2011/09/10(土)10:09
幸福というものは主体的なもの
あなた自身の数多くの経験からして、
最後には、こういう信念に到達するがよい、
つまり、幸福というものは主体的なものであり、
自分自身の内に見出さねばならぬものだ、と。
たしかに、外的な出来事が瞬間的な幸福を
呼び起こす事のあるのは本当である。
しかし、それは永く続くものだろうか、
また、だれかある人の生涯に、そのような出来事がたえまなく
つぎつぎに起こるなどと期待できるだろうか。
そうでないことをあなたは知っているし、また誰もがそれを知っている。
しかし、もしあなたが、常に活動的に、誠実に生き、
神と和らぎながら、すべての人びとにたいして
豊かな愛をもって、生きようと決意するならば、
そのために間違いなく得られる幸福の実感によって、
あなたは困難な時にも、しっかり支えられるであろう。
それどころか、しばしば、苦悩の中においてさえ、
あなたは非常に強い心の慰めを経験し、
そのために、後になると、この苦しかった時期が、
ただ幸福な時としてのみ思い出にのこるのである。
また、こうしていれば、どんな外的な幸運にめぐりあっても、
あなたは他人に対して、高慢や不遜におちいらずにすむであろう、
そういう弱点は世間のいわゆる「幸運児」には
いつもつきまといがちがちのものだが。
眠られぬ夜のために 第2部 9月12日・・・・・ヒルティ著