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カテゴリ:読んだ本
2005年01月 新潮社より
またもや退屈で死にそうだっためだか姫。 今回の一大事は、小文五の将棋の弟弟子・拓磨の身分違いの恋。 一介の冷飯が大名の末娘に懸想してしまったのだ。 「まあ、すてきすてき! 」俄然、縁結びに燃える姫君。 だが、ここにも田沼意次の魔手が…。 家康より拝領の「水無瀬駒」を巡る藩命の掛かった知恵比べ。加えて貞操の危機も。 めだか姫はいかにして立ち向かうのか。文庫書き下ろし。 (裏表紙 紹介文より) めだか姫は人妻なのに恋!?と思ったら、めだか姫ではなく、 風見藩の榊原拓磨と横隅藩の萌姫(もえひめ)の恋をめだか姫が応援する話でした。 そこにお約束の田沼意次の陰謀が絡んできます。 可愛い話でした。 ![]() 以下、ネタバレとなりますので間を開けておきます。 横隅藩に伝わる水無瀬駒(将棋の駒)。 関ヶ原前に家康が武将達を味方に付けるために、進物用に作らせたもので、 大阪夏の陣で真田幸村の急襲から家康を守った功で、永代安堵の証として 横隅藩に下賜されたものです。 大事に大事に蔵にしまっておいた水無瀬駒。 しかし江戸の町を襲った振り袖火事の際に、蔵に火が入ってしまうのです。 家老と若党4人は駒を守るべく、火の回る蔵に飛び込むのですが、 入口が崩れて出られなくなってしまう。 家老は腹を切ってその中に駒を押し込んで倒れ、その上に若党達が家老の体を庇って折り重なり 全員死んでしまうのです。 駒は焼失を免れましたが、家老の血が染み込んで落ちず、駒の文字さえみえなくなってしまった という、涙を誘わずにはいられない感動のエピソードが。 それを知った田沼は、将軍・家治にその駒を見せるよう横隅藩に迫ります。 文字の判別ができない駒を、将軍の前で偽物と決め付け、永代安堵の証を紛失した罪で 藩をお取り潰し、自分の領地の隣にある横隅藩を吸収してしまおうという悪巧みです。 水無瀬駒を借りて凌ごうとするめだか姫。 榊原琢磨と小文五の師匠が持っているのに、持っていないと言って貸してくれない事を知り、 将棋で勝負を挑むのです。 めだか姫がそんなに強いわけがないと思ったら、実際に勝負するのはめだか姫に扮した香奈。 香奈は琢磨の姉で、ものすごく将棋が強い。 そして師匠を負かして、駒を借り受けるのです。 しかも家治を呼んで、直接ではないけど勝負の様子をこっそり観戦させるというオマケつき。 そのことを知った田沼意次は、家治の前で横隅藩の藩主に 「上様がお気に入りだから、駒を献上せよ」と迫ります。 借り物だから献上できまい、とふんでのことです。 しかし将軍は「不要である」と断ります。 理由がおかしかった。 家康は54組も駒を作らせていたけど、実際に配ったのは22組、 残った32組は将軍家に伝わっていて「もらっても嬉しくない」からでした。 その後「今後は人に見せるでないぞ」と言って、横隅藩が今後困らないようにしてくれました。 家治はいつもおいしい役回りですね。(^^) 琢磨と萌姫の恋もうまくいってめでたしめでたしでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.03.15 12:18:14
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