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2008年08月 双葉文庫より
腐米汚職を影で操る島岡伸之丞の正体が札差の二井屋であることがわかり、 湯瀬直之進と登兵衛らは、島岡の背後に潜む黒幕・堀田備中守正朝を追い詰めようと 策を練っていた。 そんな折、長い間病床に伏していた沼里藩主・誠興から使いを受け 上屋敷に駆け付けた直之進は、そこで沼里家中で起きている不穏な動きを耳にする。 好評書き下ろし長編時代小説、シリーズ第11弾。 (裏表紙 紹介文より)
以下、粗筋と感想になります。ネタバレに注意。 前作の最後で捕らえた高築平次郎により、島岡真之丞は札差の二井屋であり、 横領により20年以上前に取り潰された武家の子息・島岡真之輔であることが判明。 直之進と和四郎の調査により、島岡には親兄弟はもちろん、友人もなく、 かつての島岡真之輔の線からは足取りが追えない状態。 島岡は前・二井屋から札差の株を買っていた。 前・二井屋が株を手放したのは、廻船問屋への出資を持ちかけられて応じたが、 廻船問屋が3隻の船が全て沈んで倒産したため。 慣れた航路、熟練の船頭だったのに3隻とも沈没って、アヤしい。 平川琢之介が以前仕えていた家が断絶。 当主が若く、まだ結婚したばかりで子供がおらず、急な病で病死したのですが、 末期養子が認められなかったため。 末期養子というのは、死後にまだ生きていることにして養子を迎えることで、 認められないことがあまりないらしい。 当主の死の直前、藩内の道場にすごく強い道場破りが現れ、そいつの顔が変わった という噂もある。 それって佐之助や直之進が戦った相手なのでは? しかも当主が江戸を発つ時にいとまごいをした幕府の老中・阿部は堀田備中守の一派。 断絶は、堀田が私腹を肥やすために画策したに違いありません。 琢之介の弟は主家を失い、江戸に出てきて琢之介を頼ることになりました。 島岡と堀田の悪企みの中で「うまくいった。次の沼里もうまくやりたいものだ」 と言っていて、次のターゲットは沼里らしい。 沼里藩主・誠興はとうとう病死。 又太郎派の老中が沼里で殺害され、首を切り落とされる事件も発生。 直之進達が廻船問屋の知り合いを辿っていったところ、 前作で直之進と佐之助が戦った顔の変わる武士(これが島岡?)が待ち伏せている。 土産があるから受け取れ、と敵は戦わずに逃走。 見ると、沼里で殺された老中の首だった。 又太郎と沼里家を守るため、直之進は沼里へ向かうことになります。 沼里へ向けて出発する直之進の前に、佐之助が現れます。 何の用か問うと「おまえは知らないだろうが、俺は魚が好きだ」と答える。 佐之助も沼里へ行くらしい、と悟る直之進。 千勢も見送りに来ていましたが、佐之助と一緒に来るのでしょうか? それともお咲希のために留守番かな? メインの話はそんな感じ。 それと平行して、殺人事件が書かれています。 お咲希は水嶋栄一郎に好意を寄せており、栄一郎が通う道場に見学に行っている。 道場が終わった後、そっと栄一郎の後をつけていたが、栄一郎が3人組の浪人から 恐喝されてしまう。 そこへお真美が通りかかり、止めに入ったところ、突き飛ばされて転んだ拍子に 頭を打って死んでしまう。 浪人は逃げ、通報を受けた樺山富士太郎が駆け付け、栄一郎とお咲希から事情を聞く。 お真美は千勢と一緒に料永で働いていたので、お咲希も顔を知っている。 富士太郎は浪人3人組ならばヤクザ関係ではないかと、ヤクザの家を調べ始める。 一方、栄一郎も自分のせいでお真美が死んだと責任を感じ、独自に浪人を探し始める。 お咲希は栄一郎の身を案じて、佐之助に栄一郎の用心棒を頼む。 佐之助はわざと栄一郎の前に姿を現し、剣の強さから尊敬され、浪人探しを手伝い、 3人の居場所を突き止める。 富士太郎も同時に浪人達の居場所を突き止めて踏み込んだ時には、既に浪人達は 倒された後で縄で縛られていた。 この事件に何の意味があるのか、メインの話に関連してくるのはまだ不明。 ただ、佐之助が栄一郎の素質を見込んで、微笑ましく見守っている様子が、 千勢がお咲希を娘として迎えて可愛がっている様に似ていました。 お咲希は千勢を「おっかさん」と呼んでいます。 佐之助のことも大好きで、結婚すればいいのにと思っています。 佐之助、味方が多くてよかったね♪ あと、富士太郎がヤクザを調べている時に、どこかで雇われた強い用心棒を 気にしているシーンがありました。 この用心棒が後で登場するのかな? そして富士太郎と言えば、どんどん女っぽくなってしまって、 私的にはまたちょっと食傷気味。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017.03.28 12:40:18
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