2007年 角川書店より
2010年06月 文庫化
お江戸の片隅、お紅と清次の姉弟2人で切り盛りする小さな店「出雲屋」。
鍋、釜、布団と何でも貸し出す店ですが、よそにはない奇妙な品も混じっているよう。
それらは、生まれて百年を経て、つくもがみという妖怪に化した古道具。
気位高く、いたずら好きでおせっかい、退屈をもてあました噂超大好きの妖たちが、
貸し出された先々で拾ってくる騒動ときたら・・・!
ほろりと切なく、ふんわり暖かい、極上畠中ワールド、ここにあり。
(裏表紙 紹介文より)
「しゃばけ」に似た感じではありますが、違う点はつくもがみ達のなつき方。
しゃばけのつくもがみは若旦那にべたべたの甘えっ子ですが、
こちらのつくもがみはクールでプライドが高い。
基本的に、人間なんかとは口をきかないというスタンスで、かつ協力的でもなく、
自分達のしたいように振る舞う。
短編で小さな事件を解決していき、最後にストーリー全体を通した大きな事件、
(といってもお紅の恋愛に絡んだ、大店の若旦那の失踪事件ですが)を解決する
という構成。
一応、つくもがみの拾ってくる噂話が解決の糸口にはなっていますが、
つくもがみの活躍という印象ではないですね。
清次の推理力が優秀、という感じ。
どちらかというと「しゃばけ」のシリーズのベタベタ甘々な感じの方が
私は好きですね。
肩がこらずに、暇つぶしにさらりと読めてしまう1冊です。