楼羅の無駄知識。楼「聞き込み、行かないんですか?」そう言って、見るからに行きたくなさそうな所長とこうたさんを横目で見る。 ト「行くぞ?行くけど・・・なぁ・・・。」 こ「行きたいんだけど・・・ねぇ・・・。」 楼「早く行きましょうよ。銃の手入れもばっちりですし。」 おむおろに腰から銃を抜き、構える真似をする。 ト「・・・それが一番心配なんだが・・・」 こ「楼羅の事だから、目の前に虫が出てきたら反射で撃ちそうな・・・。」 楼「撃ちませんって。命を狙われたとき以外は。」 ト「(目が本気だ・・・・。)」 こ「(こればっかりは犯人に同情したくなる・・・。)」 楼「もう。お二人が行かないのなら私だけで行ってもいいんですよ?」 ト「さあ、聞き込みに行こうか。」 こ「は、はい所長vさ、楼羅も行こう!」 楼「そう来なくっちゃー。行きましょうv」 このとき所長が何かをポケットに忍ばせたのを、私は知らなかった・・・。 数十分後。 楼「・・・現場はここら辺ですね?」 ト「そうだな・・・。」 こ「なんか、明るくても気味悪いような感じですねぇ・・・。」 楼「うーん・・・そうなると、あれが煉議さんが仰っていた路地裏の入り口じゃないですか?」 地図と煉議さんの検証を元に作った書類を併用して、位置を特定する。 私の指の先には、良く見ないと見失ってしまいそうな、人間一人がようやく通り抜けられる程の入り口があった。 ト「ふむ。あれ・・・だな。」 こ「しかし・・・狭くないですかね?」 楼「そう言う場合は・・・手榴弾でぶち抜きますか・・・あっ、痛い痛い痛い!!骨折れる!」 ト「お前はー・・・!動く武器庫め!物騒な物使おうとしないの!」 内ポケットからミニ手榴弾を出そうとした手を、物凄い剣幕の所長に捕まれて捻り上げられた。 楼「痛っ・・・離してくださいってば。痛い!肩折れますっ!うぁあ折れる!」 ト「そんな物持ち出すからだってーの・・・。」 楼「い、いたい痛いイタイ!止めてくだ・・・さいってば!」 捕まれた手を渾身の力で振り切って、肘鉄を所長の腹に入れてみた。 ト「わっ、ちょっとゴメンなさ痛゛!」 所長が崩れた音がした。うふふ、してやったり。 楼「いくら何でもやりすぎですっ!・・・所長?」 ト「ゲホ・・・何だよ・・・。」 こ「・・・所長の脇に落ちてるこれって・・・。」 ぎらりと怪しく光る、黒い・・・。 楼「・・・ハイスタンダード22口径2連発デリンジャー、ですね?」 ト「・・・あ。」 こ「しょ、所長・・・?」 楼「実弾は入ってませんね・・・ゴム弾です。私と同じ非致死性の物。」 ト「そ・・・それには訳が・・・。」 楼「所長・・・。」 ト「ち、違うんだ。違うんだって。」 楼「・・・所長、銃の知識はあります?」 ト「は?」 楼「これ、攻撃や護身には向いていない拳銃ですよ。」 ト「え・・・。」 楼「これは小ささと軽さを追求した銃ですからね・・・。これ、所長には撃てないと思います。」 ト「何故だ?」 楼「トリガーの重さが11キログラムあるんですよ。いざってとき引き切れないですね。」 ト「重・・・。」 楼「殺傷力も低いですしね。・・・って、所長。今隠したものは何ですか?」 ト「何でもない・・・。」 こ「・・・同じものですね、この銃と。」 ト「あっ、こうた・・・!」 楼「2丁拳銃?」 ト「ギクリ。」 楼「所長、銃使ったことあるんですか・・・?」 ト「まあ、ぼちぼちかじった程度に・・・。」 楼「安定するまでは2丁拳銃は危険ですよ・・・。」 ト「・・・はい・・・。」 こ「(論点がずれてるような・・・)」 楼「ってー!所長!私の事散々非難しておいてそれはないんじゃないですか!?」 ト「いや、だからゴメンって。」 こ「軽・・・。」 ト「いや・・・やっぱ聞き込み中に遭遇して襲われたら不味いかなー・・・って・・・。」 楼「だから言ったじゃないですか・・・。」 こ「でも、一般人の銃の携帯は法律違反ですよね・・・?」 楼「・・・・。」 ト「・・・・。」 ト「い、命取られるよりマシだろ!?な?」 楼「で、ですよねっ。命の方が法律より大事ですよっ!」 こ「(この人達に法律を求める時点で駄目なのか・・・。)」 動く武器庫楼羅、新たな非常識人トーティス、そして唯一のまともな人こうたの3人のコンビは今日も行く・・・ ジャンル別一覧
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