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カテゴリ:読んだ本
2012年02月 講談社より
婚活中の天才弁護士・百瀬太郎は、毎日持ち込まれるやっかいな依頼に悪戦苦闘。 ------とにかく引き受けて、共に考え、解決の道を探したい。 黄色いドアの向こう側、猫いっぱいの事務所で人と猫の幸せを考える日々に、 新たな依頼が舞い込んだ。 「霊柩車が盗まれたので取り戻してほしい!」 すべてのピースがつながった後には、誰にも予想できない結末が待っている。 笑いあり涙ありのハートフル・ミステリー! (表紙裏 紹介文より) 猫弁というシリーズの1冊目です。 先日「1冊目は『猫弁 死体の身代金』というタイトルだった」と書いたのですが、 それはドラマのタイトルでした。 私は2冊目から読み始めてしまったのですが、読んでみると かえって良かったかもと思いました。 最初の話だからか、キャラクターの性格が安定していなくて 2巻で感じたような全員が好ましいと思える感じではなかったです。。 特に、大福亜子。 2巻では、最初から百瀬の婚約者として登場。 百瀬が通うナイス結婚相談所に勤める有能な社員で、百瀬の担当として パートナーの紹介やアドバイスをしてくれます。 が、ドスの効いた声、不機嫌な表情で厳しい言葉。 2巻で描かれるまっすぐ育った裏表のない正直な女性像とつながりません。 最後に亜子の言動の理由が明かされるのですが、そこまでずっと悪印象で見てしまうので そうだったのかとすぐには気持ちが反転できません。 先に2巻を見ていなければ、嫌な登場人物としてインプットされてしまったと思います。 あと、ミステリー色が2巻より濃いです。 2巻目はもっとゆったりした謎解きで、その感じも合っていると思ったので 作品として作り上げた感が強かったです。 ストーリーとしては、靴メーカーの会長が亡くなって、その葬儀中に 霊柩車ごと遺体が盗まれてしまう。 犯人から遺体の身代金として1540万円の要求の電話が入る。 息子でもある社長は、なぜか公にしたくないらしく警察には言わず、 百瀬に解決を依頼する、という話。 次もまた期待したいです。
以下、粗筋と感想になります。ネタバレに注意。 亜子が百瀬の見合い相手にわざと合わない相手を選び、断られるようなアドバイスを していたことについて。 亜子が中学生の頃、百瀬は『世田谷猫屋敷事件』という事件を解決して 今日の猫弁としての名声(迷声?)を確立。 亜子はその事件の関係者で、百瀬の見事な解決に感激し、百瀬に憧れていました。 だから百瀬が誰かと結婚してしまうのがイヤで邪魔をしたのですが。 動機はわかるんですが、ドスの効いた声で態度が悪いことが理解できないし、 しかも紹介料が高額なのに30回も見合いを失敗させているのはやり過ぎと思う。 百瀬がお金が続かないから退会すると言って去っていくのを見て、心が痛くて、 誰でもいいのなら私を、と婚約者になるというのが、感動的に見せているけど 結構ひどいと思いました。 2巻を先に読んでいなくて亜子の良さを知らなかったら、嫌いな女性確定に なるところでした。 百瀬とテヌーの出会いが判明。 自動販売機で飲料を買ったら、取り出し口に捨てられていた子猫でした。 サビ猫で、毛の柄がメチャクチャなのは神様の手抜きと思った百瀬が テヌーと付けたのでした。 うん、百瀬はわかってないな。 黒と茶色を複雑に、かつ可愛らしく混ぜ合わせたのがサビっ子の魅力。 神様が「これは白、これは黒」と単色で作った時より手を掛けて丁寧に作ったんですよ。 しかも柔らかくてフワフワ。 ん?それは個体差かな?ウチは一番ふわふわなんだけど。 ストーリーの結末としては、会長は死んでおらず、会社の重要種類や印鑑を持って 自ら行方をくらましていた。 社内の信頼厚い会長から自分へ決定権を移したい社長が、死んだと公表して 葬儀を仕組んだもの。 霊柩車を盗んだのは、マヌケだが善良で売れないお笑い芸人。 ぼったくりバーの数万円の飲み代が、利息が付いたと1500万円もの借金にされてしまい、 追い詰められて行き当たりばったりの犯行だった。 が、会長により借金を帳消しにしてもらい、当の会長に頼まれて身代金受取まで 手伝うことになる。 ずっと母親である会長に反発し続けていた息子(社長)だが、 犯人達が本当に会長を殺したと思い込み、犯人に殺意を抱くほど怒り狂い、 本当は母親を大切に思っていたというのが判明する。 会長は元社員だった職人と犯人だった芸人2人と共に秋田に移住して 小さな靴屋を開くことになる。 社長は仲が冷え切っていた妻と少し関係が改善する。 百瀬は事務所の黄色過ぎるドアが、弁護士バッジにデザインされたひまわりの色と知り、 この色も悪くない、と思うなど最後は大団円という感じで終わりました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017.07.11 13:09:20
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