|
カテゴリ:地域情報
6月の下旬、涼しい日があったので『Trona Pinnacles(トロナ・ピナクルズ)』を見に行って来た。 SR 178からTrona-Red Mountain Rodeを西方向に入ると直ぐに出てくるサインには地質的情報や生物などについて書かれていた。 ダートの道を10分ほどガタゴト走るとピナクルズ郡が見えてきた。Torona(トロナ)とはこの町の名前、Pinnacle(ピナクル)とは小塔という意味。そう遥か向こうに見えている小塔郡がピナクルズだ。 この辺り一面は昔からいろいろな鉱物が採掘されている。 「世界一の鉱物の宝庫」と言うサインの向こうにはレールが敷かれている。きっとこの辺りで採掘された鉱物を電車で運ぶのだろうか?残念なことにこの日は一台も列車を見る事は出来なかった。 この町の名前Tronaも鉱物名「重炭酸ソーダ石」だ。 ピナクルズに近づいてきた。なんだか地面からニョキニョキと生えているようで摩訶不思議な光景である。 10万年まえから1万年前までここには巨大な湖 Searles Lake(サールズ湖)があった。ピナクルズはその湖の底に沈殿した炭酸カルシウム(貝やサンゴの骨格)が蓄積されて出来た小塔だ。何時のころからか水が干上がり始め、水中深くに聳え立っていたピナクルズが地表に顔をのぞかせ始めるようになった。今ではすっかり干上がりSearles Dry Lake(サールズ乾燥湖)になってしまった。 ここのピナクルズの成分は炭酸カルシウムが固まった石灰華なので、正式にはTufa(トゥーファー)と呼ばれる。高い物で140feet(43m)に及ぶ物もあるというから驚きである。そんなに大きくなるまでに何年かかったんだろう。考えただけで気が遠くなりそうだ。 こうして高い所から見下ろしてみるとピナクル以外の所は平坦なので水の底だったと言うのが分かるような気がする。 ここには500を越えるこうした小塔 ピナクルズがあるらしい。 近くでみるとかなりゴツゴツとしていて下手に素手で触ったら指先を切ってしまいそうに鋭い。 ここはMojave Desert(モハベ砂漠)のど真ん中に位置するので夏の気温は半端なく高くなる。ガイドによると115F(46.1℃)を越える日も珍しくないので気をつけるようにとの注意書きがあった。確かに暑い! ここからほんの20マイル(32km)ほど行ったところには地球上での最高気温「52℃」を記録したDeath Valley National Park(デスバレー国立公園)もあるので暑くなるのは当然かもしれない。 ピナクルズの間を歩くトレイルもあるが、6月の下旬とは言え、この日もかなり気温が上がってきたので、ジープでピナクルズの間を走ってみる事にした。この時ジープの温度計は112F(44.4℃)を表示していた。暑い訳だ!風すら吹いていないのでまるでオーブンの中に居るようだった。助かる事に湿度は無いので日陰に居て風さえ吹いてくれれば汗をかくことは無い。 ピナクルズの無い所は見事に平らで湖の底だったのが良く分かる。きっとこの地面を覆っている白い物体も何かの鉱物に違いない。価値を知っていたら集めたかもしれない(笑) 雲ひとつなく広がる青空が暑さを倍増させているように感じてしまう。 こんな不思議な光景を映画界が放って置く訳が無く、数多くのテレビドラマや劇場映画の撮影に使われたそうだ。有名なものだとスタートレックとか猿の惑星などがある。 ピナクルズを見た後はトロナの町に行ってみた。さすが鉱物の町。町のいたるところに鉱物精製所が並んでいた。この白い粉の山はBorax(ホウ砂)と思われる。 掘削された物なのか?既に精製された物なのか?は分からないが鉱物がこのパイプの中を行き交っているに違いない!アメリカらしさをここにも見たような気がした。 あまりの暑さで人っ子一人いないのは当たり前だが、鳥一羽、虫一匹見かけなかった。まるでゴーストタウンの様に静まり返っているトロナの町だった。 今回はあまりの暑さのためゆっくり出来なかったが、次はもっと涼しくなってからここで数日キャンプをしてみたい。きっと綺麗な日の出が見られるのではないだろうか。また満月に照らし出されたピナクルズもきっと神秘的だと思う。 この土地はBureau of Land Management(BLM)(土地管理局)の管理下にあるので最長14日までなら無料でキャンプが出来る。ただしトイレはあるが、水道は無い。 Trona Pinnacles National Natural Landmark の情報はこちら⇒ ☆
にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[地域情報] カテゴリの最新記事
|