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カテゴリ:読んだ本
1999年09月 角川書店より
2001年09月 文庫化 あのとき交わした、たわいもない約束。 十年たった今、君はまだ覚えているだろうか。 やりがいのある仕事と大切な人。 今のぼくはそれなりに幸せに生きているつもりだった。 だけど、どうしても忘れられない人、あおいが、心の奥に眠っている。 あの日、彼女は、僕の腕の中から永遠に失われてしまったはずなのに-----。 切ない愛の軌跡を男性の視点から描く、青の物語。 (裏表紙 紹介文より) 以下、粗筋と感想になります。ネタバレに注意。 先日読んだ、江國香織さんの書いた「冷静と情熱のあいだ Rosso」と対になる 男性視点のBluです。 Rossoは全く共感できず、面白いとも思えなかったので、期待せずに読んだのですが、 こちらの方がいくらか良かったです。 ストーリーを知っていたからかも。 この話は男性版・女性版とも、別れた恋人同士が、今はそれぞれ他の恋人がいるが 昔を忘れられず、10年前に交わした儚い約束をどちらも忘れずに再会する、 というのがメイン。 見ようによってはロマンチックと言えなくもない。 私も10~20代の恋愛脳だった時代だったら、うっとりと読めたかもしれません。 ただ、もうオトナなのでね。 あと、どちらも現在の恋人に不誠実っていうのはダメだろと思います。 かつての恋人を忘れられないなら、独り身を貫いて欲しい。 主人公・順正には芽美という恋人がいますが、彼女は主張がはっきりした子。 他の女性に対して、自分を恋人と紹介しなかったと怒り、恋人としての権利・扱いを はっきりと要求します。 何もかも許して、あおいの心が自分を向くのを待っていたマーブとは大違い。 芽美が順正の不誠実さや優柔不断を断罪してくれるおかげで、あおいの時ほど イライラが溜まらずにすみました。 また順正も最後はきちんと芽美と別れて、あおいが来るのを待つ。 2人は出会い、そしてあおいは去っていくのですが、順正はここで終わらなかった。 これまでの全てを無駄にしないために、とあおいをミラノで出迎えるために 特急に飛び乗って先回りするのです。 よし!と、読んでいた自分が報われた思いでした。 私があおいを好きになれないのは、何でも自分の中で勝手に決めて、 相手の感情を全部無視なこと。 子供を堕ろした時も、順正に相談なく 「堕ろしてくれと言われるくらいなら、なぜ勝手なことをしたんだと責められる方がマシ」 という判断から。 悩みも迷いも全部見せているくせに、相手に相談することも打ち明けることもない。 だったらそんな素振りも見せるなければいいのに、そこは甘える。 もう典型的なかまってちゃんで鬱陶しいことこの上ないんですよね。 今後、順正が頑張ってあおいとやり直すことになるのかな? あおいの面倒くさい性格は変わらない気がしますが、順正はそれも込みでOKだろうから まあ、ハッピーエンドで終わってよかったねと思いました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.11.18 19:55:34
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