ドクターG「右の手足が…」脳梗塞?病名推理エンタメ!11/12
病名推理エンターテインメイント総合診療医ドクターG11/12は「右の手足が・・・」でした。ドクターGは NHKで木曜夜10時~放送中。実際に合った症例をほぼ忠実に再現し、スタジオで、三人の研修医達が患者の病名を探る番組です。今回は…梨農園を営む五十代の男性が、右の手足が思うように動かなくなり倒れた。男性の父親は8年前に脳梗塞で亡くなっている。同じ病気なのか?という所から物語が始まります。そして、この患者を実際に診察したドクター「総合病院国保旭中央病院医師 塩尻俊明 医師」が、スタジオの研修医達が推理する病名を手助けをしていきます。【楽天ブックスならいつでも送料無料】シーン別神経診察 [ 塩尻俊明 ]価格:5,400円(税込、送料込)まず、この患者は7/24、農作業中に倒れます。そして、いつものかかりつけ医へ駆け込みます。初診:・手足が思うように動かない。・右手筋力低下(医師の手が握り返せない)、・右足筋力低下(つま先が上向きに曲がらない)・顔面は麻痺はなく、ろれつも回っている。そこでの診断は脳梗塞を疑い、安静にし、薬をのみ、リハビリをするというものでした。2日後CT撮影で、脳の左側に微細な梗塞を発見。【かかりつけ医による患者データ】・高血圧、コレステロール値も高い。・喫煙習慣あり・喘息、持病などはない・半年前にインフルエンザ、2か月前に破傷風の予防接種をしている。・2か月前の健康診断から比べ、はるかに血圧があがっている。・体温は38℃、風邪症状はなし・ADL(日常生活動作)低下、歩行困難発熱が脳梗塞で説明できないので、おかしいなと思ったかかりつけ医は倒れてから二週間後、紹介状を出し、今回のドクター塩尻医師に依頼した。塩尻医師のもとを訪れた患者。【患者データ】55歳 農業梨の収穫時倒れる。・体温:36.8・血圧:170/112・脈拍:75回/分・呼吸数:14回/分熱は下がったが、血圧がかなり高いようです。患者曰く、「歩くのもだるい。リハビリもだるい」今は車いすに乗っているほど、歩行が難しくなっている。家でも娘とリハビリをしていたが、来院5日前、体がだるくついにリハビリもできなくなる。それから畑にも出られずにいる。医師から車いすから立てるか?と聞かれるも、なんとか立つが、太ももがとても痛そうだ。患者:「リハビリの筋肉痛ですよ」医師:「左右両方ですか?」患者:「はい、両方とも痛いです」医師:「座ってても痛い?」患者:「座っていて痛いです」ちなみに・・・脳梗塞は、脳の血管が血液の塊などによって詰まる病気で半身のまひが突発的に表れる病気です。スタジオでは、この突発的にまひが起きた、と言うところにポイントをおきます。つまり、本当に突発的に麻痺は起きたのか?もしかしたら、患者が意識してないだけで、麻痺は以前からあったのでは?軽い症状であれば、本人も気づかない事も。とすれば、脳梗塞の可能性は低くなると言うものでした。では、徐々に麻痺が進行する病気は何なのか?【医師の問診で分かった事1】倒れた当日、仕事を終え、昼食時、食欲がなく縁側で昼寝をした。起きると右手がしびれ、右足も長時間正座した時のようなしびれがあった。【医師の問診で分かった事2】倒れる一か月前、仕事で「紐を結ぶ」という作業が困難になっていた。右手の指と指が開いた状態で、水もすくえず、こぼれてしまい、顔も洗えなかった。【医師の問診で分かった事3】食欲もない。【医師の問診で分かった事4】手のひらを上にして両腕を前に伸ばし、目を瞑ってもらう「バレー徴候」の検査をしました。脳に異常があれば、腕が内側に丸まる様に下がってきますが、異常なし。【医師の問診で分かった事5】胸の音も異常なし。【医師の問診で分かった事6】手足のまひは、まず・指先の作業が出来なくなった(正中神経の異常)・指が閉じなくなった(尺骨神経の異常)・転倒してしまった足(腓骨神経の異常)の順番で麻痺が起きていた。【医師の問診で分かった事7】先ほどの医師とのやりとりで、座っていても太ももが痛いとあったがこれは、筋肉の炎症であるといえる。じっとしていても痛いのは 筋肉の炎症だそうです。★末梢神経の異常、筋肉の炎症、共通して症状を引きを超す要因は何か。答えは「血管」の異常。筋肉に栄養を運ぶ血管に炎症があれば、周囲の筋肉にも炎症が起き、痛みや発熱を発します。このことから患者が「血管炎」であることがわかりました。ではもっと詳しい血管炎の病名に迫ります。Q、神経や血管に影響を及ぼす血管は?A、細かい血管に炎症がおきると症状がでる。細かい血管は、中小の血管か毛細血管か??ここで絞り込むために過去のデータをみてみます。患者はここ最近で急激に血圧があがっています。血圧をあげる血管は、どちらの血管か。ここで研修医が「腎動脈、腎臓に行く血液量が減ると、血圧をあげるホルモンを出す。」と答えます。腎動脈は中小の血管に分類されます。毛細血管の血流が減っても、血圧を上げる仕組みは働かない。よって、今回の病名はこちらが導き出されました。結節性多発動脈炎結節性多発動脈炎とは…血管炎のひとつ。大血管、中小の血管、毛細血管と血管の太さで3つに大別した時の、中小の血管に炎症がおきる病気。血管に節が連なるような形で炎症おき、血流が滞ると筋肉痛や発熱がおきる。神経細胞に栄養が行き届かなくなると、手足のまひが起きます。最初は突発的な麻痺かと思われましたが、きちんと問診をすれば、徐々に麻痺が起きていたことが分かりました。このことから、脳梗塞は除外されました。そして、患者に沿った丁寧な問診が必要であるという事が分かりました。ちなみに患者さんはステロイド剤(抗炎症薬)で治療し、炎症を抑えて、今は仕事復帰しているそうです。今回も勉強になりました!にほんブログ村