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カテゴリ:読んだ本
2015年11月 小学館より
脚本 小松 江里子 著者 豊田 美加 1890年、親善訪日使節団を乗せたオスマン帝国の軍艦エルトゥールル号が、 和歌山県串本沖で沈没した。 600名以上が嵐の海に投げ出される未曾有の大惨事。 だが地元住人たちの懸命な救助活動により69名の命が救われ、 母国トルコへの帰還を果たす。 時は移って1985年。 イラン・イラク戦争に伴い、フセインはイラン領空の航空機無差別攻撃を宣言。 各国は自国民の救出に動くが日本には手立てがない。 多くの在留邦人の身に危機が迫っていた-------。 日本・トルコ友好125周年記念映画を完全ノベライズ。 時を隔てた2つの出来事には、深い絆の物語があった。 (裏表紙 紹介文より) 映画「海難1890」をもとに、著者が書き下ろしたノベライズ作品。 元が映画なので脚色過多な印象です。 年号や人数などはその通りだろうと思いますが、他はどこまでが本当なのかなと 思いました。 書いてあることを信じるとして、以前読んだ児童書では知ることのなかった点が幾つか。 エルトゥールル号はオスマントルコ帝国の威風を誇る美しい船だったそうですが、 かなりの老朽船で、日本に着くまでに故障&修理を繰り返し、予定よりはるかに 日数がかかってようやくたどり着いたらしいです。 また、日本滞在中に船員がコレラにかかり、このため更に滞在が長引いた模様。 横浜を出港したのは9月で、日本側は台風の時期なので出港を延ばしてはどうか と勧めたようですが、そのまま出港。 そして和歌山県沖で台風に直面、機関部が浸水してボイラーが水蒸気爆発して沈没。 69名は救助されましたが、587名が死亡または行方不明になりました。 またイラン・イラク戦争において、トルコが日本人のためにチャーター機を 飛ばしてくれた際、テヘラン(イラン)のメヘラーバード国際空港には まだトルコ人もかなりの人数が残っていた模様。 自分達も本当は飛行機に乗ってすぐに脱出したいところを、陸路での避難(隣国とはいえ 車で2日かかるらしい)を決意して、チャーター機を譲ってくれたトルコ人が500人も いたようです。 本当にありがたい話ですね。 次はオメル・エルトゥール著『トルコ軍艦エルトゥールル号の海難』を読みたいと 思います。 トルコ人が書くトルコ人視点のエルトゥールル号はどんななんだろう。 今トルコはテロ事件が頻発して犠牲者が多く出ていて、胸が痛みます。 早く皆が平和に安心して暮らせるようになりますように。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016.03.14 17:30:15
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