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カテゴリ:読んだ本
2010年2月 集英社より
作者は1948年生まれ。 東京医科歯科大学卒業、緩和ケア病棟がある長野県諏訪中央病院で 地域と一体になった医療や、患者の心のケアも含めた医療に携わる医師。 1988年には同病院の病院長に就任。 チェルノブイリ原子力発電所被曝事故の患者の治療にも協力し、 現地に行ったりもしています。 延命だけの治療には批判的であり、患者の側に立った医療を目指している名物医らしい。 そんな暖かさと情熱を持った作者が、人の心の力の凄さ、素晴らしさを語るエッセイです。 内容は5章に別れています。 1.空気ってなんだろう 2.空気に負けない 3.空気をかきまわせ 4.空気に染まってみる 5.空気に流されない 6.空気を変える 各章で、空気に負けない人やあったかい空気を作り出す人などを紹介しているんですが、 「普通の人間が世界を変える」と言いながら紹介された人が、 自分は人を殺すことはできない、と国の徴兵制度に従わず投獄されたチェコのチェリスト。 これ、普通?(゚∇゚;) 自分の意思を貫いて空気に流されないということなんだけど、 そこまで流されずに生きるってできないよ~と思いました。 まあ、そんな人だけでなく、本当に普通の人が強さを持って他人に優しくする話も たくさんあります。 ガンで余命短い人が明るく生き続けて、告知されていたより長く生きたり、 周囲を幸せにしたり。 「あったか空気は感染する」という言葉がよかったです。 読むと優しい気持ちになれて、少し元気が出る本でした。 後書きにこの本のエッセンスが詰まっていると感じたので、以下に抜粋しておきます。 空気は、人に、街に、時代に伝染する。 じわじわと広がり、いつの間にか、気分を高揚させたり停滞させたりする。 ときには、景気さえ左右し、経済を動かす。 ときには、国を間違った方向に動かす。 ときには、人間の行動や生き方までも、操っていく。 まわりから浮きたくないと、必死で空気を読む。 空気にとらわれる。 結局、小さな生き方から出られない。 気概を忘れていく。 気が抜けていく。 心が鬱々としてくる。 空気に流されるな。 空気をつくり出せ。 空気をよどますな。 空気をかきまわせ。 それが新しい生き方になる。 それが新しい時代をつくり出す。 信じていい。 空気は・・・・読まない。
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Last updated
2010.11.09 12:50:59
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