038452 ランダム
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きょうのめいぷる

きょうのめいぷる

「危険な仕事」

楼「と、とりあえず・・周辺捜査を開始しません?」

四つん這いになって咽ているトーティスと、それを心配そうに気遣うこうたに言ってみる。

ト「・・・お前、どんだけ強く肘鉄入れてんだよ・・・!」
こ「だ、大丈夫ですか・・・?」

肘鉄が入った所をさすりながら、ゆっくりと立ち上がりトーティスは言う。

楼「あれは所長が乙女のか細い腕を捻り上げるからです。」
ト「どこがか細いって・・・」
楼「・・・何か言いました?
こ「な、なぁ・・・周辺捜査は・・・?」

楼羅から怪しい黒いオーラが見えた(様な気がした)こうたは、話題を元に戻す。

楼「・・・そうでした。行きますか、捜査。」
こ「(軽・・・!)」
ト「行くか。・・・一応気を付けておけよ?何か嫌な予感がする。」
楼「了解~。」
こ「了解。」


私達は裏路地に入っていった。
入り口が狭くて頭をぶつけてしまいそうになる程だ。

そして何より・・・

楼「・・・なんじゃこりゃー。」
こ「腐敗臭、ですか・・・?」
ト「飲み屋の裏、か・・・。日光も殆ど入ってこないし、密会する場所にしたら上出来だろうな。」

楼「こんなとこに居たら、嗅覚麻痺しちゃいますよ~・・・。」
こ「頭くらくらする・・・。」
ト「お前ら・・・情けねぇなぁ・・・」

その時。
微かに物音がした、様な気がして楼羅は振り返った。

楼「?」
ト「どうした?」
楼「今何か物音が・・・。」
こ「気のせいだろ・・・。」
楼「・・・そうだといいんだけど。どうやら気のせいじゃないみたいですね・・・。」

楼羅がそれを言い終わらないうちに、金属が派手にぶつかるような音が頭上で響いた。


『ガラン!』


ト「!」
こ「な!何か降ってくる・・・!」
楼「避けて!」

そう叫ぶと楼羅は、素早く降ってきた物体を避け、両手の中の拳銃で威嚇射撃・・・もとい、犯人がいたと思われる方向に弾を撃ち込んだ。

楼「・・・ちっ。逃がしたか・・・」
ト「・・・看板。それにワイヤーか。」
こ「どうやらこのワイヤー、鋭利な刃物で故意に切られたようですね・・・。」

「降ってきた」と言うよりは何者かが「降らせた」その看板には、一枚の紙が貼り付けてあった。

こ「この件から手を引け。さもなくば待っているのは死のみだ・・・ですか。」
楼「しっかり気付かれてたんですね・・・。」
ト「・・・俺らも危ないが・・・煉議さんも危なくないか?」

楼&こ「・・・!」

こ「俺たちに依頼を頼んだ事を相手が知ってしまっているから・・・。」
楼「私達か煉議さんか、どちらが先か判らないけれど確実に消されるわ・・・。」

こ「しかも、相手も只者じゃないようですし・・・。」
楼「かなりの反射神経ね。油断は出来ないわ・・・。」

ト「・・・なら、あいつを呼ぶか・・・。」

こ「あいつ?」
楼「誰です?」

ト「カドハマーってやつだ。ありとあらゆる格闘技をマスターしている。」

こ「・・・カドハマー。何処かで聞いたような・・・。」
楼「あ、その人ってK-1出てませんでした?」

こ「・・・まさか。角ハマーさんの事ですか!?」
楼「角ハマー・・・空手、柔道、合気道、ボクシング諸々、格闘技に秀でており、彼の瞳からは闘志が伝わってくると言われる、最強の呼び声も高い覇者・・・!」
ト「そうだ。俺の元仕事仲間な。」
こ「所長って凄い人だったんですね・・・。」
ト「俺は普段から凄いだろう?」

楼「おサボリが素晴らしいです。
こ「寝てる時間も素晴らしく長いですよね~。

ト「・・・いぢめだ・・・」

楼「・・・まぁとりあえず、角さんにアポを取りましょう。動くのはそれからです。」
こ「了解です!」
ト「俺の台詞・・・。」


命を狙われる探偵事務所一行と依頼人、煉議。
新たな仲間の登場により捜査は楽になるのか・・・。

闇が渦巻く裏世界に足を踏み入れた3人は、今日も行く・・・


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