、韓国語での会話になったりする。

彼との会話のメインは日本語なので、つい癖で「もしもし」と言ってしまう。

「今から行っていいの?今CITYにいるから、これからTAXIでいくから」
「分かったよ」

そんな会話も久しぶりで妙に緊張した。
でも彼は「タクシー」を「テクシー」と言った。
ほかは流暢な日本語なのに
(やっぱり韓国人だなぁ~)なんて思いに耽ってる時間はもうない。
とっととシャワーから出た。


彼はいつも家の前に着くと「ついた。」と電話をよこす。

「HELLO?」と電話に出ると、やっぱり英語だった。

彼を迎えに下の階まで行かなきゃいけない。
アパートはオートロックだけど、ちゃんとインターホンがあるんだから、そこから呼んでくれれば、鍵を開けられるのに。
何度説明しても、彼はいつも私を下まで呼び出す。

エレベータから降りると、20mほど離れたドアの向こうに彼が立っている。

私はいつものように笑顔で彼に手を振った。

(これで良かったのか…?)疑問は残った。


もっとシリアスに、ドラマティックにいきたかったけど、私の性格よね…。

彼もいつもどおりわたしに笑顔で手を振り返す。

ドアを開けると同時に「元気だった?」


****************************


部屋に入ってテーブルを挟んで向かい合わせに座る。


私としては、彼とはただの友達にもう戻りたかった。
韓国語の先生として。
私も彼にとってただの日本人の友達。
それで良かった。だから、隣じゃなくて、向かい合わせに座った。


もともとけんかしていたのも私のせいだ。

私が、もう彼との関係に終止符を打つつもりで業と、彼を怒らせたことが原因。
それをシドニーから出ることに決めて、最後にありがとうだけは言いたくてメールを送った。

それで終わればそれでも良かった。
でも私は明らかに、彼から再び連絡が来ること、こうしてまた会うことを望んでいたんだって思う。



「何があったの?どうしてシドニー出るの?心配したよ…。」

彼はそういって私の髪をなでた。

(ちょっと!私の固い意思を初めから壊そうとしないで!!)
出鼻を挫かれてしまった気分である。


私が彼にお茶を出すために席を立つと彼は私のソファに移動していた。

(結局こうなっちゃうんだよね…。)

合わなかった時間の話をしながら二人で韓国映画のDVDを鑑賞した。
私の好きな映画の一つ「クラシック」という映画。いつも通りの姿勢で。


その映画の中で私の好きなシーン。
主人公二人が再会するシーンで、こっそりと囁き合う部分がある。

何度見ても、そこは「あぁ~!HOW SWEET!!」ってなる。
彼も同じ様にそうなっていた笑


そして、彼が私の耳元で同じ様に囁いた。

「ボゴシッポッソヨ…」(会いたかったよ…)って。

そしたら私だって同じセリフ言っちゃいますでしょ?

「ナドゥヨ…」(私もよ…)って。



もう私の負けだわ。って思ったもの…。
でも、最後まで「Hはもうしません!」と足掻いたのだけどね…。



結局朝4時過ぎまで起きていたので、彼が帰ったのは翌日のお昼だった。

私の気持ちはすっきりしなかった。

彼と仲直りしても、もう彼をこれ以上近づいた関係に思うこともできないし、第一、私は後一ヶ月でシドニーを出ることにしたから。
まだこの街で大学生をしなきゃいけない彼との今後なんて何も分からないもの。

何も解決しないんだから。
「これでもか、これでもか」という彼の誘惑に結局靡いたのは私だし、そんなこともあり、彼に再会できた喜びよりも、彼の帰った後は余計に凹んでしまった。


おっぱから電話があり、暫く話した。

あの事件以来、彼は私をより親密な人物と感じていてくれるらしい。
私もそうかもしれない。

だから、彼にはできるだけ私のことも話したい、と私も思うようになった。
ウンイのことも簡単には話しておいた。
「仲直りしたんだけど、なんだか憂鬱…」
その理由は、日本語でもうまく説明できないものをおっぱには英語で話さなけりゃいけない。ムリエヨ…(無理です)
同じ韓国人でも、年齢も違うし、性格も全然違う二人です。



前回の日記を読んで心配してくれた友達がいました。(ありがとうー)
みんな「大丈夫なの?!」と言ってくれた。
私が思ったよりも元気なので安心したといってくれた。

元気です。
もうちょっとやそっとじゃびっくりしないよ笑


前職の同期で福岡にいるRRは、もし彼と結婚することになっても、それが私にとって幸せなら応援するから…と、話が飛躍していた事がおかしかった。
韓国に来たときの滞在先と考えているらしいけど…?


彼が結婚していたことを知らずに傍にいた時よりも、離れていても全てを知った今のほうが、彼の存在は近くなった気がする。
彼もそうだといっていた。

大体、離婚協議中の彼が次の結婚なんてまず考えないと思うけど、もしかしたら、全てが片付いて、何年か経って、お互いがお互いの国で落ち着いた時、それで大切な人と思えるなら、その先は、また別のスト-リーが生まれるかもしれない。


って私は勝手に思っているけど、おっぱはそんな気全くないかも知れないねぇ。


とりあえず、借りていた「阿部美穂子の韓国お嫁入り」の本は返しました。
私の知らない間に、おっぱは韓国で韓国式にすでに結婚式挙げてんだもん!



それが一番ショックだったかもしれない…





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Last updated  2005.08.02 13:52:53
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