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カテゴリ:読んだ本
2003年5月 講談社ノベルズより
2006年5月 講談社(文庫)より 同じ登場人物による短編が4話です。 「被害者は誰?」「目撃者は誰?」「探偵は誰?」「名探偵は誰?」。 「被害者は誰?」は、豪邸の庭で白骨死体が見付かったが、犯人が黙秘をしているため それが誰かわからない。 警察が押収した手記を手掛かりに、被害者は誰かを推理する、という話。 「目撃者は誰?」は、大きな会社の社宅で不倫をしていたカップルが、その不倫を理由に 誰かにお金を請求される。 と、同時に同じ社宅で殺人事件が発生する。 不倫カップルの目撃者は誰なのか、殺人事件の真相はどうなっているのかを探る話。 「探偵は誰?」は、基本は殺人事件の犯人探し。 ただ設定上、実際の事件を元に書かれた推理小説を読んで、その事件を解決した探偵役=筆者が 誰であるかを推理する、という話。 「名探偵は誰?」は・・・・うーん、説明しにくい。 殺人事件の謎解きなんだけど、ポイントはそこではない、というか。 主人公は警視庁捜査一課の刑事。 この刑事が、何か難事件が起きるたびに、探偵役である『先輩』に相談しにいき、知恵を借りて 事件を解決していきます。 『先輩』は実際に事件現場に行くわけではなく、後輩である刑事から話を聞くだけ。 こういうの、安楽椅子探偵って言うんだっけ? 「被害者は誰?」はけっこう興味深く読みましたが、他はちょっとムリヤリ感がありますね。 推理をして真相を考えるというよりは、意外な設定を楽しむことが主目的かも。 キャラクターが魅力的だったら、もっとおもしろく読めたかなあ、という印象。 主人公である刑事も、ヒーローであるところの『先輩』も、残念ながらあまり好きなタイプじゃ なかったんですよね。 『先輩』の職業がミステリー作家で、出す本は全部ベストセラー。 頭脳明晰で、モデルやアイドルタレント並みのルックス。 「オレ様」的な言動で後輩に対して尊大であり、後輩はそれを口では迷惑に言っているんだけど、 心の中で先輩を尊敬していて、掃除など使い走りでも文句を言いつつ逆らわない。 そして『後輩』は軽率でおバカなキャラ、みたいな。 この組み合わせって典型的すぎな上に、やりすぎ。 かえって没個性的に見えて、つまらない感じがしちゃったんですよね。 もっとナチュラルに突き抜けちゃってるヒトの方が、キャラとしては好きだな。 もしくは、もっといい人か。 私の今年の抱負として、『ミステリーは推理をしながら丁寧に読む』というのがあるので、 その意味では勉強になった本でした。 でも、もうちょっと楽しい方が好き。(^^; ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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