非日常から始まる現実第二話 非日常から始まる現実・・・ん、朝か。 目を開けると、目の先に鳥が飛んでいるのが見えた。 最後のほうに大きな鳥が見えて、さらにその後ろに氷を背負った娘が飛んでいったが気にしないことにした。 「さて、いい加減起きるか・・・」 俺はハンモックからいそいそと降りて、朝ごはんの支度をする。 そこらへんで取ってきた魚などを焼いていると、遠くのほうからそこだけ夜を貼り付けたような、真っ暗な球体がふらふらと飛んできた。 あれが何かはわかっているので、さして気にせずに支度を続ける。 「あ、そとろーおっはよー」 闇の球体から突然少女が出てきて俺に飛びついた。 「ルーミア、俺はそとろーじゃなくて外郎。う、い、ろ、う、だっての」 ルーミアを体からはがしながらわざとイライラを前面に出して指摘する。どう指摘しても変わらないが。 「そーなのかー」 ルーミアは着地すると、腕を広げて笑顔で反応する。 出た。ルーミアお得意のそーなのかー。・・・まぁこのポーズはかわいいから別に何度見ても飽きないが。 ・・・って、そんなことはどうでもいい。支度、支度。 「今日のご飯はなにー?」 ルーミアが聞いてくる。 「んー?魚を焼いた奴だが。ルーミアに上げる分はないぞー?」 元から自分ひとり分しかない。だがルーミアは、 「えぇー?」 と文句をたれてきた。いや、君に食わせると俺の分がなくなるから。そう言ってもまだえーえー言ってくる。 だがここはあえてスルーと決め込んだ俺は黙々と魚を焼く。 途中で後ろからルーミアが飛びついてきたりタックルしてきたりしてたが魚は死守した。 「ふむ・・・もう少し早めに火から出してもよかったかな」 俺がもぐもぐと魚を食べているとルーミアが物凄く食べたそうな目で見ている。よだれも出そうだ。 さすがにこれ以上は何かかわいそうだ。正直俺が一番かわいそうな気もするが気のせいだろう。きっと。 「・・・あー。わかったわかった。半分やるよ」 「わーい!ありがとういろー!」 言った瞬間一気にこちらに飛んできて魚をパクッと食べた。・・・あの、それ俺の食いかけ。・・・まぁいいか。 ルーミアはもぐもぐと魚を食べ終わると、わはー と言って座りこんだ。どうやら落ち着いたようだ。 「・・・で?今日はどこに連れて行ってくれるんだい?」 「えっとねー、霊夢っていう人のところー」 霊夢・・・どこかで聞いたことがあるな。 「なるほど。じゃあ道順を教えてくれ」 「りょうかいなのだー」 まだまだ幻想郷に来たばかり。色々知らないとな。 ジャンル別一覧
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