2012/03/26(月)07:57
怒りと毒素
怒つたり怖れたりすると人間の体内に毒素が出るものである。
その毒素の香ひを嗅ぐと敵愾心になつて来る。
犬の嗅覚は特に敏感だから、直ぐそれを知つて吠えついて来る。
泥棒などを犬が知るのはこの理由によるのである。
誰にでも多少感じては居るのだけれど、明瞭に感じると感じないとの差がある。
如何なる猛犬に遇つても、獅子虎の如き猛獣に対しても平気でゐたらよい。
愛の心をもつて、一緒に眠るやうな気になれば決して害をしないものである。
どんな動物でもさうである。況や人間に於てをやで、
愛の心をもつてさへをれば誰でもが愛して呉れる。
人間は虎や熊に遇へば怖れるであらう。
が其下心にはあいつを甘く殺したら毛皮が何百円……とはや銭勘定をして居る。
その敵意が早速毒素となつて感応してゆくから、牙をむいて飛びかかろうとする。
小鳥などを見ても、どうして捕つてやらうかと、
直ぐ人間といふものは敵愾心を持つからいけない。
敵意をもつて事に処すれば万物皆敵になる。
愛をもつて向へば皆味方となる。
愛は絶対権威をもつものである。
出口王仁三郎・・・玉鏡