あいつに俺ができることあいつに俺ができることどうやら、今日はあいつ――ティチエルの誕生日らしい。 んな事は俺にとってはどうでもいいのに、わざわざルシアンのやつが言ってきやがった。 なんでも、「みんな一人一つずつティチエルに渡すプレゼントを用意しているから、俺にも用意して欲しい」という事らしい。 時間的に、もう今日がその誕生日なのに今から用意しろと言われても無理があると思うんだが。 もっと早く言えばいいものを。 笑いながら、ルシアンのやつは俺の放った悪口を聞くこともなくどこかへ歩いていった。小脇に抱えていたのは、恐らくそのプレゼントなのだろう。 ったく、今から何を用意しろって言うんだよ。 ていうより、それ以前に俺にはそんな良いプレゼントを買えるだけの金がない。 いや、そこらの店で一番安い品物なら買えなくもないか。その分、他に使おうと思っていた金が無くなるが。 てのひらに手持ちの小銭を乗せて金額を数え、その少なさに改めて俺は溜息をつく。 欲しいものが何かもわかりゃしない。あいつは何が好きなんだ? しかも、買うにしても高いもんは買えない。値切るか安物にするかの二択になる。なんとも面倒だ。 いちおう考えてみるかと思いつつ、俺は適当な店に入った。 俺は、暫くして店を出た。……いや、半ば強引に追い出されたと言うのが正解か。 はした金でも少しでも良いものが買えないかと何度も交渉してみたが、逆に店員に怒られた。あの単細胞め。 その後も何件か店を回ってみたが、特によさそうなものも見当たらず、所持金も足りなかった。 ん?そういえば、俺はなんで最初は乗り気じゃなかったのにわざわざ高額品を交渉しようとしたり店を巡ったりしてるんだ? なぜかは自分でも知らないが、いつの間にかこんなことに真剣になっている俺にふと気がついた。 君はもうティチエルに渡すプレゼントを用意したのかい? と、いつの間にか背後にいたイスピンに突然話しかけられた。いつから俺を見ていたんだ? がんばって探してはみたが、俺の買えるものは無かった。といった感じで返答した記憶がある。 好きなものの中には、お金では買えなかったり、値段よりも大切なものがあったりするんだよ、と一言意味深なことを俺に言ってイスピンは去っていった。あいつは一体何を知っているんだ? きっと、そこらの安物より、他にティチエルが満足するものを考えろということだろう。 だから、せめてプレゼントの代わりに、特別に無料で、俺がいつも持ち歩いてるバイオリンを演奏してやろうと思った。 (マキシミンのメモより) <あとがき&メッセージみたいなもの> 遅ればせながらも、ティチ誕参加予定作品のつもりです。 マキシ主観なだけでなく、テチが一回も登場しないけどティチ誕です。 このSSを、もし各行の最初の文字を縦に読んだ人がいたら、それがきっと正解です。 そんな余計なことを考えてたせいか、つたない文章になってしまいました。 もっと上手くやれるようにならないかなぁ。 ……え?これはマキテチ志向なのかって?アーアー、キコエナーイ( 基本的に私は特定のカップリングよりオールキャラ志向なんですが、たまにはこんなのでもいいかなと。 でもマキテチは好きです。ゲーム中での狩りコンビとして( ↑ティチ誕に参加しました。(公開終了) トップへ戻る ジャンル別一覧
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