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カテゴリ:読んだ本
2004年7月1日発行。
痴漢の疑いをかけられて逮捕されてしまった鈴木氏が、裁判で無実を勝ち取るまでの様子が、 本人からの視点と、弁護士の解説と言う形で詳細に描かれています。 事件発生が1998年10月16日、無罪判決が降りて解決するのが2000年7月19日。 実に1年9ヶ月の長きに渡って、身の潔白を証明するために戦い続けた記録です。 その間に、筆者は失職しています。 痴漢の疑いで逮捕されたことで、会社から解雇の勧告を受けたからです。 解雇は不当であるとして、会社に対しても訴訟を起こしています。 今は法が変わって、痴漢の罰則については上限50万円、禁固刑もあるそうですが、 その当時は罰金5万円。 やっていなくても5万払って終わりにしてしまう、という人は多かったそうです。 そのあたりは、当事者の人生観にかかわる問題になるとか。 警察、検察、裁判所のあり方が大きく問題として取り上げられています。 冤罪が作られていく過程が、読んでいて怖いです。 男性からすると、痴漢容疑の冤罪って人生を狂わせる恐怖の事故なんでしょうね。 きちんと確認もしないで、「この人が犯人!」と決めつける女性も敵なのかもしれません。 ただ私は女性なので、実際に被害にあった女性の側の気持ちもわかる。 もちろん確認はちゃんとすべきでしょうし、手ぐらいつかみたいものだとは思いますが、 それも状況に応じて難しいこともあるだろうし、かなりの勇気も必要ですし。 女性からの申告によってのみ、無実の男性を痴漢に仕立て上げてしまう冤罪の裏には、 ホンモノの痴漢が野放しになっているという別の問題があるわけです。 警察などの犯罪を取り締まる組織が、本来あるべき姿となって、犯罪撲滅の方向へ 進んで欲しいと切に願います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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