「危険な仕事」楼「と、とりあえず・・周辺捜査を開始しません?」四つん這いになって咽ているトーティスと、それを心配そうに気遣うこうたに言ってみる。 ト「・・・お前、どんだけ強く肘鉄入れてんだよ・・・!」 こ「だ、大丈夫ですか・・・?」 肘鉄が入った所をさすりながら、ゆっくりと立ち上がりトーティスは言う。 楼「あれは所長が乙女のか細い腕を捻り上げるからです。」 ト「どこがか細いって・・・」 楼「・・・何か言いました?」 こ「な、なぁ・・・周辺捜査は・・・?」 楼羅から怪しい黒いオーラが見えた(様な気がした)こうたは、話題を元に戻す。 楼「・・・そうでした。行きますか、捜査。」 こ「(軽・・・!)」 ト「行くか。・・・一応気を付けておけよ?何か嫌な予感がする。」 楼「了解~。」 こ「了解。」 私達は裏路地に入っていった。 入り口が狭くて頭をぶつけてしまいそうになる程だ。 そして何より・・・ 楼「・・・なんじゃこりゃー。」 こ「腐敗臭、ですか・・・?」 ト「飲み屋の裏、か・・・。日光も殆ど入ってこないし、密会する場所にしたら上出来だろうな。」 楼「こんなとこに居たら、嗅覚麻痺しちゃいますよ~・・・。」 こ「頭くらくらする・・・。」 ト「お前ら・・・情けねぇなぁ・・・」 その時。 微かに物音がした、様な気がして楼羅は振り返った。 楼「?」 ト「どうした?」 楼「今何か物音が・・・。」 こ「気のせいだろ・・・。」 楼「・・・そうだといいんだけど。どうやら気のせいじゃないみたいですね・・・。」 楼羅がそれを言い終わらないうちに、金属が派手にぶつかるような音が頭上で響いた。 『ガラン!』 ト「!」 こ「な!何か降ってくる・・・!」 楼「避けて!」 そう叫ぶと楼羅は、素早く降ってきた物体を避け、両手の中の拳銃で威嚇射撃・・・もとい、犯人がいたと思われる方向に弾を撃ち込んだ。 楼「・・・ちっ。逃がしたか・・・」 ト「・・・看板。それにワイヤーか。」 こ「どうやらこのワイヤー、鋭利な刃物で故意に切られたようですね・・・。」 「降ってきた」と言うよりは何者かが「降らせた」その看板には、一枚の紙が貼り付けてあった。 こ「この件から手を引け。さもなくば待っているのは死のみだ・・・ですか。」 楼「しっかり気付かれてたんですね・・・。」 ト「・・・俺らも危ないが・・・煉議さんも危なくないか?」 楼&こ「・・・!」 こ「俺たちに依頼を頼んだ事を相手が知ってしまっているから・・・。」 楼「私達か煉議さんか、どちらが先か判らないけれど確実に消されるわ・・・。」 こ「しかも、相手も只者じゃないようですし・・・。」 楼「かなりの反射神経ね。油断は出来ないわ・・・。」 ト「・・・なら、あいつを呼ぶか・・・。」 こ「あいつ?」 楼「誰です?」 ト「カドハマーってやつだ。ありとあらゆる格闘技をマスターしている。」 こ「・・・カドハマー。何処かで聞いたような・・・。」 楼「あ、その人ってK-1出てませんでした?」 こ「・・・まさか。角ハマーさんの事ですか!?」 楼「角ハマー・・・空手、柔道、合気道、ボクシング諸々、格闘技に秀でており、彼の瞳からは闘志が伝わってくると言われる、最強の呼び声も高い覇者・・・!」 ト「そうだ。俺の元仕事仲間な。」 こ「所長って凄い人だったんですね・・・。」 ト「俺は普段から凄いだろう?」 楼「おサボリが素晴らしいです。」 こ「寝てる時間も素晴らしく長いですよね~。」 ト「・・・いぢめだ・・・」 楼「・・・まぁとりあえず、角さんにアポを取りましょう。動くのはそれからです。」 こ「了解です!」 ト「俺の台詞・・・。」 命を狙われる探偵事務所一行と依頼人、煉議。 新たな仲間の登場により捜査は楽になるのか・・・。 闇が渦巻く裏世界に足を踏み入れた3人は、今日も行く・・・ ジャンル別一覧
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